京都守護職に対する幕府の財政援助
『お茶の水史学』第45号(2001年)に、新田美香氏の「京都守護職に対する幕府の財政援助」という論文が掲載されています。幕末の、「京都守護職中の会津藩の財政収入、就中幕府の財政援助の実態を明らかにしよう」と試みた論文です。…と言っても、私はまだ、パラパラ拾い読みしただけで全部に目を通していない段階なので、その内容を断片的に紹介します。
大口勇次郎氏や飯島千秋氏の幕府財政に関する研究、あるいは庄司吉之助氏の会津藩財政に関する研究を踏まえた上での論文です。具体的には例えば、以下のような文献が挙げられるでしょう。
・大口勇次郎「文久期の幕府財政」(家近良樹編『幕政改革』吉川弘文館、2001年)
・飯島千秋『江戸幕府財政の研究』(吉川弘文館、2004年)
・庄司吉之助『京都守護職と会津藩財政』(歴史春秋社、1981年)
ただし、上記の飯島氏の著書などは新田氏の論文が公にされた後での出版となるため、新田氏の論文には出てきません。しかし、新田氏が紹介している飯島氏の論文を収録しています。新田氏はほかにも、色々な研究成果をご自身の研究に取り入れているようです。
冒頭で述べたとおり、私はまだ新田氏の論文をすべて読んだわけではなく、パラパラ拾い読みしただけの状態です。ただ、その中でいくつか目に付いた記述もありまして、例えば京都守護職が「譜代・旗本を中心とした従来の幕府政治機構の改変を意図して、一橋慶喜・松平慶永の指導下において設置されたという性格上、財政の決定権をもつ在江戸の老中・勘定所とは対立することもしばしばであった」ことを指摘しています。
また、「元治元年に稲葉正邦の『御英断』により、会津藩に一万両の拝借が認められていることを考えれば、在京の老中にも財政に関するある程度の裁量権があったと考えられるが、手当支給など重要事項についての最終判断は江戸においてなされていたようである」といった事実も指摘しています。
新田美香氏の論文「京都守護職に対する幕府の財政援助」は、例によって国立情報学研究所のCiNii(論文検索サービス)から、PDFで閲覧できます。コチラのページが、閲覧直前のページです。興味のある方は、ぜひご自身でお読みください。
ちなみに、「お茶の水女子大学 教育・研究成果コレクション Tea Pot」からも、閲覧することができます。
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