ゾフィーの「ウルトラブレスター」について
ウルトラ兄弟の長兄であるゾフィーの胸と両腕には、丸型の突起物がいくつも付いています。胸の突起物を「スターマーク」と言います。現在では、怪獣軍団を撃退した功績によって与えられた勲章と設定されています。
両腕に付いている突起物は「ウルトラブレスター」と言います。現在では、宇宙警備隊の隊長である証と設定されています。
宇宙警備隊とは、全宇宙の平和を守るために結成された組織で、初代隊長がウルトラの父。現在ではゾフィーが隊長を務め、ウルトラの父は大隊長になっています。宇宙警備隊の隊員は100万人ほどいると言われ、地球で活躍したウルトラ兄弟たちも、この宇宙警備隊の隊員なのです。
ところで、ゾフィーはいつから宇宙警備隊の隊長に就任したのでしょうか。ゾフィーの初登場はTVシリーズ『ウルトラマン』の最終回。宇宙恐竜ゼットンに敗北したウルトラマンを救出するために現われますが、このときゾフィーはウルトラマンに対して、「宇宙警備隊員ゾフィ」と名乗っています(当時は「ゾフィー」ではなく「ゾフィ」と表記されていました)。
ゾフィーがわざわざ名前と所属を名乗っていることから考えて、ゾフィーとウルトラマンはこのときが初対面と見るほかないでしょう。後のウルトラ兄弟の設定を考えると、いささか違和感はあります。それはともかくとして、ここで問題にしたいのは、ゾフィーが宇宙警備隊の「隊長」ではなく、「隊員」と名乗ったことです。
『ウルトラマン』最終回の時点で、ゾフィーの両腕にはウルトラブレスターが付いていました。宇宙警備隊・隊長の証と設定されているウルトラブレスターを身に付けながら、ゾフィーは「隊員」を名乗りました。この矛盾を、どのように解釈すべきでしょうか。
色々考えてみたのですが、こんなところが妥当でしょうか。『ウルトラマン』最終回の時点で、ゾフィーはまだ正式には宇宙警備隊の「隊員」ですが、「隊長」に昇格する内示の類はすでに出ていて、隊長への正式就任の前にウルトラブレスターを装着することについても、ウルトラの父から許可を得ていたとか。
しかし、公式設定かどうかは存じませんが、一般的には「ウルトラマン救出の功績によって、ゾフィーは宇宙警備隊の隊長に任命された」と言われることが多いように思います。しかし、そうだとすると、宇宙警備隊・隊長の証であるウルトラブレスターの説明がしにくいように思われます。ゾフィーはまだ隊員で、しかも隊長昇格が決まっていたわけでもないのに、隊長の証たるウルトラブレスターを付けていたことになるからです。
あるいはもしかしたら、ゾフィーは宇宙警備隊の隊員だった最初の頃から、何らかの理由でずっとウルトラブレスターを付けていて、隊長に就任したゾフィーが、「私の両腕に付いている『ウルトラブレスター』を、今後は宇宙警備隊・隊長の地位を証明するものとして扱うこと」を隊長権限で決めたのでしょうか。
つまり、「ゾフィーが隊長に就任したことによって初めて、『ウルトラブレスター』は宇宙警備隊・隊長の証という制度ができた。ウルトラの父が隊長だった頃は、そんな制度はなかった」、隊長になったゾフィーが新たな制度・規則を創った結果と見る考え方です。
私の最初の考えでは、隊長就任の内示を受けたゾフィーが、ウルトラの父に許可をもらって隊長への正式就任を前にしてウルトラブレスターを付けていたということでした。しかし、これではゾフィーが隊長就任の内示を受ける前は、ウルトラの父がウルトラブレスターを装着していたということになってしまいます。それはそれで、なかなか想像しにくいところではあります。
ゾフィーが隊長就任の内示を受ける前はウルトラの父がウルトラブレスターを付けていたのか、それともゾフィーは元々ウルトラブレスターを付けていて、隊長への就任を機に、自分が付けているウルトラブレスターを「隊長の証」とする制度を新設したのか(ウルトラの父との相談はあったかもしれませんが)、一体どちらなのでしょうか。
私はゾフィーのウルトラブレスターについて、この記事で述べたような2つの考え方を示してみました。しかし、そのどちらかが正しい保証はありません。円谷プロダクションの思惑ひとつで、設定は如何様にも変わってしまいますしね。ゾフィーのウルトラブレスターについて、いつか謎が解明される日は来るのでしょうか。
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コメント
お久しぶりです、こーら♪です。
またまた、驚きの記事ですね!
胸のスターマークは、知っていましたが・・・
“ウルトラブレスター”って言うんですねぇ。
知りませんでしたよ。
しかも、“隊長”の証しとは!
うれしいです! ウルトラ情報局!
ゾフィーが就任した後に、新たに設けられた制度!?
のご意見に、賛同します!(笑)
ますます謎の多い“宇宙警備隊・隊長ゾフィー”
これからも、目が離せませんね。
メビウス以降、最も好きになった“ウルトラ兄弟”
ですから・・・!
あつかましいお願いですが・・・今後の記事として、
“ヒカリのスターマーク”の謎をリクエストさせて
いただきます。
本文を読んで、俄然スターマークに興味がわいて
来ました!
確か? ヒカリのは、科学者としての功績でしたよね?
数もゾフィーの“それ”とは、違いますし・・・?
いつか・・・宜しくお願いいたします。
投稿: こーら♪ | 2007年9月28日 (金) 10時22分
>こーら♪さん
久々のコメント、ありがとうございます。
ウルトラマンの設定というのは後付けが少なくないので、今回のウルトラブレスターのように、矛盾を感じてしまうものもあるのですが…何とか辻褄の合う解釈はないものかと思い、「ゾフィーの隊長就任とともに新たに創設された制度」説を唱えてみました(笑)。
しかし、今さらになって新たな考えが浮かんできたのですが、ゾフィーは『ウルトラマン』最終回の時点ですでに隊長に就任していたにもかかわらず、隊長になったばかりだったため、つい間違えて「隊員」と名乗ってしまったとか。いや、そんなうっかりな理由は嫌ですよね(笑)。
ヒカリのスターマーク(科学者としての功績ですね)についてのリクエスト、とりあえずお受けしました。正直、考察するには情報不足な問題ですが、何とか記事にできるよう考えてみますので、お待ちいただければ幸いです。
投稿: パルティアホースカラー | 2007年9月28日 (金) 21時44分
はじめまして。
1年半前の記事へのコメントで恐縮します。
「ウルトラブレスター」の設定について、初出がおそらく、1973年、タロウ放映の年の秋頃、小学館学年誌「小学二年生」誌上の特集「ゾフィー物語」(?)あたりではないかと思います。(たぶんバードンに殺されたあとの追悼特集)
当時は、胸と肩のボタンに呼び分けはなく、
「●むねやかたのボタンはなに? ウルトラブレスターというんだ。」
「ウルトラブレスターは、からだの おんどを ちょうせつするんだ。」というキャプションが、内山まもる氏のイラストについていました。
この後、スターマークとの区別が設定されたのだと思います。
手元に資料が残っておらず、確認はできませんが、同じくいずれかの学年誌誌上で読んだ記憶があります。(もしかしたら、スターマークとの区別のほうが先立ったかも知れません)
ただし、胸を英語でbreastというように、もともとの語源からして胸のボタンをウルトラブレスター、肩をスターマークと呼ぶのが本来だと個人的には思っておりまして、どこかでこの名称設定が入れ替わってしまっているのが残念で仕方ありません。(あたかも中国発祥の食材、豆腐と納豆の意味が入れ替わってしまったかの如く…豆を発行させて作るのが本来豆腐、型に納めて作るのが納豆であるべき)
さらに、跡づけ設定が多いとのご指摘通り、このボタンは勲章として授けられたという設定があるのですが、この「ゾフィー物語」の別の設定には、「●ゾフィーのわかいころは? 光の国けいさつで大活躍したよ。」のキャプションが、"胸のボタンのみつけた、緑色の模様をつけた姿"のゾフィーのイラストに添えられています。(でもよく見たら、温度調節機能のイラストにも肩のボタンがない〜!!)など、のちの設定と矛盾する部分があり、真相を決定づけるには、少々難儀致します。
結論が出ないコメントですみません。
投稿: Roma | 2009年6月 9日 (火) 16時46分
続けてすみません。ウルトラマン39話に関する考察(もしくは妄想)です。
ぶっちゃけて言えば、39話製作時点では、4年後のウルトラ兄弟構想などカゲもカタチもなかったでしょうから、当然、長兄としての威厳の背景にある「隊長」は完全跡づけ設定ではあります。
しかし、敢えて後々の兄弟設定も、39話での両者の会話も生かす方向で考えてみて、こんな感じはいかがでしょう。
(手元に映像がないので確認できないのですが…)ウルトラマンはカラータイマーに2度目の光線を受けた時、目が点滅を始めます。そして、倒れた時にこれが完全に消えてしまったように記憶しています。
(その後、赤い火の玉に包まれた時に再点灯したのかどうかが定かでないのですが)実は、ゾフィの気配は感じながらも目が見えなかったのではないかと思うのです。
ゆえに「君は誰だ?」という他人行儀な問い方をしています。
しかるにゾフィが名乗ったときも、長兄との再会を喜ぶどころの騒ぎではなく、怪獣に敗北し、絶命してしまったショックから立ち直れていないが故に、他人行儀な応対に終始したのではないでしょうか。
また、ゾフィの「宇宙警備隊員」を名乗った件ですが、これは、謙譲の美徳にて、「隊長」という唯一無二のポストを名乗ることで、そのステイタスをひけらかすのではなく、100万もいる(ホントですか?その設定知りませんでした)「隊員」を名乗ることで、その機能、役割を強調したのではないでしょうか。もっともその割には地球人、特にハヤタに対してつれない態度をとってはいますが、それも全宇宙の警備という重責のなかでは、比較的些末なことではないかと思います。現に39戦38勝のウルトラマンでさえ敗北を喫しているので、怪獣らとの戦いに敗れ絶命した同胞としての警備隊員も多いと思うのです。ビートルがぶつかって死なせてしまったのも、事故と言えば事故なので、不可抗力として黙殺することもできた可能性もありますし…。
あ、本題からそれました。つまり怪獣への敗北という非常事態において、再会のあいさつなど、大した問題ではなかったのではないか、とも思えるのです。が、いかがでしょう。
投稿: Roma | 2009年6月 9日 (火) 18時06分
>Romaさん
長文のコメント、ありがとうございます。
スターマークとウルトラブレスターの設定には変遷があり、時代によって設定が変わってしまっているのはご指摘の通りかと思います。
また、語源からして、ウルトラブレスターとスターマークの名称が現在の設定と逆の方がしっくりくるのではないかという点には私も同意しますが、まぁ仕方ないかなぁと。
本題の、ゼットンに倒されたゾフィーとウルトラマンとの会話についてですが、まず私は、この時点でウルトラマンの目は見えていたものと認識しています。
ゾフィーはウルトラマンに対して、「目を開け」と促し、ゼットンに敗れた時点で光が消えていたウルトラマンの目に、再び光が点ったからです。
また、ウルトラマンはゾフィーに対して、「君は誰だ?」と問いかけてはいなかったはずです。第1話の、ウルトラマンとハヤタ隊員との同化シーンでは、確かにハヤタが目の前にいる謎の存在=ウルトラマンに対して、「君は誰だ?」と問いかけてはいますが、最終回のゾフィーとウルトラマンのやり取りにおいてはその台詞はなく、ゾフィーは聞かれる前に自分から自己紹介しています。
それらのことから、私は後のウルトラ兄弟のイメージを活かすよりも、素直に最終回でのウルトラマンとゾフィーは初対面で、そのときのゾフィーは実際に隊長ではなく隊員だったと見なしておきたいです。もっとも、その後ほどなくして隊長になったゾフィーですから、もしかしたらウルトラマンも、「宇宙警備隊の切れ者」とか「宇宙警備隊の次期隊長候補」とか、ゾフィーの噂を聞いたことはあったかもしれませんが。
ちなみに余談ですが、宇宙警備隊の隊員が100万人以上いるという設定については、色々な書籍に記載がありまして、例えば1996年に講談社から刊行された『ウルトラ戦士 宇宙警備隊ひみつ百科』には、宇宙警備隊の隊員は100万人以上だと明記されています。
投稿: パルティアホースカラー | 2009年6月13日 (土) 23時25分
>ゾフィーはウルトラマンに対して、「目を開け」と促し、ゼットンに敗れた時点で光が消えていたウルトラマンの目に、再び光が点った
パルティアホースカラーさま
>また、ウルトラマンはゾフィーに対して、「君は誰だ?」と問いかけてはいなかった
最終回のゾフィーとウルトラマンのやり取りにおいては……ゾフィーは聞かれる前に自分から自己紹介
すみません。手元に39話の映像資料がなく、YouTubeでも見つけられなかったので、記憶に不安がありながらいいかげななことを書きました。本件、失礼しました。
さらに、70年代前半、第2次ブームの際のデータが私のウルトラ雑学の拠り所になっていまして、80年代以降の新設定についてはほとんどフォローできていないため、宇宙警備隊100万人説は存じませんでした。
情報ありがとうございました。
(言い訳がましくもぶり返しになりますが、小学館学年誌の設定では、ウルトラマンがベムラーを追ってくる前から、ウルトラ兄弟、あるいはゾフィー宇宙警備隊長が存在していたかのごとく書かれていたように記憶していたもので…)
投稿: Roma | 2009年6月19日 (金) 00時19分
>Romaさん
再びのコメント、ありがとうございます。
昔の児童誌に記載されていた設定では、
確かにウルトラ兄弟がだいぶ以前から結成されていたかのような記述もありますね。
まぁ、ウルトラは時代によって設定がかなり改変されているので、仕方ないかなぁと思います。私が書いた設定も、いつ変わるかわかりませんしね。
ところで、ウルトラの新作映画が発表されましたね。
光の国を舞台に、数十人のウルトラマンが登場するようですから、宇宙警備隊の設定に深みが増すかもしれませんね。
個人的に、凄く楽しみです。
投稿: パルティアホースカラー | 2009年6月19日 (金) 23時10分