昨夜、寝る前にパラパラとめくっていた、ファンタスティックコレクションの1冊『ウルトラマンメビウス アーカイブドキュメント』(朝日ソノラマ)の、赤星政尚氏(『ウルトラマンメビウス』のシリーズ構成・脚本を担当していた方)の言葉が何となく目に止まりました。次の言葉です。
たかが子供番組をイイ大人が想いを込めて作ってる―子供番組に対して、そんな視点が在ることを知り得なければ、ウルトラシリーズ(のみならず、当時の子供番組)を、ノスタルジーの対象以外には捉えられないフツーのオトナになってた、ような気はしなくもない。この仕事をしていない、ような確信もある。
(『ウルトラマンメビウス アーカイブドキュメント』81ページより引用)
私も赤星氏が述べているような、ウルトラシリーズの作り手たちの真剣さなり、作品に込めた想いを感じながら、ウルトラマンの活躍を観てきました。だから私にとってウルトラマンとは、「ノスタルジーの対象」どころか、大人になった現在も変わらぬ、憧れのヒーローです。その意味では、世間一般から見れば「オタク」であることは確かでしょう。
しかし、どうやら「オタク」であるらしい私としては、円谷プロダクションを孫会社化したTYO(円谷エンタープライズを子会社化)の吉田博昭社長が数日前の会見で述べていた次のような言葉に、ある種の嫌悪感を抱かざるを得ませんでした。
「『(ミニチュア)のちゃちさがいいんだよね』というのはオタク。あまりに少数の人たちの異常な愛着にこだわってはいけない」
TYOの吉田社長は上記のように言いました。しかし、私はミニチュア特撮が好きですが、「ちゃち」だから好きなのではありません。「ちゃちではない」と思うから好きなのです。仮に何らかの作品を見て、特撮部分を「ちゃちだ」と感じたら、「ミニチュア特撮がちゃちだから、よくない」と思うことはあっても、「ちゃちさがいい」とは感じません。
吉田社長はミニチュア特撮を「ちゃちだ」と言い切った上で、CGを積極的に活用していくことを述べていますが、CGはすでに最近のウルトラシリーズでも積極的に活用されているはず。吉田社長は、そのことをどこまで認識して発言していらっしゃるのか、私には疑問に思えました。少なくとも吉田社長は、最近のウルトラシリーズをまともに観たことがないのではないかと感じたのです。
最近のウルトラシリーズを見ていて、私が「ちゃちだ」と感じる部分は、ミニチュア特撮の部分よりもCGの部分に多いです。CGにはミニチュア特撮では表現しきれない映像を作れる利点があると思うので、私はCGを積極的に活用することには反対しませんが、現状では「ちゃちなミニチュア特撮」よりも「ちゃちなCG映像」の方が目立つのです。ですから、吉田社長の発言にはまったく納得できません。
吉田社長の発言には、これまでのウルトラシリーズを作ってきた人々への敬意や、特撮への愛着、最近のウルトラシリーズへの理解、ウルトラシリーズのファン(オタクも含みます)を大切にする気持ちなどなどが、微塵も感じられませんでした。吉田社長は、冒頭で引用した赤星政尚氏の「たかが子供番組をイイ大人が想いを込めて作ってる」という認識を、果たして持っているでしょうか。
吉田社長は、「『ミニチュアのちゃちさがいい』というのはオタク」と言いますが、私はどちらかといえば、「ミニチュアのちゃちさがいい」というのは「オタク」よりもむしろ、赤星氏が言う意味での「ノスタルジーの対象以外には捉えられないフツーのオトナ」に多いのではないかと思います。多くの「オタク」はウルトラマンの映像表現が進化することを願っているはずで、決して「ちゃちさ」を求めてはいないと思います。
そして私は、現段階ではミニチュア特撮よりもCGの方が「ちゃちだ」と感じるため、CGはミニチュア特撮では表現しきれない部分の使用に活用すべきと思っています。ミニチュアもCGも、双方の利点をうまく組み合わせた映像が見たいのです。どちらかが必要ないとは思いません。
吉田社長の言葉を聞いて、ウルトラマンの将来に不安を抱いたのは確かです。私にとって現在でも憧れのヒーローであるウルトラマンが、私にとって「ノスタルジーの対象」にならないことを願っています。
しかし、ウルトラマンの将来に不安もありますが、楽しみなこともあります。まだ仮題ですが、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』が来年秋公開と発表されたからです。主役はウルトラマンティガで、ティガに変身するダイゴ役の長野博さん(V6)も出演されるとのことで、期待が高まります。
円谷プロの公式HPを見ると、ティガのほかに、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)、ウルトラマンエースの4兄弟の登場は確定のようです。「超8兄弟」ということならば後3人ですが、色々飛び交っている撮影の目撃情報や噂・憶測から推測すると、残りはウルトラマンメビウス、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンガイアということになりそうですね。昭和と平成のウルトラマンたちの共闘が見られるわけで、期待が高まります。
ただ、初代~エースの4兄弟とメビウスの世界観、ティガ・ダイナの世界観、ガイアの世界観は全く別物。メビウスの世界にウルトラ兄弟は存在していても、ティガは存在しないはず。逆もまた然り。このあたりを、どう料理するのでしょうか。映画『ウルトラマンティガ・ダイナ&ガイア 超時空の大決戦』パターンでしょうか。
同映画では、世界観の異なるティガ・ダイナとガイアの3大ウルトラヒーローが、何でも願いを叶える赤い玉の力(+ガイアに変身する高山我夢が開発した時空移動メカ)で、「ウルトラマンがTVで放送されている世界」にワープしてきます。同じようなパターンになるのでしょうか。
また、TVシリーズの際、ティガは最後にウルトラマンに変身する能力を失い、ダイナは消息不明。このあたりはどうするのでしょうか。どうとでも解釈できるように曖昧に描くのでしょうか。まぁ、まだメビウス・ダイナ・ガイアの出演について確実な情報があるわkではありませんが、色々考えてしまいます。いずれにしても、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』(仮題)の公開を楽しみにしたいです。
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