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2007年2月22日 (木)

ディズニー映画『ラマになった王様』

ディズニー映画『ラマになった王様』(2000年)を、最近になって初めて鑑賞しました。感想は、「全体的な話のテンポがよく、爆笑できるシーンが多数ある。何なんだ、この馬鹿らしさは!?メチャクチャ面白いぞ」という一言に尽きます。以上、感想終わり(笑)!!…と言いたいところですが、それではいささか味気ないので、もう少し感じたことを詳しく語ってみましょう。

この『ラマになった王様』という映画は、1990年代後半以降のディズニー長編アニメーション映画にありがちなことですが、絵柄で受け入れられない人がいるかもしれません。従来のディズニー作品には、あまりなかったタイプの絵柄だと思うからです。しかし、個々のキャラクターは、従来のディズニー映画の登場人物に負けず劣らず魅力的。キャラの個性が輝いている映画だと思います。

主要登場人物は、たったの4人。自分勝手で傲慢な性格のために魔法でラマにされてしまう王様のクスコ。そのクスコを助け、思いやりの心を教える村人パチャ。クスコに唐突に解雇された恨みから、クスコを殺そうとする醜悪な魔女イズマ。本当は優しい性格なのに、何故かイズマの部下になっている、生き物クラブの元部長クロンク。『ラマになった王様』という映画は、ほとんど以上の4人のドタバタで話が進んでいきます。パッと見は地味なキャラクターたちなのですが、本当に個性的な性格をしていて、笑わせてくれます。

最高に笑った場面は、映画のラスト近く。クスコを殺そうとしたイズマが、ナイフを取り出すシーン。ナイフを太もも付近に隠していたイズマが、ナイフを取り出そうとスカートを捲り上げた瞬間、「見せないで~!!」と絶叫するクスコとパチャに思わず爆笑してしまいました。いや、確かに、イズマの露になった太ももを見ることは、ナイフで刺されるよりも辛いことかもしれません。思わず叫んでしまったクスコとパチャの気持ちもわかります。

また、何故かイズマの部下だったクロンクのキャラクターも最高です。生き物クラブの部長だった経験によって、リスの言葉を理解できる(!)という設定からして、彼がなぜ悪者の部下になっていたのか、不思議です。まぁ、彼が善悪の区別をなかなか理解できなかったからなのでしょうが。彼が悪いことをするときに、天使と悪魔が出てきて葛藤するシーンは見もの。天使と悪魔が見えているのはクロンクだけなので、周りの人間にとって、見えない何者かと会話して葛藤しているクロンクの姿は奇妙そのもの。イズマとクスコとパチャが3人揃ってクロンクを不思議がるシーンも笑えます。

メインの4人の他にも登場人物はいるのですが、その中で白眉なのはパチャの奥さん・チチャでしょう。見るからに知的な雰囲気が出ていて、この映画では異色の存在だと思います。パチャの妻としても、また母親としても、素晴らしい女性なのだろうという様子が見えます。

また、チチャは、登場したときにはお腹に赤ちゃんがいる妊婦状態。見落としがちですが、ディズニーの長編アニメーションに妊婦が登場するのは、かなり珍しいことなはず。ディズニー映画では、2人の男女が結ばれるシーンと、その2人に子供ができて幸せな家庭がこれから築かれていくことを予感させるシーンは多いですが、その中間の過程がはっきり出てきたことって、今まであったでしょうか。

『ダンボ』では、赤ちゃんはコウノトリが運んでくるため、妊婦は登場せず。『101匹わんちゃん』では、パーディタが15匹もの子犬を出産する場面がありますが、確かパーディタの妊婦姿や出産シーンそのものは出てこなかったはず。『わんわん物語』や『ライオン・キング』では、ラストシーンでいつの間にか子供が生まれていますね。『バンビ』も、バンビが生まれた直後から話が始まったはず。そんなことを思い浮かべると、チチャは特殊な存在だと言えそうです。もしかしたら、『わんわん物語』のダーリングさんが妊婦姿を披露していたような気がしないでもないのですが(記憶が曖昧)、そうだとしてもチチャが珍しいのは確かでしょう。

それはともかく、『ラマになった王様』は理屈抜きで笑えます。ハチャメチャで、ドタバタで、メチャクチャですが、それだけに痛快で、心から「面白い」と思えます。前年に『ターザン』というストーリー重視な作品を世に送り出したディズニー社が、その翌年にはこのような良い意味で馬鹿らしい作品を作るとは、凄いことだと思います。

最近になって初めて見た私が言うのもなんですが、ディズニー長編アニメーションに、『ラマになった王様』という爆笑必至な作品があるということは、もっと知られてもよいかもしれません。この作品を好きな人がどれだけいるかということを考える前に、知っている人がどれだけいるのかと考えてしまうぐらい、マイナーな作品でしょうから。しかし、私は『ラマになった王様』を見て良かったです。

私は吹き替え版で見てみたのですが、特典映像を見ると、英語ヴォイスの声優さんたちは映画の登場人物にそっくりですね。クスコとかイズマとかパチャとか、主要登場人物の声優さんたちは、そのまま実写版に出演できるぐらい、それぞれのキャラクターにそっくりでした。今度は、字幕で見てみようと思う今日この頃です。

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