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2007年2月27日 (火)

ディズニー映画『トレジャー・プラネット』

最近、ディズニー映画『トレジャー・プラネット』(2002年)を初鑑賞。スティーブンソンの『宝島』を原作として、舞台を宇宙に置き換えたSFファンタジー作品です。結論から言ってしまえば、かなり楽しめました。

『トレジャー・プラネット』という映画における物語の核心は、主人公ジム・ホーキンスの成長。幼い頃に父親が家族を捨てて出て行ってしまった過去を持ち、そうでなくても精神的に不安定になりがちな15歳という年齢のジムが、伝説の「トレジャー・プラネット」を目指す冒険の中で、どのような成長をするか。それが、この映画の核心部分です。

その核心部分を語る上で外せないのは、海賊のジョン・シルバー。単なる悪役ではなく、非常に人間味あふれる個性の持ち主で、彼の一つ一つの言動が、『トレジャー・プラネット』の物語に深みを与えている気がします。もしも、このシルバーという人物にジムが出会わなかったら、ジムが成長することはなかったでしょう。それぐらい、シルバーは重要な存在です。

海賊として、伝説の「トレジャー・プラネット」の宝を求めつつ、ジムを利用しようと考えていたシルバーは、しかしジムとの交流を通じて、次第にジムの父親であるかのような気分になってきます。邪魔者はすべて始末してでも宝を手に入れたい気持ちがある一方で、ジムの大いなる可能性に気付き、ジムの成長を見届けたい気分になってきているシルバーは、その2つの感情の狭間で揺れ動きます。そのシルバーの揺れ動く内面が細かく描かれているからこそ、私は『トレジャー・プラネット』という映画を楽しめたのだと思います。

映画のラスト近く、シルバーは宝にもう少しで手が届きそうな状況になりながらも、ジムが命を落としかねないピンチに陥っている様子に、シルバーは気付きます。宝を手に入れようと思えば、ジムを助けることはできない、ジムを助けに行くのであれば宝は諦めざるを得ない。究極の選択。そこでシルバーは、ジムを助ける選択をします。お決まりの展開と言えばそうですが、そのお決まりの展開が良いのです。ジムとシルバーの心の交流が、ジムの成長における重要な要素なのですから。

そして映画のラスト、ジムはシルバーと一緒に旅立ち、自由な世界で生きていくのではなく、故郷にいる母親の元へ帰ることを選びます。このラストは、良かったと思います。命がけの冒険を経験したジムは、立派に成長しました。母親のところへ戻るからこそ、ジムは成長したと言えるのです。もしも、ジムがシルバーと一緒に自由を求めて旅立ってしまったら、ジムは母親を捨てたことになります。ジムは、自分と母親を捨てた父親と同じことを、母に対してすることになります。それをしなかったからこそ、ジムは成長したと言えるのではないでしょうか。

ジムは、最初は伝説の宝を持ち帰ることを宣言していましたが、何も持ち帰ることはできませんでした。けれど、自分自身の大きな可能性に気付き、人間的に成長して帰ることができました。それは、宝を見つけたも同然のことです。お金で換算できるものだけが宝というわけではない、ジムはそれを見つけて、母親の元に帰ってきたのです。ジムは子供の頃から憧れていた「トレジャー・プラネット」で、お金よりもはるかに素晴らしい宝を手に入れたのでした。

とても楽しめた『トレジャー・プラネット』で、気になったことがいくつか。ドップラー博士とアメリア船長が恋に落ちてしまうシーンは、私は笑えました。「何て男らしい、もっと何か言って」とドップラー博士に頼むアメリア船長の姿は、私は面白いと感じました。しかしながら、「余計な演出」と感じる方もいるかもしれませんね。確かに、物語の根幹部分において、重要とは言えないような気がしますから。それから、アメリア船長を慕っていたアローが物語途中で殺されてしまったのも、かなり不憫でしたし。

それと、ベンとモーフの性格は、もう少し静かに、あるいはおとなしくできなかったのでしょうか。どちらも不要なキャラクターというわけではないのです。モーフは、シルバーの可愛いペットとして登場することで、シルバーの人間味が際立つ気がしましたし、ベンは「トレジャー・プラネット」の秘密を知っている貴重な存在でしたし。しかし、両者ともちょっとうるさすぎた気がします。特にベンは、『スターウォーズ エピソードⅠ』のジャージャーに通じる煩わしさを感じました。もう少し、何とかしてほしかったです。

映画全体の雰囲気と言いますか、世界観は、そのままディズニーランドのアトラクションにできそうな印象を受けました。また、東京ディズニーシーのポート・ディスカバリーあたりの雰囲気が、映画の雰囲気に似ている印象も受けました。まぁ、『スターウォーズ』の世界観に似ている印象はもっとありますが、それはそれでいいのかもしれません。

ところで、私が『トレジャー・プラネット』の登場人物の中で一番好きなのは、主人公ジムの母親であるサラ。何とも美しい方ではないですか。サラがヒロインだと言われても納得してしまうほどの、美貌の持ち主ではないですか。個人的には、あんな美人のサラを捨てて出て行ったサラの夫(=ジムの父親)が許せません(笑)。いや、結構本気です。

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