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2008年2月28日 (木)

ディズニー映画の猫たち 第3回

今回は「ディズニー映画の猫たち」を紹介する企画の3回目。今回は短編アニメーションでデビューした猫キャラクターを中心に紹介していくことになります。それに加えて、TVシリーズに登場した猫たちも紹介します。

まずは、ウォルト・ディズニーがラフォグラム社という会社で作った作品を2つほど。『ブレーメンの音楽隊』と『長靴をはいた猫』の2本。どちらも1922年の作品です。私は前者については未見なので詳しく存じていないのですが、ウマ、ニワトリ、イヌ、ネコといった4種類の動物たちが音楽隊を結成している話だそうです。後者は王様の娘と結婚したい少年が猫の知恵を借りるお話です。

1923年〜1927年まで続いた『アリス・コメディー』シリーズには、ジュリアスという猫のキャラクターが登場します。アリスと一緒に行動している猫なのですが、アリスよりも目立っているのではないかと思われます。何しろ、彼のお調子者的性格がトラブルを巻き起こすこともしばしばのようですから。シッポは自由に取り外すことができ、用途に応じて様々な使い方ができます。それどころか、頭も取り外しできたような記憶が…。ちなみにジュリアスは裸の猫ですが、二本足で歩きます。また、フィリックス・ザ・キャットの見た目を借用して生まれたキャラクターらしいです。

短編アニメーションに登場する猫キャラクターと言えば、山猫のピートを忘れてはいけません。ブラック・ピートとかペグレグ・ピートと呼称されることもある、ミッキーマウスの宿敵です。ピートはミッキーマウス・シリーズ以前のアリス・コメディ・シリーズやオズワルド・シリーズにも登場していましたが、その頃の外見はまだ猫ではありませんでした。1928年の『蒸気船ウィリー』に登場する際、ネズミのミッキーに対して山猫のキャラクターに改変されたものと思われます。

ピートは『蒸気船ウィリー』でミッキーと共演して以来、多くの短編作品でミッキー・ドナルド・グーフィーと共演しています。2003年に発売された、ミッキーマウス誕生75周年記念のビデオ作品『ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士』でも、ピートはミッキーの宿敵として活躍しています。

TVシリーズの話になってしまいますが、ピートには家族もいます。妻がペグ、息子がPJ、娘がピストルです。TVシリーズ『パパはグーフィー』では、ピート一家はグーフィー家の隣に住んでおり、グーフィーとマックスの親子とは家族ぐるみの付き合いをしています。また、長編映画『グーフィー・ムービー ホリデーは最高』やビデオ版続編『グーフィー・ムービー Xゲームは大パニック』では、PJはグーフィーの息子であるマックスの親友として活躍しています。

アカデミー賞短編アニメ賞を受賞した『プルートのなやみ』(1941年)はネコ絡みのお話です。ある日、偶然にもプルートは捨て猫を拾ってしまいますが、飼い主のミッキーはプルートそっちのけで、その猫を可愛がります。プルートは面白くありません。そんなとき、その猫が命の危険にさらされ、プルートの頭の中で「助けなさい」と言う天使プルートと「放っておけ」と言う悪魔プルートの戦いが始まって、最終的にはプルートが猫を助けるお話です。

また、1935年の『プルートの化け猫裁判』は、プルートががいじめてきたたくさんの猫たちがプルートを裁判にかけ、火あぶりの刑にするという、プルートの悪夢が描かれます。この作品でも、ミッキーは猫を可愛がっていてプルートは面白くない…というところから話が始まります。プルートが活躍する短編作品には、ネコ関係のものが他にもいくつかあるようです。

シリー・シンフォニー・シリーズにも、猫を主題とした作品がいくつかあります。1935年の『三匹の親なし子ねこ』はアカデミー賞短編アニメ賞を受賞した作品です。そのほかにも、『子猫の武勇伝』(1935年)や『いたずら子猫』(1936年)などの作品があります。

短編作品でデビューしたキャラクターではありませんが、長編映画『ピノキオ』に登場したフィガロが主役の短編作品がいくつかあることを、過去記事「子ねこのフィガロ」で紹介しました。

また、TVシリーズでデビューしたキャラクターですが、かつて東京ディズニーランドのグリーティングにも登場していたらしいので、ファットキャットを紹介しておきます。1989〜1990年のTVシリーズ『チップとデールの大作戦』に登場していた悪役です。犯罪組織のボスで、チップとデールのレスキュー・レンジャーと敵対しています。

第3回はここまで。第4回は、ネコ科のキャラクターたちを紹介します。

ディズニー映画の猫たち 予告編
ディズニー映画の猫たち 第1回
ディズニー映画の猫たち 第2回

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2008年2月27日 (水)

ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル 最終回

ついに終わってしまった『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』。最終回(第13話)は色々と感無量でした。

冒頭の、ゼットンとゴモラの戦い、迫力がありました。リトラとエレキングと一緒でも勝てなかったゼットンに敢然と立ち向かっていくゴモラの姿は、今までに何度も述べたことですが、まさにヒーローそのものでした。カッコよかったです。

そして、レイのことを心配し、レイと一緒に惑星ボリスから脱出しようと行動するヒュウガとハルナ、レイたちが無事にペンドラゴンに戻ってくることを信じるクマノとオキ…ZAPクルーの面々も最後まで魅力的でカッコよかったです。彼らの活躍は今回で最後になるかもしれないと思うと、勿体ない・寂しいと感じてしまうほど、本当に良いチームでした。

主役のレイも、回を重ねるに従って頼もしく見えるようになり、さらには好感を抱ける主人公になっていったように思います。最終回は「もう1人の怪獣使い」たるケイトとの”レイオクニクス・バトル”、つまり怪獣使いであるレイオニクス(レイブラッド星人の遺伝子を受け継ぐ者)が、怪獣バトルを通じて怪獣の苦痛を自分も味合うことになる戦いに挑む姿が、まさに主人公でした。

ゴモラはゼットンの強力な攻撃に倒れ、それによってレイもダメージを負います。そこへ駆けつけたヒュウガとハルナのドラゴンスピーダーですが、ゼットンの光線をまともに食らいそうになるハルナ。レイの「やめろ~!!」の叫び声と共に起き上がり、ハルナを守ってゼットンの光線を浴びるゴモラの姿は、正真正銘のヒーロー!!ゴモラの行動はレイの意思によるだけではなく、ゴモラ自身の意思でもあったと思っています。

さらに、そこに飛来するキングジョーブラック。ゼットンとキングジョーブラックの、最強どうしの激闘が展開します。両者どちらも譲らぬ大バトルは、かなりの迫力。ゼットンとキングジョー(ブラック)が戦っているというシチュエーションだけでも興奮しますが、その興奮に拍車をかける激闘!!見ていて飽きません。

ヒュウガとハルナが着陸してレイの元へと駆け寄ったとき、レイはついに覚醒しました。まばゆい光に包まれ、レイはレイモンになったのです。その覚醒のためにレイに戦いを仕掛けていたケイトが、喜びの声をあげます。レイの覚醒に応じて、ゴモラもEXゴモラにパワーアップ!!

EXゴモラは改造ゴモラとも呼ばれる怪獣で、元々はプレイステーション2のゲームソフト『ウルトラマン Fighting Evolution REBIRTH』で初登場したキャラクターです。その後、実写の映像作品には登場することがないまま、ゲームのデータカードダス『大怪獣バトル ウルトラモンスターズ』にも登場し、ソフビ人形も発売されていました。今回、そんな経歴を持つEXゴモラが、ついに実写の映像作品に初登場したわけです。

EXゴモラはゲーム中で得意としていた必殺技を次々に繰り出し、ゼットンとキングジョーブラックの二大最強怪獣を圧倒します。物凄い威力に見えるEXゴモラの超振動波を食らったゼットンは、ついに大爆発したのでした。EXゴモラは凶悪そうな面構えをしてはいますが、恐らく内面は以前と変わらないのでしょう、レイモンとEXゴモラは勝利した後頷き合います。

そして、石に封印されてしまったウルトラマンを復活させようと試みするレイモン。しかし、途中でレイモンはレイの姿に戻ってしまい、ウルトラマンは復活しません。一方、レイオニクス・バトルに敗れた、レイの姉・ケイトは、すべてのレイオニクスと戦い勝ち残ったレイオニクスこそが、レイブラッド星人の後継者に選ばれるという、データカードダスのゲームのストーリーにも通じる話、あるいは続編を作ろうと思えば活用できそうな話を語ります。そして消えていくケイト。

それはともかくとしても、レイを連れてボリスを脱出しようとするヒュウガとハルナ。自分は人間ではないからと、それを断るレイ。しかし、ヒュウガとハルナはレイが大切な仲間であることを訴え、ついにレイも一緒に行くことを承諾します。このあたりはお決まりの展開と言えるかもしれませんが、良かったです。

レイも含め、ZAPメンバー全員無事でボリスを脱出しようと発信しようとしたペンドラゴンですが、そこに現われてペンドラゴンを掴んだのは、キングジョーブラック!!そう言えば、キングジョーブラックはEXゴモラに圧倒されはしていたものの、止めを刺された描写はありませんでした。ペンドラゴン、最後の最後で大ピンチ!!

そこへ、「ヘァッッッ!!」という独特の掛け声が響き、キングジョーブラックの体を掴む銀色の手が画面に映りました。その声、その手だけで、その正体が誰なのかわかります。そう、我らがウルトラマンです!!声が聞こえ、手が見えただけで圧倒的な存在感を感じさせるウルトラマンの姿に、まさに感動。最終回にして、ついに復活したウルトラマンの勇姿に興奮。

キングジョーブラックをペンドラゴンから引き剥がそうと試みるウルトラマンですが、さすがにキングジョーブラックは強力で、ビクともしません。そこでウルトラマンは、高々と左手を振り上げ、八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)を発生させ、至近距離でキングジョーブラックに叩き込みます。その描写がカッコイイことカッコイイこと…。そして一刀両断されるキングジョーブラックの左腕。

さすがのキングジョーブラックも、片腕を失ってはどうしようもなく、ウルトラマンによってペンドラゴンから引き離され、両者はもつれ合ったままボリスの地表へと落下していきます。ペンドラゴンは最後の最後で、ウルトラマンによって救われたのです。そしてその直後、人工太陽がボリスの大気圏に突入し、人工太陽は大爆発。ボリスの地表は真っ赤に燃え上がります。

「ウルトラマンは…どうなったんだろう」と、視聴者の気持ちを代弁するクマノ。そして、「ウルトラマンは不死身です。絶対、無事ですよ」と、これまた視聴者の気持ちを代弁するオキ。ウルトラマンが生きていることを信じ、そして自分たちの無事を喜び合うZAPの面々は、ハルナの兄であるハルナ・ヒロキが操縦するゴースタードラゴンと共に、地球へと帰っていくのでした…。

非常に、良い最終回だったと思います。1話から全体的に見れば、序盤から中盤にかけてはストーリーの進展が遅く、終盤に詰め込んで一気に謎の解決を進めた感じがありますが、それはそれで終盤を盛り上げることに一役買っていた面はあると思います。それに、「大怪獣バトル」の名に恥じない、本当に見応えある怪獣たちの激闘を楽しむことができました。出演者の皆様も魅力的なので、13話だけでは勿体ないと思いますし、ぜひ続編を作ってもらいたいと心から感じる作品です。

ウルトラマンの安否が曖昧な点については不満な感想を抱く方もいらっしゃるようですので、続編を作ってくれれば、そこで明らかにできますね。実際、過去の作品でも、そういう事例はありました。

1994年10月10日に日本テレビ系列で単発TVスペシャルとして放送された『ウルトラセブン 地球星人の大地』では、セブンがメトロン星人の地下基地の爆発に巻き込まれて、生死不明になってしまいます。その後、続編として1998年から発売された『ウルトラセブン』(ウルトラセブン誕生30周年記念3部作)で、セブンが生きていたこと(ただし、モロボシ・ダンは自分がセブンであるという記憶を失っていました)が判明します。そんな感じで、続編でウルトラマンの安否を描くのもアリではないかと思います。

『ウルトラギャラクシー』はBS放送とネット配信だけでしたから、やはり地上波での放送よりも視聴する人は限られてしまうと思います。無料で毎週ネット配信していると言っても、やはり地上波と違って認知度はあまり高くないようですし、PCよりはTVの方が観やすいという方も多いようですから。ぜひ地上波で放送して、多くの人に見てもらえる機会ができればいいなぁと、心底思いますし、願っています。本当に、楽しい作品でした。

第1話の感想
第2話の感想
第3話の感想
第4話の感想
第5話の感想
第6話の感想
第7話の感想
第8話の感想
第9話の感想
第10話の感想
第11話の感想
第12話の感想

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2008年2月26日 (火)

大隈重信 西日本人物誌

大隈重信は肥前佐賀藩出身にして、立憲改進党を率いたことや総理大臣を務めた経験があること、あるいは早稲田大学の創立者として有名な人物だと思います。最近、その大隈重信について叙述された、大園隆二郎『大隈重信』(西日本新聞社、2005年)という書籍を購入しました。まだほとんど読んでいないため、内容を詳しくご紹介することはできないのですが、できる範囲で簡単にご紹介します。

同書は、西日本新聞社の「西日本人物誌」というシリーズの第18冊目。「西日本人物誌」シリーズには他に、山口宗之『真木保臣』、小河扶希子『平野國臣』などもあります。

著者の大園隆二郎氏は、佐賀県を基盤に近世から近代の佐賀について研究をされている方で、佐賀県立図書館近世資料編さん室長です。

早稲田大学社会科学学会が発行している『早稲田社会科学総合研究』には、江藤新平関係文書研究会による「史料翻刻 江藤新平関係文書」が、私が把握しているだけでも2003年7月発行の第4巻第1号から2007年7月発行の第8巻第1号まで掲載されています。「書翰の部(一)」から始まり、昨年7月の第8巻第1号で、「書翰の部(九)」となりました。大園隆二郎氏は、その江藤新平関係文書研究会の構成メンバーの1人でもあります。

ともかく、その大園隆二郎氏による『大隈重信』を、最近購入しました。大隈重信と言えば明治以降のイメージが強いですが、大園氏の著書では大隈の幼年期から青少年期を重視しているそうです。つまり、明治期よりも幕末期の大隈を描くことに多くのページ数が割かれているというわけで、その点に強い興味を抱いて購入した次第です。

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2008年2月25日 (月)

『ミッキーの造船技師』が公開70周年らしい

昨年12月から今年にかけて公開された、ディズニーの長編アニメーション映画『ルイスと未来泥棒』の同時上映は、短編映画『ミッキーの造船技師』でした。この『ミッキーの造船技師』(『ミッキーの船大工』と訳されていたこともあります)は、どうやら1938年2月25日に初公開されたらしいので、今日で70周年ということになります。

この映画は東京ディズニーシーの「ドナルドのボートビルダー」のモチーフにもなっている作品なのに、そのこと自体はあまり知られていなかったような印象があったので、『ルイスと未来泥棒』の同時上映だと知ったときは凄く嬉しかったです。「これで、ボートビルダーのモチーフを多くの人に知ってもらえる」と思ったからです。

この映画でマーメイドと戯れるグーフィーを見て、それを記憶したままボートビルダーに行くと、物凄く面白いのではないでしょうか。あるいは、映画の中で船に釘を打ち付けようと奮闘するグーフィーの姿を見て、ディズニーシーで船に釘を打ち付けようと奮闘するドナルドダックの姿を見ると、なかなか感慨深いと思います。

『ミッキーの造船技師』で個人的に気に入っているところは、ミッキーマウス、ドナルドダック、グーフィー、そしてミニーマウスといった各登場人物たちの個性が遺憾なく発揮されているということ。ミッキー・ドナルド・グーフィーの”3バカ”は言わずもがなですが、出演時間が短いミニーさんも、その本領を発揮しています。

この映画におけるミニーさんの強烈なインパクトについては、過去に他の記事でも何度も語ったことがあるぐらい、個人的に気に入っているシーンです。私にはどう見ても、ミニーさんが物凄い力で船を壊したように見えてしまって、ミニーさんのことが大好きな人には申し訳ないのですが、「ミニーさんは凄いなぁ」とひたすら感心してしまう次第であります。

でも、船を壊してしまったように見えるぐらい男勝りなミニーさんが、私は大好きです。ああいう男勝りな本性を見せてくれると、ミニーさんはやはり可愛らしいなと感じます。若い女性がミニーさんを好きなのとは全く異なるベクトルで、私はミニーさんが好きです。見た目ではなく性格が好きです。あくまでキャラクターとして。

ともかく、『ミッキーの造船技師』は各キャラクターの特性が思う存分発揮されて、とても面白い短編アニメーションですので、まだ見たことのない方は是非見てみてください。『チャレンジ!ミッキー』というVHSと、限定販売されていたDVD『ミッキーマウス/カラー・エピソード Vol.1 限定保存版』に収録されています。後者は高額の金銭を出して買うしかありませんが、前者ならレンタルビデオ店などに置いてある可能性もあります。

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2008年2月23日 (土)

尊王攘夷論と公議輿論思潮

丸山真男氏に、「明治国家の思想」という講演録があります。1946年10月の講演を文章にしたもので、歴史学研究会編『日本社会の史的究明』(岩波書店、1949年)、丸山真男『戦中と戦後の間』(みすず書房、1976年)、松沢弘陽・植手通有編『丸山眞男集』第4巻(岩波書店、1995年)などに収録されています。

その「明治国家の思想」は、丸山真男氏自身が語っていることを引用すれば、「一つの精神的な雰囲気として捉えたところの明治時代というものを、主として国家思想という面から考察して見るとどういうことになるか」という趣旨で話がされたものです。そしてその冒頭、丸山氏が「明治維新の精神的立地点」あるいは「明治維新の精神的な背景」として挙げているのが、尊王攘夷論と公議輿論思潮の2つです。そしてさらに、その2つの思想の絡み合いの中に、明治の精神のその後の発展が見られるというのが、丸山氏の意見です。

丸山氏は尊王論を、「政治的集中の表現」と説明し、公議輿論を「政治的拡大の原理」と説明します。そして、「明治国家というものは二つの要素の対立の統一である」と見ているのです。つまり、尊王論が中央集権的統一国家建設に向かい、それが対外的には国権論として発展していく一方で、公議輿論思潮は自由民権運動へと発展していく、その2つが絡み合いながら発展していくのが、「思想的に見た明治国家の発展態様」だと述べています。

王政復古の大号令においても、尊王論に沿って神武創業に復古することを謳いつつ、言論洞開など「公議」の重視をも謳っている点から、「明治維新は政治的集中と政治的拡大の二要素の統一として一応スタートを切った」と、丸山氏は説明しています。丸山氏は、名明治国家について、「国権主義と民権主義というものが同時性を持ち、同時的に登場して来、且つ相互に規定し合っている」状態で始まったものだとも言っています。

さらに、2つの思想の絡み合いについて、丸山氏は征韓論を例に出して説明している箇所もあります。丸山氏は征韓論を「国権論的なものの第一の表現形態」としつつ、その国権論の表現形態たる征韓論者たちが、一方で民権論の実践的表現たる民選議院の建白を征韓論者たちが行っている事実を指摘しています。

このように、丸山真男氏の「明治国家の思想」は、尊王攘夷論を国権論につながるものと捉え、そして公議輿論思潮を民権論につながるものと捉えた上で、その両者の関係性や絡み合いを色々と論じながら、明治時代全体の国家思想の性格を考察しようと試みた講演録です。幕末から続く「天皇」と「公議」の問題について、何らかの示唆を与えてくれる文章だと思います。

ちなみに、植手通有氏は『丸山眞男集』第4巻の解題で、丸山氏の「明治国家の思想」を高く評価しています。しかし、丸山氏が尊王攘夷論を「政治権力の集中を推進した」と捉え、公議輿論思潮を「政治権力の基盤の拡大を推進した」と捉えている部分については、「それぞれが権力の集中と拡大の両契機をもっていた」はずだと批判しています。

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2008年2月22日 (金)

今年はミッキーマウスのデビュー80周年ですが…

今年の11/18に、ミッキーマウスとミニーマウスがスクリーン・デビューして80周年を迎えるという記念すべき節目の年ですが、同じく短編アニメーションでデビューしたキャラクターとしては、チップとデールがデビュー65周年であることも忘れてはなりません。彼らのスクリーン・デビューは、1943年4月2日公開の短編映画『プルートの二等兵』でした。4/2には、それを祝す記事を公開する予定です。…と、私自身が忘れないように、あらかじめ予告しておきます。

ところで、今さらながらに知ったのですが、去年はミッキーマウスの先輩であるオズワルドの、デビュー80周年だったみたいですね。オズワルドがデビューした映画は1927年に公開されているらしいです。ミッキーのデビューよりも、1年ほど早いというわけですね。忘れていなければ、何かしら記事を書けたかと思うと、ちょっと悔しいです。

それに今年は、長編映画もいくつか節目の年を迎える作品があります。それはいずれ、改めてご紹介する機会があるでしょう。…私が忘れなければ。

また、今年は東京ディズニーランド25周年。夏にそれを記念するCDを発売するとかで、そのCDに収録してほしい楽曲のリクエストを、携帯サイト限定で受け付けているようです。興味のある方は、コチラをご覧ください。

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2008年2月20日 (水)

ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル 第12話

いよいよ最終回が間近となった、『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』第12話「レイブラッド」の感想を綴ります。非常に盛り上がった回で、しかも、ついにレイに関する様々な謎が明らかとなりました。

今回は冒頭から、ケイトが操る宇宙恐竜ゼットンと、レイが操るゴモラ、エレキング、リトラの見応えある激闘が展開されました。さすがに前回、オキが「ウルトラマンでも勝てなかった強敵」と叫んでいただけあって、ゼットンは並みの怪獣とはレベルが違うということがよくわかるような強敵ぶりを発揮していました。

ゼットンは体当たりしてくるリトラを片手で振り払い、リトラ渾身のファイヤーストライクも片手ではじき返してしまいます。また、ゴモラとエレキングが2人がかりで格闘戦を挑んでも歯が立たず、ゼットンに投げ飛ばされ、蹴散らされる始末。戦闘の途中、ゼットンの飛び蹴りや踵落としといった、かつてのゼットンには見られなかった攻撃方法も見ることができて面白かったです。

エレキングの放電光線はゼットンの胸に吸収され、全く通用しません。吸収した放電光線を増幅して打ち返した光線(初代ウルトラマンを倒した光線と同様)と、さらに火球の連続攻撃を浴びて、エレキングは力尽きてしまいました。エレキングは別に死んでしまったわけではないようですが、いつも回転している頭の角が動かなくなっていたので、相当のダメージを受けたことだけは確かなようです。

また、ゴモラの超振動波もゼットンのバリアに阻まれ、ゼットンを倒すことはできません。ゴモラの超振動波とリトラのファイヤーストライクの連携攻撃によって、何とかゼットンのバリアを打ち破り、ゼットンにダメージを与えることに成功しました。ゴモラとリトラはその攻撃ですべての力を使い果たしてしまったようですが、ゼットンにはまだ余力があるようです。

あくまで私の印象ですが、今回のゼットンは、過去の作品に登場した、どのゼットンよりも強いように見えました。初代ウルトラマンを倒した初代ゼットン、初代ゼットンとは異なりウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)のスペシウム光線に敗れたゼットン2代目、ウルトラマンパワードと相討ちになったパワードゼットン、ウルトラマンマックスがウルトラマンゼノンから授かった新武器でようやく倒せた『ウルトラマンマックス』登場のゼットン、ウルトラマンメビウスがウィンダムとミクラスの援護を受けて何とか勝てたマケットゼットン…それら過去のゼットンよりも、今回のゼットンはさらに強さが際立っているように感じました。

そして、今回忘れることができないのは、ケイトが語ったレイの真実。レイは案の定、隕石によって惑星ボリスに運ばれてきた赤ちゃんが成長した姿で、もちろん地球の人間ではなく、その正体はレイブラッド星人の遺伝子を受け継ぐ者。

レイブラッド星人とは、かつて何万年にもわたって宇宙を支配した全知全能の宇宙人で、その力は異次元人ヤプールもヒッポリト星人も恐れさせたのだとか。かなりのスケール感を誇る存在ですね。今のレイブラッド星人はすでに肉体が消滅し、精神体のような存在になっているそうですが、その残留思念だけでも大きな力を持っているとか。

ケイトが「お人好しの宇宙人」と呼ぶウルトラマンは、怪獣出現の気配を察知して惑星ボリスにやってきたものの、レイブラッド星人の力によって石の姿にされてしまったのだそうです。しかし、我らがウルトラマンは石にされてもなお、愛する人間たちを守るため、残った力でヴィンセント島に結界を張り、レイがレイブラッド星人として覚醒しないように、レイの心に働きかけていたのだとか。ウルトラマンの心意気が泣けるではないですか。

しかし今や、そのウルトラマンの命が消えかかっていることもあって、レイの覚醒も近いようです。ケイトの口から、レイの本当の名前がレイモンであること(すでにソフビが発売されています)や、ケイトはレイの姉であるといった事実も語られました。

一方、どうやらレイブラッド星人とは関係ない目的で動いているらしいキングジョーブラックの行動によって、惑星ボリスの人工太陽のシステムに重大な影響が生じ、数日以内に人工太陽が爆発するという事態になってしまいました。

果たして、惑星ボリスにいる人間たちは人工太陽の爆発までにボリスを脱出できるのか、レイはレイブラッド星人として覚醒するのか、覚醒したとしてどうなってしまうのか、レイはケイトのゼットンや、あるいはキングジョーブラックに勝てるのか、そしてウルトラマンは復活するのか…次回はいよいよ最終回。絶対に見逃せない展開になってまいりました。

第1話の感想
第2話の感想
第3話の感想
第4話の感想
第5話の感想
第6話の感想
第7話の感想
第8話の感想
第9話の感想
第10話の感想
第11話の感想

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2008年2月19日 (火)

ミッキーマウス カラーエピソードVOL.2 限定保存版

ディズニーストア日本上陸15周年を記念して、DVD『ミッキーマウス/カラーエピソードVOL.2 限定保存版』が再販されます。すでにディズニーストアで予約が開始されておりまして、予約受付期間は3/4まで(詳しくはコチラをご覧ください)。価格は税込6,300円。ミッキーマウスやディズニー映画に興味がある方なら、買っておいて損はない逸品だと思います。私はすでに所持しておりますので、今回は買いませんが。

このたび再販される『ミッキーマウス/カラーエピソードVOL.2 限定保存版』は元々、ミッキーマウス生誕75周年を記念して限定発売されたDVD、”Walt Disney TREASURES”シリーズの1本。1939年~1995年までのミッキーマウス出演映画が、20本以上収録されています。

ウォルト・ディズニー・トレジャーズ・シリーズのDVDは、「ウォルト・ディズニーが最も愛した作品だけを選りすぐって製作した」というのが謳い文句ですが、ウォルト死後の作品も当然のように収録されております。それを良いと見るか悪いと見るかは人それぞれでしょうが、私は別に良いのではないかと思っています。ウォルト死後の作品でも、収録してくれる分にはありがたいですから。

ちなみに、ミッキーマウスの顔には大きく分けて2種類ありまして、黒目だけのバージョンと白目があるバージョンがあります。ミッキーの顔に白目が付いたのは、1939年公開の短編映画『ミッキーの猟は楽し』から。もちろん、『ミッキーマウス/カラーエピソードVOL.2 限定保存版』にも『ミッキーの猟は楽し』は収録されていますから、このDVDは主に白目付きの顔で活躍し始めた頃から近年に至るまでのミッキーの活躍が収録されているわけです。

ちなみに、『ミッキーの猟は楽し』は、私が大好きな作品でもあります。この映画の中でミッキーは、愛犬プルートと一緒に森の中に狩りに出かけますが、ミッキーは自分の後ろを付いてきているのが実は凶暴なクマであるのに気付かず、後ろにいるのがプルートだと思い込んで、危機一髪の状況になります。そして、ミッキーが背後のクマに気付いて慌てて口走った言葉が最高です。「や、やあ、君か。君だったのか。僕はミッキーマウス………知らない?ミッキーマウス…」。私の拙い文章では上手く伝えることができませんので、ご覧になっていただくのが一番です。

『ミッキーの猟は楽し』のほかにも、『ミッキーマウス/カラーエピソードVOL.2 限定保存版』には下記のような様々な面白い作品が収録されています。ミッキーに興味があって、お金に余裕がある方は、ぜひ購入を検討してみてください。ミニーマウスやドナルドダック、プルート、グーフィーなどの仲間たちが活躍する話も収録されています。

<主な収録作品>
・ミッキーの愛犬(1939年)
・ミッキーの猟は楽し(1939年)
・ミッキーの船長さん(1940年)
・プルートの魔法のランプ(1940年)
・ミッキーのドキドキ汽車旅行(1940年)
・ミッキーのつむじ風(1941年)
・ミッキーの青春手帳(1941年)
・ミッキーの芝居見物(1941年)
・ミッキーの誕生日(1942年)
・ミッキーのオーケストラ(1942年)
・ミッキーのダンスパーティ(1947年)
・ミッキーの大探検(1948年)
・ミッキーとあざらし(1948年)
・プルートのユートピア(1951年)
・ミッキーの“あらいぐまを探せ”(1951年)
・プルートの誕生祝(1952年)
・プルートのクリスマス・ツリー(1952年)
・ミッキーの魚釣り(1953年)
・魔法使いの弟子~ファンタジアより(1940年)
・ミッキーのジャックと豆の木(1947年)
・ミッキーのクリスマスキャロル(1983年)
・ミッキーの王子と少年(1990年)
・ミッキーのアルバイトは危機一髪(1995年)

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2008年2月17日 (日)

慶応三年の高野山出張に関する一考察

王政復古の政変が起きる直前の慶応3年12月8日、侍従の鷲尾隆聚と数十名の浪士が朝廷からの内勅を受け、武装した上で紀州の高野山を目指して京都を出発しました。「高野山義挙」とも呼ばれることがあります。最終的には十津川郷士を加えて千名を超える集団となり、京都から出張していた期間は約1ヶ月間に及んだ行動です。

この鷲尾隆聚と浪士たちの高野山行きについて、詳細に研究している先行研究は少なかったのですが、それを「高野山出張概略」(国立国会図書館憲政資料室蔵「岩倉具視関係文書」実記編纂資料156)などの史料を駆使して詳細に分析したのが、ここで紹介する亀尾美香氏の論文「慶応三年の高野山出張に関する一考察‐岩倉具視周辺の浪士を中心に‐」(『中央史学』第27号、2004年3月)です。

亀尾氏は論点を3つに絞って分析しています。その分析のため、鷲尾隆聚らの京都出発から帰還までの事実経過も詳細に記されています。

論点の1つ目は、当時の政局との関連です。鷲尾隆聚らが高野山に出張した時期には、王政復古政変や鳥羽・伏見の戦いが起こりました。亀尾氏は、その政局との関連で高野山出張を検討し、その意義を探ります。

2つ目は、岩倉具視と高野山出張の関係性です。岩倉具視が高野山出張に関してどのように携わったのか、それを検討しています。

3つ目は、鷲尾隆聚と浪士たちの高野山行きに関して、当時の史料には「出張」と記されている例が多い者の、参加者たちの後年の回顧や履歴などでは「義挙」や「挙兵」と表記されていることが多いそうです。果たして、鷲尾隆聚と浪士たちの行動は「義挙」や「挙兵」と呼べるような内容のものだったのか、それが3つ目の論点になっています。

それら3つの論点について、「高野山出張概略」などを駆使して分析した亀尾氏は、どのような結論を導き出したのでしょうか。

まず1点目ですが、浪士たちの高野山出張の目的は極めて曖昧だそうです。後年の回顧などには、討幕戦争に呼応することや紀州藩を軍事的に牽制することが目的だったと記されていたりするようですが、少なくとも当時の史料から浪士たちの目的を断定できるような記述は見つからなかったようです。鷲尾隆聚らは出張後に錦旗を賜って「官軍」となりますが、小規模な集団だったので大した戦闘もできず、また周辺諸藩の疑念もあって、軽挙は厳に戒めている状態だったようです。

また、先行研究の一部には鷲尾隆聚と浪士たちの行動を「脱走」と見なしているものもあるそうですが、決して浪士たちの行動を突出と見ることはできないというのが亀尾氏の意見です。形式的にせよ内勅が出ている点や、計画の当初から岩倉具視が関与していた点、西郷隆盛らも高野山の兵力を自分たちの行動計画の一部に組み入れていた様子が窺えるなどの点からだそうです。亀尾氏は、「今回は不十分となったが、当該期の討幕計画全体に高野山出張を明確に位置づける作業が不可欠となろう」と指摘しています。

2つ目の論点として、高野山出張と岩倉具視の関係性について。すでに述べたように、亀尾氏は高野山出張の計画に岩倉が深く携わっていた点を指摘しています。また、浪士たちの中心人物である香川敬三や大橋慎三らは岩倉と懇意だったため、高野山に到着してからも、京都にいる岩倉と頻繁に連絡を取り合っていたようです。

また、亀尾氏が高野山出張浪士の中心人物と目する24名のうち、香川敬三・大橋慎三・田中顕助・中島作太郎ら17名は陸援隊に所属していました。陸援隊の隊長だった中岡慎太郎も岩倉と懇意にしていましたから、そういった岩倉と浪士たちの交際の延長線上に高野山出張を位置づけることができると、亀尾氏は述べています。

3つ目の論点について。高野山出張について、参加者たちの後年の回顧では「出張」ではなく「義挙」の表現が用いられることが多い理由として、出張の舞台となった土地、参加者たちの出身、参加者たちの思想傾向に、文久3年の天誅組の変との共通性が指摘されています。土佐出身の尊王攘夷論者の参加が多かった天誅組の変を「失敗した義挙」と捉える認識が、高野山出張に参加している土佐出身者たちに自分たちの行動を「義挙」と表現させたのではないかとの指摘がなされています。

また、高野山出張が「挙兵」だったかという点については、出張の目的が本当に討幕戦争への呼応だったかどうか断定できないこと、浪士たち自身が「暴発」を自制していたこと、戦闘は自発的に起こしたわけではない小規模なものに止まったことなどから、亀尾氏は否定的です。当時の史料に「出張」と表記されていることを重視しつつ、さらに当時の不安定な政情を考慮すれば、「挙兵」とか「義挙」とか表現するよりも「出張」としておく方が適切ではないかと指摘されています。

とにかく、先行研究で詳細に語られることの少ない鷲尾隆聚と浪士たち(中心人物の多くが陸援隊出身者)の高野山出張に関して、亀尾氏の論文は詳しく分析してくれていますので、新鮮で面白いです。興味のある方は、『中央史学』第27号に掲載されている、亀尾美香氏の論文、「慶応三年の高野山出張に関する一考察‐岩倉具視周辺の浪士を中心に‐」をお読みください。

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2008年2月15日 (金)

幕末人の肖像

発売開始からだいぶ時が経ってしまいましたが、各地の書店では現在、雑誌『歴史読本』2008年3月号(第53巻第3号・通巻825号)が発売されております。個人的に興味深い文章が色々と掲載されていました。特集は、「古写真集成 幕末人の肖像」です。

その特集に沿って、「特別セミナー/古写真研究最前線」と題して、以下の3氏の文章が掲載されています。

・斎藤多喜夫「わたしの古写真研究史」
・松本健「港区立郷土資料館所蔵古写真の現況と課題」
・林司「肖像古写真が語る世界~資料から復元される歴史」

斎藤氏は横浜都市発展記念館調査研究員。斎藤氏はご自身がどのように幕末維新期の古写真研究に取り組まれてきたかを語られ、横浜開港資料館が出している写真集も紹介しています。

松本氏は港区立郷土資料館学芸員。港区立郷土資料館で所蔵している写真コレクションのうち、特に代表的な井関盛艮(第5代神奈川県知事)のコレクションなどを紹介しています。井関は幕末期に宇和島藩士として京都で周旋活動を行っていて、井関が記した幕末期に面識を得た人物を記した史料には、高杉晋作・伊藤博文・後藤象二郎・坂本龍馬・大隈重信など、錚々たる人物たちがいたようです。

林氏は、川崎市市民ミュージアムの学芸員。博物館や美術館ではどのように資料を収集しているのかなど、一般の人ではなかなか知ることのできない情報を教えてくれています。また、一番最初に写真撮影された日本人の話も面白いです。

「特別論考」と題して、以下の論文が掲載されています。

・倉持基「明治天皇『御真影』と『フルベッキ写真』の関係性を探る」
・山下大輔「《史料発掘》龍馬から慎蔵への手紙-幕府崩壊を予見した龍馬の書翰を読み解く-」

「フルベッキ写真」については、私も今年に入ってから、「フルベッキと海援隊と『フルベッキ写真』」という記事で少し書きましたが、倉持氏の文章は、その「フルベッキ写真」と明治天皇の「御真影」の、岩倉具定・岩倉具経(2人とも岩倉具視の息子)を介しての意外な関係性・繋がりを論じておられまして、大変面白かったです。

また倉持氏は私と同様、「フルベッキ写真」に幕末維新期の有名な志士たちが多数写っているという説には否定的な見解を書かれておられます。

山下氏の論考は、昨年のTV番組で紹介されたらしい(私は見ていないので詳しくは存じておりません)三吉慎蔵宛の坂本龍馬書簡を2通、改めて紹介・分析しています。1つは慶応2年8月16日付の三吉宛書簡で、もう1つは慶応3年2月22日付の書簡です。

それらの書簡は大正期に刊行された『坂本龍馬関係文書』に活字で掲載され、宮地佐一郎氏の『坂本龍馬全集』や『龍馬の手紙』には写真版も掲載されているため、全くの新史料の紹介というわけではありません。そのため、そんなに目新しさは感じませんでしたが、改めてそれらの龍馬書簡を読むと、色々と興味深い内容が書かれているなぁと改めて感じた次第です。

そして、中岡慎太郎館の学芸員である豊田満広氏によって、中岡慎太郎が岩倉具視に宛てて出した新出書簡が紹介されています。『中岡慎太郎全集』にも収録されていないもので、日付は慶応3年9月10日。「慶応3年」とは明記されていないものの、後藤象二郎が兵力を率いずに来たことなどが記されておりますので、慶応3年のものに間違いないでしょう。短い書簡ですが、非常に興味深いです。

今回の特集とは直接関係ありませんが、桐野作人氏による連載「信長―狂乱と冷徹の軍事カリスマ」第3回にも注目です。

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2008年2月14日 (木)

ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル 第11話

『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』第11話のサブタイトルは、「ウルトラマン」。最終回が近いこともあって、ついにレイが石の巨人=ウルトラマンのいる場所にたどり着くことができました。以下、その感想やストーリーの概略などを綴ります。

冒頭、レイたちがベラルゴシティで見つけた写真に写っていた少女カレンが、レイの前に現われます。惑星ボリスを怪獣無法地帯に変えた元凶であるブルトンが飛来した研究所は、カレンの父親の研究所だったのです。

カレンとどこかで出会ったことがあるような気がするレイは、カレンに対して自分の事を憶えていないかと必死に尋ねますが、カレンはレイとは初対面のはずだと言います。ただ、カレンは廃墟となったベラルゴシティで泣いている赤ちゃんを見つけ、レッドキングとアーストロンが戦っている危険な状況から救ったという話をします。そして、安全な場所でその赤ちゃんと一緒にいたところにゴースタードラゴンが飛来して、そのとき赤ちゃんが光になって消えてしまったとのこと。どうやらその赤ちゃんは、ブルトンと共に飛来した謎の赤ちゃんと同一である可能性が高いです。前にも書きましたが、恐らく、その赤ちゃんこそレイなのでしょう。

そして、今まで怪獣が出現していなかったヴィンセント島に、ついに怪獣が現われます。いや、正確には怪獣ではなく、「超獣」です。案の定、怪獣に詳しいオキは「怪獣」と「超獣」の違いを強調していました。現われたのは、かつて異次元人ヤプールによって何度も地球侵略の手先として使われた、ミサイル超獣ベロクロン。今まで、ウルトラマンエースと戦ったベロクロンとベロクロンⅡ世、ウルトラマンタロウと戦った改造ベロクロンⅡ世、ウルトラマンメビウスと戦ったベロクロンがいます。すべて、ヤプールの差し金です。

ベロクロンが現われた理由は不明ながら、とりあえず戦いに赴くレイ。ゴモラを呼び出して戦います。しかし、さすがに「怪獣より強い」という謳い文句の超獣が相手とあって、ゴモラは単純な力勝負では、ベロクロンに若干押され気味のように見受けられました。苦戦するゴモラを、ペンドラゴンが援護。隙ができたベロクロンにゴモラが攻勢をかけようとした、まさにそのとき、新たな敵が現われてゴモラを攻撃しました。

現われたのは蛾超獣ドラゴリー。2体の超獣に挟まれて、さすがのゴモラも危うい状況です。そんなわけで、レイはエレキングを呼び出しました。2匹の怪獣VS2匹の超獣の対決です。なかなか燃える構図。

ベロクロンはやはり強く、大苦戦するゴモラ。一度はベロクロンの攻撃をまともに受けて、ゴモラは倒れてしまいました。しかし、ペンドラゴンの援護を受けて形勢逆転。ゴモラは超振動波によってベロクロンを撃破しました。一方、エレキングもドラゴリーに押されていました。やはり、超獣の力は怪獣を上回るのか。

そこへ、ゴモラが援護に入り、こちらも形勢逆転。エレキングは口から発射した光線で、ドラゴリーを撃破しました。この戦い、エレキングの安否が気がかりだったんですよ。と言いますのは、ドラゴリーはかつて『ウルトラマンA』第8話「太陽の命 エースの命」において、巨大魚怪獣ムルチ(2代目)をバラバラに引き裂いて惨殺した過去を持つ超獣。エレキングもムルチと同じように倒されたらどうしようかと。それに、エレキングは『ウルトラギャラクシー』第9話において、そのムルチの強化版であるゾアムルチと戦いました。そんなめぐり合わせのエレキングを心配してしまいましたが、幸い杞憂に終わりました。

2匹の怪獣VS2匹の超獣の対決は、なかなか迫力があって見応え充分でした。最終的には怪獣側が勝ちましたが、1対1でまともに戦えば超獣の方がやはり強いのではないかと思えたバトルでした(1対1でまともに戦って、怪獣アストロモンスに負けた超獣オイルドリンカーという例は過去にありますが)。

今まで怪獣が現われなかったヴィンセント島に怪獣(正確には超獣ですが)が現われたことについて、ヴィンセント島にいるメンバーの副リーダー・アトウは、ZAPスペーシーが来たせいではないかと疑います。特に、怪獣を操れるレイの存在を怪しみ、レイとアトウの間で一触即発の状態に。そこに、「巨人の声が聞こえなくなったから怪獣が現われたのでは」と口を挟むカレン。カレンは、レイの脳裏に何度もイメージとして現われた石の巨人=ウルトラマンを、直接見たことがあったのです。

カレンは、ヴィンセント島を1人で探検しているときに、石の巨人を見つけたのだとか。それ以来、石の巨人はカレンの心に語りかけてきて、近々救援が来てくれることを教えて励ましてくれていたのだそうです。しかし最近、その巨人の声が聞こえなくなってしまったため、それがヴィンセント島に怪獣(正確には超獣)が現われた原因ではないかと、カレンは語ります。

カレンの案内で、ついに巨人のもとへとたどり着いたレイ。レイは、巨人がまだかすかに生きていること、しかしその命は尽きようとしていること、巨人が自らの命を削って人間を守るために結界を張って怪獣出現を食い止めていたこと、その結界の力が弱まってきていることなどを感じ取ります。一体何があってウルトラマンは石の巨人となってしまっているのかは不明ですが、とにかくウルトラマンがそんな姿になってまで人間を守ろうとしていることが、感慨深かったです。しかしウルトラマンは、レイの「俺は何者なんだ」という問いには答えてくれません。

レイがウルトラマンに出会った頃、ペンドラゴンの近くには宇宙恐竜ゼットンが現われていました。かつてウルトラマンをも倒した強敵です。ハルナ・ヒロキとハルナ・ジュンの兄妹がドラゴンスピーダーで応戦し、ゼットンを翻弄するも、もちろんそれだけではゼットンを倒せるわけがありません。そこにレイが、リトラの背中に乗って駆け付けます。さらに現われるゴモラ、エレキング。レイの誇る3体の怪獣たちは、果たしてゼットンに勝てることができるのでしょうか…というところで今回はおしまい。

今回はストーリー的にも重要で、ゴモラ・エレキングと超獣たちの戦いも迫力があったので面白かったです。いよいよ残すところ2話となった『ウルトラギャラクシー』。最終回が近いと思うと寂しいですが、残り2話も楽しみに見たいと思います。4月にはDVDも発売されるらしいので、それも楽しみですね。

第1話の感想
第2話の感想
第3話の感想
第4話の感想
第5話の感想
第6話の感想
第7話の感想
第8話の感想
第9話の感想
第10話の感想

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2008年2月12日 (火)

ディズニー映画の猫たち 第2回

「ディズニー映画の猫たち」を紹介していく企画の第2回目です。今回はウォルト・ディズニー亡き後の長編アニメーション作品デビューした猫キャラクターを扱います。

まずは、ディズニー映画で猫と言えば、この映画。1970年公開の『おしゃれキャット』。その映画の主役がダッチェスです。ダッチェスは白く美しい猫で、トゥルーズ、ベルリーズ、マリーという3匹の子猫の母親でもあります。大金持ちのボンファミーユ夫人(自分が死んだ後、財産をダッチェスたちにあげようとする猫好き)に飼われ、子供たちも気品のある猫に育てようと、ピアノを教えたりして日々を過ごしています。

そんなダッチェスと恋仲になるのが、トーマス・オマリー。ダッチェスとは違って野良猫です。ボンファミーユ夫人の財産を自分のものにしようとする執事エドガーによって捨てられてしまったダッチェスたちを手助けし、パリに送り届けてあげる頼れる存在です。正式名称はエイブラハム・デ・レイシー・ジュゼッペ・ケイシー・トーマス・オマリー。

ダッチェスの子供たちが、先述したトゥルーズ、ベルリオーズ、マリー。兄弟の中でマリーだけがメスです。トゥルーズは絵画が得意で、ベルリオーズはピアノが得意、そしてマリーは母親のダッチェスに似ている毛並みを持ち、可愛らしいのですが、何でもかんでも「ロマンチック」と表現してしまう特技(?)を持っています。3匹とも、オマリーを慕います。

そして、『おしゃれキャット』という映画に欠かせないのが、ジャズネコ。オマリーの友人の野良猫たちで、バンドを組んでいます。リーダーはスキャット・キャット。ほかにチャイニーズ・キャット、イングリッシュ・キャット、イタリアン・キャット、ロシアン・キャットがいます。

続いては、1977年公開の『ビアンカの大冒険』に登場したルーファスです。この映画の主人公であるビアンカとバーナードは、ネズミたちで組織される国際救助救援協会の一員として、誘拐された少女ペニーを救う冒険に出ますが、そのペニーがいた孤児院で、ペニーと仲良しだったのが老猫ルーファスです。ルーファスはネズミであるビアンカとバーナードを食べたりはせず、ペニー探しの手がかりを教えてくれます。

個人的にかなり印象深いのが、『オリビアちゃんの大冒険』(1986年)に登場したフェリシア。この映画の悪役はドブネズミのラティガンですが、何とフェリシアはそのラティガンに飼われている猫なのです。かなりの肥満です。ラティガンは、自分の命令に服さないネズミがいると、そのネズミをフェリシアに食べさせるのです。

1988年公開の『オリバー ニューヨーク子猫ものがたり』は、子猫のオリバーが主役です。オリバーはニューヨークの街中に捨てられていた子猫。ドジャーという犬に偶然出会い、ドジャーの後を追ってたどり着いたフェイギンという男の住居で、ドジャーら犬たちの仲間になります。最終的にオリバーは、ジェニーというお金持ちの少女に飼われることになります。オリバーという名前も、ジェニーが付けたものです。

ちなみに余談ですが、映画『オリバー』の公開日は11/18。ミッキーマウス・ミニーマウスのデビュー日と一緒です。そのため、せっかくの公開日にもあまり注目してもらえないのが可哀相な作品です。

2002年公開の『トレジャー・プラネット』には、R.L.Sレガシー号のアメリア船長が登場します。女性で、強気な性格が魅力。人間としての生活をしているキャラクターですが、顔は猫です。R.L.Sレガシー号とは、主人公のジム・ホーキンスを乗せてトレジャー・プラネットに向かった船なので、アメリア船長は『トレジャー・プラネット』の劇中で結構目立ちます。物語の途中でアメリア船長は、ジムに同行してきたドップラー博士(こちらは犬顔)と恋仲になります。

なお、本当は猫ではないのですが、『モンスターズ・インク』のサリーを紹介しておきましょう。サリーは猫ではなくモンスターですが、人間界の女の子ブーに大きな猫だと思われてしまったらしく、ブーに英語版で「kitty」(日本語字幕では「ニャンコ」)、日本語吹き替え版で「ニャンニャン」と呼ばれています。

第2回はここまで。第3回は短編アニメーションでデビューした猫たちを紹介することになります。

ディズニー映画の猫たち 予告編
ディズニー映画の猫たち 第1回

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2008年2月10日 (日)

維新の記憶と「勤王志士」の創出

最近、高田祐介氏の「維新の記憶と『勤王志士』の創出-田中光顕の顕彰活動を中心に-」という論文を読みました。大阪歴史学会が発行している、雑誌『ヒストリア』第204号(2007年3月)に掲載されている論文です。以下、その内容紹介と感想を簡単に。

田中光顕とは、幕末期には土佐出身の志士として活動し、中岡慎太郎の陸援隊にも参加していた人物です。田中顕助という名前でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。明治期には宮内大臣を11年間も務め、昭和14年まで生きました。

高田氏の論文は、田中が宮内大臣を務めていた時期から昭和初期までにおいて、明治維新期の志士顕彰が田中の政治活動の重要な側面だったと見て、その志士顕彰の意義を探ったものです。

高田氏の研究によれば、田中は宮中関係の仕事に就く以前から、維新志士らに対する贈位斡旋活動を行っていた可能性があるようです。そして、明治期に贈位された人物は全部で1091名いるものの、その約60%が田中の宮内大臣の任期に贈位されているとの指摘がなされています。これはもちろん、田中の宮内大臣就任期間が長かったことにもよりますが、それだけではなく、田中が宮内大臣という地位を活用して、積極的に維新の志士たちを顕彰しようと努めていたことも大きいのでしょう。

高田氏は、「贈位を通した『勤王家』像の形成あるいはその一般化」に、田中の果たした役割は大きかったと指摘しています。また、田中が特に積極的に顕彰しようとしたのが、同郷の土佐出身者と水戸出身者だったそうですが、田中は独自の判断と権限で、土佐・水戸出身者に位階の追贈を行っていた可能性もありうるそうです。

高田氏も指摘していることですが、大胆な言い方をしてしまえば、今現在、「勤王の志士」として名前を知られている人物たちは、田中光顕が顕彰すべき対象として選んだからこそ、「勤王の志士」として名前が知られるようになったのかもしれません。

ところで、高田氏の論文の中で、私が特に興味を持って読んだのは、「昭憲皇后瑞夢事件」絡みの記述。昭憲皇后瑞夢事件とは、明治37年、昭憲皇太后の夢に坂本龍馬が現われ、日本海軍を守護する旨を述べて消え、それを聞いた香川敬三が龍馬の写真を奉献したというもの。

これを香川や田中らの捏造話と見る意見もありますが、捏造とまで言えることではなく、皇后が龍馬の夢を見たこと自体は確かだろうと私は考えております。ただ、高田氏も述べているように、「何れにしても、この事件は日露戦争時の戦意高揚と宣伝に利用され、そのような意味においては政治的意味を持つ事件であった」と言えそうです。

ただ、この事件に関する注(17)の記述が気になりました。『坂本龍馬関係文書』第1巻には、上記事件が明治37年3月の『時事新報』で報道されたと記されています。高田氏もその記述を見て、『時事新報』明治37年3月の記事を探したらしいのですが、上記事件についての記事は確認できていない旨、記されています。それもそのはずで、松岡司『定本坂本龍馬伝―青い航跡』(新人物往来社、2003年)によれば、上記事件の記事が『時事新報』に掲載されたのは明治37年4月13日だったそうです。

つまり、『坂本龍馬関係文書』第1巻は何らかの理由により、明治37年4月13日付『時事新報』の記事について、間違って明治37年3月と記してしまい、高田氏も『坂本龍馬関係文書』の間違いを鵜呑みにしてしまったということなのでしょう。ちなみに、『時事新報』明治37年4月13日のことについて、私は松岡司氏『定本坂本龍馬伝』を読んで知りましたが、松岡氏よりも前に、近藤功氏(このブログにコメントしてくださったこともある鏡川伊一郎さん)が、『龍馬研究』No.119(1999年)に「『皇后の夢』の真実」と題して発表されているそうです。

ともあれ、この事件の後、「坂本・中岡没後40年祭」が皇室から祭祀料が下賜される形で開催され、坂本や中岡の遺墨が展示されたそうです。もちろん、高田氏も指摘しているように、皇室からの祭祀料下賜などには田中の周旋があったものと推察されます。そして、坂本龍馬について海軍の守護者としてのイメージが広まっていったそうですが、そこには高田氏が述べているように、「国家に引きつけた形での歴史像の創出と展開が企図」があったと見ることもできそうです。その歴史像創出の上で、志士たちの遺墨は活用されていくことになります。

田中の顕彰活動は政治の表面に出てくるものではないものの、裏面でかなり重要な働きをしていて、「勤王の志士」の確定と国民の歴史像形成の面で、影響力があったようです。高田氏の論文を拝読して、そのような感想を抱きました。

雑誌『ヒストリア』第204号(2007年3月)に掲載されている、高田祐介氏の論文「維新の記憶と『勤王志士』の創出-田中光顕の顕彰活動を中心に-」には、もっと多くの論点について詳細な分析がなされています。興味のある方は読んでみてください。

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2008年2月 8日 (金)

『日本史研究』最新号の幕末政治史記事2点

雑誌『日本史研究』の最新号(第545号)を私はまだ入手しておりません(つまり、まだ読んでおりません)が、その『日本史研究』最新号には、幕末政治史に興味ある者としてチェックしておいても良さそうな文章が2つほど掲載されているようです。

1つは、久住真也氏による「幕末政治史研究発展のために‐奈良勝司氏による拙著書評について‐」と題された研究展望。

久住真也氏は、『長州戦争と徳川将軍‐幕末期畿内の政治空間‐』(岩田書院、2005年10月)という著書を刊行されています。その久住氏の著書について、『日本史研究』第536号(2007年4月)に、奈良勝司氏による書評が載りました。今回の久住氏の文章は、奈良氏の批判を受けてのもののようです。まだ読んでいないので、詳細は存じませんが。

ちなみに、久住真也氏の著書について、奈良勝司氏を含めていくつか書評が出ていることを、「『長州戦争と徳川将軍』の書評いろいろ」という過去記事で紹介しています。興味のある方はご参照ください。

『日本史研究』第545号に掲載されているらしい、もう1つの注目は、家近良樹氏による高橋秀直『幕末維新の政治と天皇』(吉川弘文館、2007年)の書評です。

家近良樹氏は『幕末政治と倒幕運動』(吉川弘文館、1995年)、『孝明天皇と「一会桑」』(文春新書、2002年)、『幕末維新の個性1 徳川慶喜』(吉川弘文館、2004年)、『幕末の朝廷』(中公叢書、2007年)など、幕末政治史を論じた著書をいくつも出されている研究者。恐らく、研究者ではない一般の幕末好きにも、結構名前の知られている研究者だと思います。

その家近氏が書評を書いている高橋秀直氏の著書は、数年前に亡くなられた高橋氏の遺稿を収録した論文集です。高橋氏は亡くなるまでの数年間に、内容的にも分量的にも物凄く読み応えのある、幕末政治史に関する学術論文を次々に発表されていた研究者。一般的な知名度は家近氏ほど高くないと思われますが、幕末政治史研究者のほとんどが名前を知っている研究者だと思います。

特に高橋氏と家近氏は、お互いの著書や論文で、よくお互いの研究成果を参照していて、相互に影響し合っているように見えました。例えば、家近氏の『徳川慶喜』の「あとがき」には、執筆にあたって最も参考にした研究者として、原口清氏と共に高橋氏の名前を挙げています。それもあって、家近氏による高橋氏の著書の書評は興味があります。

以上、『日本史研究』最新号に掲載された、幕末政治史関連の文章2点について、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

ついでに全くの余談ながら、石井孝『戊辰戦争論』が先月、吉川弘文館から復刊されました。その巻末解説を担当されているのも家近良樹氏。家近良樹氏好きの方は、併せてチェックされると良いかもしれません。

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2008年2月 6日 (水)

ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル 第10話

『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』第10話「予期せぬ再会」の感想。今回はストーリーも進展し、怪獣たちの格闘も大いに盛り上がったのではないかと思っております。

ようやくヴィンセント島にたどり着いたZAPクルーたちは、そこでスペース・ペンドラゴンと同型のゴースタードラゴンを発見。そして、ついに生存者を発見。しかも53人も。おまけにその生存者の中には、死んだとばかり思われていたハルナの兄もいました。思わず兄に抱き付き泣いてしまうハルナ副長。ここはもらい泣きするオキの気持ちもわかろうというもの。ハルナ副長は兄が宇宙大怪獣ベムスターに殺されたとばかり思っていて、それを現実として受け止めつつ戦ってきたわけですから、兄が生きていて心底嬉しかったことでしょう。

ハルナ副長の兄であるヒロキの語るところによれば、生存者たちが避難してきたヴィンセント島だけには何故か怪獣が現われないとのこと。もしかして、レイをヴィンセント島に呼んだと思われる石の巨人=ウルトラマンのおかげか!?やはり、ヴィンセント島にウルトラマンがいるのか!?謎の核心が近付いてきた感じがします。

しかし、ZAPクルーと53人の生存者が惑星ボリスを脱出するためには、飛行不能のゴースタードラゴンと、ペンドラゴンのメインエンジンを修理する必要があります。その部品を確保するため、ZAPクルーとハルナ・ヒロキ、それに、惑星ボリスに怪獣たちを呼び寄せたブルトンが隕石として落ちてきたときの状況を知るアトウが、ヴィンセント島を出てグランケープ補給基地に向かいます。

しかし、グランケープ補給基地には、円盤生物ノーバ、満月超獣ルナチクス、再生怪獣サラマンドラが待ち構えていました。ノーバはウルトラマンレオとウルトラマンメビウスを苦しめ、ルナチクスは月の文明を破壊し、サラマンドラは何度も再生できる特殊能力を持っていて、いずれも強敵です。

レイはその強敵怪獣たちにゴモラを立ち向かわせます。いくらゴモラでも厳しい戦いになりそうだと思っていたら、ゴモラはあっと言う間に超振動波でノーバを倒してしまいました。続いてゴモラは、ルナチクスとサラマンドラに向かっていきます。その間に、ペンドラゴンは必要な部品を確保することに成功。本来は輸送船であるペンドラゴンの本領発揮です。

しかし、そこに突如、前回ペンドラゴンを襲った謎の4機の円盤が飛来。円盤は地上の怪獣たちに向けて攻撃し、その攻撃でルナチクスとサラマンドラは倒されてしまいました。そして、生き残ったゴモラの前に、4機の円盤が合体して降り立ってきました。

その姿を見たクマノが、ようやく気付きます。それは、かつてペダン星人が地球に送り込んできた宇宙ロボット・キングジョーであることに。そして、今回のキングジョーはかつてのキングジョーと異なり黒いボディを持っていることから、クマノは「キングジョーブラック」と命名。個人的に、クマノがキングジョーブラックと名付けたことが面白かったです。

ゴモラとキングジョーブラックの、手に汗握る激闘が展開!!いや、非常に見応えのある、力と力のぶつかり合いでした。しかし、次第にゴモラはキングジョーブラックに圧倒されて劣勢になっていきます。そして、キングジョーブラックに至近距離で必殺のペダニウムランチャーを向けられたゴモラ、絶体絶命の大ピンチ!!

と、そこに上空から助けに現われるリトラ!!キングジョーブラックの注意が上空に向いた隙に逃げるゴモラ。そして、キングジョーブラックが上空に向けて攻撃しようとしたとき、背後からキングジョーブラックに尻尾を巻き付けて放電するエレキング!!素晴らしい連携攻撃、そして燃える展開!!

エレキングがキングジョーブラックの動きを封じている隙に、攻撃しようとするゴモラとリトラでしたが、キングジョーブラックは円盤形態に分離してエレキングの尻尾から逃れます。そして再び合体して三大怪獣と対峙するキングジョーブラック。敵ながらカッコイイぞ、キングジョーブラック!!

ゴモラ、エレキング、リトラの三匹で同時に立ち向かっても、キングジョーブラックには歯が立ちません。とりあえず、確保した物資をヴィンセント島に運ぶことを優先して、その場を逃げるZAPクルーたち。レイは初めての敗北です。

ヴィンセント島に戻ったレイの前に、レイの記憶に残る少女(ベラルゴシティに写真が落ちていた)が現われたところで、今回は終わりです。キングジョーブラックの存在感が凄まじく、また初めてのゴモラ、エレキング、リトラの揃い踏みも見られて、いつも以上に食い入るように見入ってしまった回でした。

次回のサブタイトルは「ウルトラマン」。ついにヴィンセント島にも怪獣が現われ、レイの出自に関しても掘り下げが行われるようです。超獣ベロクロンとドラゴリー、そして宇宙恐竜ゼットンが新たに登場。次回もますます盛り上がりそうです。

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2008年2月 5日 (火)

ディズニー映画『ピーター・パン』 55周年

ディズニー映画『ピーター・パン』は、1953年2月5日に公開されました(ただし、日本での公開は3月)。つまり、今日は『ピーター・パン』が公開されて55周年ということになります。今回はそれを祝す記事ということになります。

ディズニー映画『ピーター・パン』にはたくさんの登場人物がいますが、個人的に印象深いキャラクターは、妖精ティンカー・ベル(通称ティンク)とフック船長。そして、ぜひ言及しておきたいのがナナです。

ティンカー・ベルは、ナイン・オールド・メン(伝説の