自民党の新憲法草案の話
今日はハロウィン当日ということで、とりあえず言っておきましょう、ハッピーハロウィーン!!そんなわけで、ハロウィン関連の話題は以前の記事「2005年、東京ディズニーランドのハロウィン‐パンプキンキングダムへの誘い‐」や「ハロウィンが近いからこそ、ディズニー映画『イカボード先生のこわい森の夜』について語りたい」をご覧ください。今日の主題はハロウィンではありません。
ハロウィンのことはさておき、今日は第三次小泉改造内閣の顔ぶれが決まったということなので、珍しく政治の話でもしようかと思います。
基本的に、私は現在の小泉政権を支持しておりません。郵政民営化に反対だとか、そういうわけではなく、自民党の憲法改正論議に賛同しかねることが一番の大きな理由です。
10/28に、自民党の新憲法制定推進本部が新憲法草案を発表しましたが、その中に気になることが色々と。
まず前文に、「日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し」云々と書かれているのが気になります。「帰属する国」に「愛情」を持つことが「責務」とまで言われることにイマイチ納得できません。この文章は要するに、日本に生まれた者は日本がどんな国であろうとも愛することが責務だと言っているのでしょう。しかし、例えば日本がかつての軍国主義の国家や言論の自由が保障されない国家に再びなってしまったら、私はそのように変わってしまった日本を愛することはできません。私が日本を愛するためにはそのような事態にならないことが不可欠の前提であって、その前提もなしに国を愛することが「責務」だと言われても少々困ってしまいます。大体、日本に生まれているのですから、「責務」とまで言われなくても日本は好きですよ。でも、そのように自然と好きと思うのと、愛することが「責務」だから愛するのは違うと思います。
次に、新憲法草案は、現行の日本国憲法の第九条にある「国の交戦権はこれを認めない」という文章を削除しています。そして、自衛隊は「自衛軍」にすることが明記されています。このへんに違和感、もしくは胡散臭さを感じるのは私だけなのでしょうか。どうも、日本国外での武力行使を可能にするための措置だとしか、私には思えないのですが。また、自衛隊が「軍」ということになれば、軍事費も当然増えるでしょう。そのために増税にでもなったら、たまったものではありません。
新憲法草案の第十二条には、「自由及び権利には責任及び義務が伴う」と書かれています。一見すると正しいような気もしますが、現行の日本国憲法には、「責任及び義務が伴う」ということは書かれていません。その意味で、国民の自由と権利を日本国憲法に比べて制限しようとする意図があるような気がしてなりません。
続いて第二十条の「信教の自由について」。現行憲法では、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と明記しているのに対し、新憲法草案は「社会的儀礼又は習俗的行為を超える宗教教育その他の宗教的活動」と記しています。どうも、政教分離の原則を少し緩やかにしようという意図があるようです。このへんの動きにもイマイチ賛成できません。やや性急すぎるかもしれませんが、戦前の「国家神道」などを想起してしまうからです。
新憲法草案の第七十三条には、「政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、義務を課し、又は権利を制限する規定を設けることができない」と記されていますが、逆に、法律の委任があるならば、「義務を課し、権利を制限する」規定を設けることが可能だというのでしょうか?義務を増やして権利を制限する可能性があるものには反対です。
新憲法草案の第七十六条には、「軍事裁判所を設置する」と明記してあるのですが、ここにも胡散臭さを感じます。
次に七十九条。現行の日本国憲法では、最高裁判所の裁判官の報酬は減額することができないと明記されていて、これは司法権の独立の一つの例と言えるのですが、新憲法草案では減額する場合があることを示唆しています。司法権の独立の侵害につながったりしないか、少々心配です。
…以上、新憲法草案について私が不満を感じた部分を色々と述べてみました。正直、新憲法草案の全文を精読したわけではありませんので、私の誤解や意味の取り違いなどもあるかもしれません。しかしながら、私は基本的に憲法改正に反対です。そもそも、改正する必要性をほとんど感じていません。特に憲法九条が最大の論点になるかと思いますが、日本が他国から攻撃を受けた場合、現行の日本国憲法でも十分に対応可能だと私は思っています。なので、これも改正する必要性があるとは思いません。
また、改憲論者の間では、日本国憲法はアメリカに押し付けられたものだという認識があるようですが、この認識が必ずしも正しくないことは、古関彰一『新憲法の誕生』(中公文庫、1995年)などの諸研究が述べていることです。
以上述べた憲法改正論議に反対だということから、私は小泉政権を支持していません。
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