幕末維新史 3月刊行の個人的注目書籍
3月に刊行された幕末維新史関連書籍の中で、私がすぐに購入したのは2冊。青山忠正『明治維新史という冒険』(思文閣出版)と、原口泉『龍馬を超えた男 小松帯刀』(グラフ社)。
まず青山氏の新著『明治維新史という冒険』ですが、佛教大学鷹陵文化叢書というシリーズの第18冊目。同シリーズには他に、青山氏も執筆者の1人として参加されている、原田敬一編『幕末・維新を考える』などがあります。
『明治維新史という冒険』は青山氏が過去に雑誌・新聞・図録など、様々な媒体に発表してきた文章を1冊の書物としてまとめ直したものです。それらは幕末維新史の多様なテーマに及んでいます。比較的、一般向けの媒体(例えば『歴史読本』や『歴史群像』など)に掲載された文章の再録が多いように見受けられます。NHK学園の機関紙『れきし』第92号に掲載されていた「龍馬は『暗殺』されたのか」など、入手しにくい媒体からの再録が嬉しいです。
ともあれ、その目次は以下の通りです(青文字部分)。
明治維新史という冒険
Ⅰ 維新の足跡―フィールドノートより―
維新史を歩こう
京都の町並みのなかに
桂小五郎と木屋町
近藤勇と壬生の屯所
徳川慶喜-京都の将軍-
岩倉具視と幽棲旧宅
大阪のビルの陰に息づく
橋本左内と適塾
大久保利通と中之島
五代友厚と商都大阪
堺事件と妙国寺
関西近郊に足を伸ばして
井伊直弼と埋木舎-彦根-
勝海舟と海軍操練所-神戸-
吉村寅太郎と天誅組-大和-
江華島の砲台―韓国―
Ⅱ 兵士と戦い
戊辰戦争と諸隊
馬関攘夷戦争
奇兵隊と四境戦争
ある奇兵隊士の処刑
Ⅲ 人と生きざま
吉田松陰―やさしい教え魔―
岩瀬忠震―辣腕外交官の憤死―
伴林光平と「南山踏雲録」
坂本龍馬と文久・元治年間の政局
龍馬は「暗殺」されたのか
Ⅳ 変動する政局
岩国と薩摩―水面下の薩長交渉―
薩長武力挙兵の勇断
長州の密使
政権奉還と王政復古
御一新と明治太政官制
草莽のゆくえ
あとがき
続いて、原口泉氏の『龍馬を超えた男 小松帯刀』。今年、同じグラフ社から『篤姫 わたくしこと一命にかけ』を刊行され、大河ドラマ『篤姫』の時代考証を担当されている原口氏による新著です。小松帯刀は一般的な知名度は低いですが、西郷隆盛や大久保利通と並ぶ、あるいはそれ以上かもしれない幕末薩摩藩の逸材です。大河ドラマ『篤姫』でも重要な役割を演じるであろう小松の生涯を、原口泉氏が1冊にまとめました。
原口氏が新著の冒頭において、「小松帯刀は、坂本龍馬をはじめ西郷隆盛や大久保利通といった、巷間広く知られている幕末の英雄たち以上に、幕末史に影響を与えた人物、『龍馬を超えた男』だったのではないか」と述べています。原口氏がそれほどまでに高く評価する小松帯刀の事績を、多くの人に知ってもらいたいという願いが込められた書物です。
そのほか、まだ購入はしておりませんが、3月刊行で気になった書籍をいくつか。順不同です。
●村上泰賢編『小栗忠順のすべて』(新人物往来社)
●猪飼隆明『西南戦争‐戦争の大義と動員される民衆‐』(吉川弘文館)
●一坂太郎『幕末・英傑たちのヒーロー‐靖国神社前史‐』(朝日新書)
●安藤優一郎『幕臣たちの明治維新』(講談社現代新書)
新人物往来社の『○○のすべて』シリーズは、『伊庭八郎のすべて』などのマイナーどころも出されているので、むしろ小栗忠順(上野介)は出ていなかったのかと意外な感じがしたぐらいです。
そのほか、朝日文庫版の萩原延壽『遠い崖―アーネスト・サトウ日記抄』の、第11巻と第12巻が出ました。11巻は『北京交渉』、12巻は『賜暇』です。
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