« 2005年8月 | トップページ | 2005年10月 »

2005年9月30日 (金)

野口武彦『新選組の遠景』読了。新選組中心史観への批判

最近購入した、野口武彦氏の著書『新選組の遠景』(集英社、2004年)を読み終わりました。購入する前から立ち読みでだいぶ読んではいたのですが、購入したのは最近になってからでした。野口武彦氏の著書を購入したのも初めてです。『安政江戸地震』(ちくま学芸文庫、2004年)などの著書を何度か立ち読みはしていたのですが。

とりあえず、野口氏の「新選組ファンのあらかたは天動説である。新選組を機軸にして歴史の天空が回転するのだ」(15頁)という意見には、同感です。私も新選組ファンの友人と話をしているときに、その新選組ファンの友人が新選組のことにはものすごく詳しいのに、幕末史のほかの人物・団体や新選組が関わっていない事件などには興味がないか、詳しく知らないということに驚いたことがあります。もちろん、新選組ファンならば新選組のことに詳しいのは当然かもしれませんが、新選組以外のことに興味を示さないのは解せません。野口氏の、「新選組のことは、新選組だけを見ていたのではわからない」(16頁)という意見に耳を傾けてみても良いのではないでしょうか。

野口氏は新選組ファンの歴史観を「新選組中心史観」(150頁など)と呼んでいますが、そのような歴史観では、幕末という時代について正しい理解・認識は不可能だと思います。何故なら、新選組および新選組の隊士たちは、幕末史全体の中での重要度においては、あくまで脇役に過ぎないと思うからです。

実際、幕末史を描いた通史などの歴史書では、新選組はそれほど大きい扱いを受けていません。例えば、歴史家の田中彰氏による一般向けの通史である『日本の歴史⑮ 開国と倒幕』(集英社、1992年)は、ペリー来航前夜から鳥羽・伏見の戦いに至るまでの時期を叙述していますが、新選組は本文には登場せず、登場するのは本文の外のコラム(186~187頁)だけで、巻末の索引にも新選組は全く出ていません。

石井寛治『大系日本の歴史⑫ 開国と維新』(小学館ライブラリー、1993年)は、ペリー来航から西南戦争までを描いた通史ですが、新選組が登場するページ数は全部で5ページで、ページ数で言えば五代友厚と同じです。ちなみに、大久保利通は全部で46ページ、西郷隆盛が31ページ、木戸孝允が32ページ、徳川慶喜が19ページほど登場していますので、新選組はあくまで脇役として描かれているというのがわかるかと思います。ただし、石井氏の著書は田中氏の著書に比べて、新選組の扱いはかなり大きいです。

比較的新しい通史である、井上勝生『日本の歴史18 開国と幕末変革』(講談社、2002年)は、天保年間から慶応3年の王政復古政変あたりまでの時期を描いていますが、新選組はたった一度、池田屋事件の記述で出てくるだけです。さすがに扱いが小さすぎるのではないかと思うぐらい、一言出てくるだけです。

昨年、歴史書専門の出版社・吉川弘文館から刊行された、『日本の時代史』全30巻の一冊である、井上勲編『日本の時代史20 開国と幕末の動乱』(吉川弘文館、2004年)の中で、編者の井上勲氏は、幕末政治史の概説として、「開国と幕末の動乱」という文章を載せていますが、新選組の登場は二回だけです。一回目が、京都守護職・松平容保の配下に新選組がいたことの説明で、二回目が池田屋事件の記述です。一方で、例えば島津久光は全部で15ページに登場しています。

以上、ご紹介しましたように、幕末史の通史では、どうしても新選組は脇役になってしまいます。その意味で、私は「新選組中心史観」は正しくないと思うのです。しかしながら、脇役としての新選組を、幕末史の中にどのように位置づけるべきかは非常に重要だと思っています。新選組は脇役だと言っても、宮地正人氏が「一会桑グループ内の有能な政治活動家の中にほかならぬ近藤勇が存在したこと、この点の確認が、今日の歴史学からする新選組論の第一の眼目でなければならない」(『歴史のなかの新選組』岩波書店、2004年、7頁)と主張するように、新選組が幕末史の主役に影響を与えうる位置で活動していたことは事実です。したがって、新選組の研究は有意義だとは思います。私が言いたいのは、「新選組中心史観」は新選組および幕末史を正しく理解する上で適切ではないということだけです。

ちなみに、宮地正人氏が言う「一会桑」とは、禁裏守衛総督兼摂海防禦指揮の一橋慶喜(徳川慶喜)、京都守護職の会津藩主・松平容保、京都所司代の桑名藩主・松平定敬のことです。この、いわゆる一会桑政権は、江戸の幕閣とは別個の権力として京都で活動し、慶応3年のいわゆる討幕の密勅などで打倒対象にされていた三人です。要するに、幕末史を語る上で、決して軽視はできません。その一人である松平容保の配下に新選組がいて、特に近藤勇が活発な政治活動をしていたからこそ、新選組はあくまで脇役ながらも重要な存在だと思うわけです。

ともあれ、現在の状況では、新選組は正しい理解がなされているとは言えないと思います。そのために重要なことは、司馬遼太郎その他が生み出したフィクション(虚像)としての新選組認識から脱却することでしょう。宮地正人氏が、『歴史のなかの新選組』という本を執筆した理由も、新選組認識について、「時代小説的虚構から歴史的真実の方にブレを戻したい」(『歴史のなかの新選組』197頁)ということだったのです。

しかし、野口武彦氏が『新選組の遠景』の「あとがき」で述べている、「歴史学者が長らく一顧だに与えず、正史にまともに登場させなかったからこそ、新選組は稗史小説の世界であれだけ活躍してきたという事実にもっと思いを馳せるべきではあるまいか」という意見はもっともなことです。新選組が「時代小説的虚構」のレベルで認識され、「新選組中心史観」で幕末を認識する人が少なくないことには、歴史学者もある程度の責任があるかと思います。良い意味で、新選組の研究が進むことを願っております。

最後に、野口武彦『新選組の遠景』は面白かったです。歴史家でもなく新選組研究家でもない野口氏による新選組論は、とても新鮮でした。また、内山彦次郎暗殺は新選組によるものではないとする野口氏の意見に、全面的に賛成です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2005年9月29日 (木)

『ジャイアント・ピーチ』の感想

ここ数日で、レンタルしてきた3本のディズニー映画『ジャイアント・ピーチ』『ブラザー・ベア』Mr.インクレディブル』を一気に観ました。そこで、これらの映画の紹介と若干の感想を述べてみたいと思います。この記事ではさしあたり、『ジャイアント・ピーチ』について述べます。

まず、『ジャイアント・ピーチ』ですが、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』でお馴染みのティム・バートンが手掛けた作品で、1996年に公開されました(『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』についての感想はコチラの記事をご覧ください)。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を観てティム・バートンに興味を持ったので、この『ジャイアント・ピーチ』は同じくバートンが手掛けたディズニー作品ということで、レンタルしてきました。

この映画の特徴は、実写+ストップ・モーション・アニメになっているということでしょうか。あらすじは、主人公のジェームス・ヘンリー・トロッター(少年)と、人間サイズに巨大化して喋れるようになった虫たちが、みんなで協力して、巨大な桃に乗って憧れの街・ニューヨークを目指すというものです。原作は、ロアルド・ダールの『おばけ桃の冒険』で、バートンが一番撮ってみたかった作品だそうです。

この映画は、はっきり言って面白かったです。大きな桃が鳥に引っ張られて空を飛ぶなど、ファンタジックな場面が続出します。大体、大きくなった桃と大きくなった虫という設定自体、とても面白いです。ジェームスの仲間の虫たちもみんな個性的で、私は特に、大西洋よりも太平洋の方が広いことを知っている博学なキリギリス君を気に入りました。そのほか、ミミズ君やムカデ君など、みんなとても面白くて楽しい連中で、虫が苦手な人でも楽しめるキャラクターに仕上がっていると思います。

最後はディズニーらしく、ハッピーエンド。お子様も楽しめる良質な内容に仕上がっております。と言うより、映画全体の雰囲気がとても素敵です。初めは意地悪なおばさんたちに文句を言えなかった主役のジェームスも、冒険を通して危機を乗り越える度に成長し、最後にはおばさんを撃退するのも、見ていて痛快でした。冒険を共にしたジェームスと虫たちが、自分たちは家族だと歌うシーンなど、とても素敵です。いずれはDVDを購入したいなぁと思える作品でした。

作品全体の雰囲気が、1977年公開のディズニー映画『ピートとドラゴン』を彷彿とさせるような気がするのは、私だけでしょうか?『ジャイアント・ピーチ』の主役・ジェームスは、両親に先立たれ、意地悪な二人のおばさんに引き取られてこき使われ、逃げ出して大西洋を越えてたどり着いたニューヨークにまで、そのおばさんたちは追いかけてきて、でも最後には幸せを手にする…何だか、ジェームスに、『ピートとドラゴン』の主役の少年・ピートに通ずるものを感じたのです。と言うより、不幸なピートのところにエリオットがやってきたように、ジェームスのところにもエリオットが来てもおかしくないなぁと感じたんですね。実写+アニメで、ミュージカルシーンが魅力的ということでも、二つの作品の雰囲気は似ている気がしたのですが、どうでしょうか?ちなみに、『ピートとドラゴン』については、コチラのブログ(十六夜の庵)を是非ご覧ください。

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のジャック・スケリントンが、海賊の幽霊役で友情出演しているのも、見逃せないところです。

良かったら、『ブラザー・ベア』の感想(コチラ)と『Mr.インクレディブル』の感想(コチラ)もご覧ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『ブラザー・ベア』の感想

『ブラザー・ベア』『Mr.インクレディブル』『ジャイアント・ピーチ』と、レンタルしてきた3本のディズニー映画を数日間に一気に観たのですが、ここでは『ブラザー・ベア』について語りたいと思います。

この『ブラザー・ベア』という映画は、観る前、とても地味な印象を抱いていたのですが、やはり地味でした。でも、それが駄目というわけではなく、地味なだけに堅実な面白さと感動がある作品です。作品のテーマは「兄弟愛」ということに尽きるでしょうか。私は観る前に結末を聞いてしまっていたために、さすがに泣けなかったのですが、泣く人がいてもおかしくないほど、感動するストーリーに仕上がっています。ただ、もしかしら、子供には案外難しい話かもしれません。

まずは、人間の三兄弟が出てきます。その三男のキナイが主人公です。とても仲のいい兄弟なのですが、長男はクマに襲われるキナイを助けるため、命を落としてしまいます。キナイは、長男の仇を討つため、クマを追います。しかし次男は、「俺はクマを責めるつもりはない。クマを殺してしまったら、後悔するぞ」という意見で、キナイを止めようとしますが、キナイは兄の意見を聞きません。ついにキナイは、クマを仕留めることに成功します。

でも、それは精霊となった長男の望むところではありませんでした。精霊となった長男は考えあって、キナイをクマの姿に変えてしまいます。そこに次男がやってきて、目の前にいるクマ(キナイが変化した姿)が弟のキナイを殺したのだと思い込み、そのクマ(キナイ)を殺そうという考えに変わります。クマになったキナイは、自分をクマにした長男に会える場所があると聞き、そこを目指します。

その過程で、母とはぐれてしまった子グマのコーダと出会い、いつしかキナイとコーダは本当の兄弟のように仲良くなります。でも、コーダの母はもうこの世にはいませんでした。キナイが人間の姿だったときに長男の仇討ちとして殺したクマこそ、今や弟同然の存在になったコーダの母だったのです…。キナイは、自分のしてしまったことを激しく後悔します。そんなキナイのところに、自分を殺そうとする次男(キナイ=クマだと気付いていない)がやってくるのです…。

ラストについてはあえて記しません。でも、ディズニーらしくハッピーエンドで終わります。とても感動的なラストです。改めて述べておくと、この作品は「兄弟愛」がテーマです。

以下は余談。登場する動物たちもなかなか愉快で、キナイとコーダ、その他の動物たちがみんなでマンモスに乗ったりする場面などは、ディズニーっぽい演出だなぁと感じました。また、『ジャングル・ブック』のバルーのようなクマもいて、気になりました。また、歌がフィル・コリンズだからなのか、『ターザン』と雰囲気が似ていると感じた部分もありました。

良かったら、『ジャイアント・ピーチ』の感想コチラと『Mr.インクレディブル』の感想(コチラ)もご覧ください。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

『Mr.インクレディブル』の感想

『Mr.インクレディブル』『ブラザー・ベア』『ジャイアント・ピーチ』という3本のディズニー映画をレンタルしてきて、ここ数日で一気に観ました。いずれも、初めて観ました。この記事では、『Mr.インクレディブル』についての若干の感想を述べます。

まず、映画自体は、ディズニーと言うよりはピクサーの作品ですので、昔ながらのディズニーらしさというのは全体的に希薄です。ただし、この映画は必ずしも大人向けというわけではなく、単なる子供向けというわけでもなく、家族で楽しめる映画だなぁと思えたのが、一番良かった点です。家族で楽しむのに最適な内容だと思いました。

インクレディブルと夫人、子供たち…ヒーロー時代に戻りたいインクレディブル、ヒーロー時代のことは昔のこととして平穏に暮らしたい夫人、特殊能力を持っているのに普段はそれを使えない生活がもどかしい子供たちなど…家族間の微妙な気持ちの違い・それぞれの葛藤が描かれ、悪との戦いの中でお互い助け合っているうちに段々と家族の絆が深まっていく様子は、心温まりました。そのへんが、家族で楽しめると思った所以です。インクレディブル一家は、映画のラストには、素敵な家族に成長しています。

悪役のシンドロームは、少年時代に大ファンだったインクレディブルに冷たくされたことがあるというだけで、悪の道に走ってしまった屈折した男です。しかも、自分で作ったロボットに街を破壊させて、それを自分が倒すことで人々からヒーローだと思われようとする性格など、許しがたいですね。

ピクサー作品らしく、笑える場面がいくつかあります。ヒーローのコスチュームにマントを付けると危ないという理由が、おかしくもなかなか説得力がありました。自分のマントを踏んづけたり、マントを引っ掛けて災難にあうヒーローは、あまり見たくないですね。また、超人的な速度で走れるインクレディブルの息子・ジャックは、自らの正体がバレないように、普段走るときはセーブして走らねばなりません。そんなジャックの徒競走を応援するインクレディブルが、「ジャック、速すぎる」とか、「二番になれ」と応援するのが面白かったです。

映画冒頭で、自殺しようとした人をインクレディブルが助けて、それは素晴らしいことだと思うのですが、逆にインクレディブルは自殺を邪魔したということで訴えられたり、事故寸前の電車を超パワーで強引に止めたインクレディブルが、電車が急停車したから怪我したと言う乗客に訴えられたり…ヒーローも大変と言いますか、人間って勝手なんだなぁと思ってしまいましたよ。現実にヒーローがいたら、やはり上記のようなことでヒーローを訴える人って、出てくるんでしょうかね。

個々のキャラクターが個性的で、ストーリーも面白く、さすがにアカデミー賞を受賞した作品だけあると感じました。また、吹き替えの三浦友和(インクレディブル)と黒木瞳(インクレディブル夫人)がいい仕事していましたね。また、娘のヴァイオレットの吹き替えは綾瀬はるかさんだったのですね。これは知りませんでした。個人的には、シンドロームの秘書・ミラージュが素敵でした。最後に改心するところもなかなか良いです。

良かったら、『ジャイアント・ピーチ』の感想(コチラ)と『ブラザー・ベア』の感想(コチラ)もご覧ください。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2005年9月27日 (火)

映画の中のビッグ・バッド・ウルフ

__04 1933年公開のディズニー映画『三匹の子ぶた』に登場した、ビッグ・バッド・ウルフ(写真右の彼)をご存じでしょうか?三匹の子ブタを食べようとした、悪いオオカミです。彼は、今年の8/31に終了した東京ディズニーランド(以下、TDLと略称)のイベント「ロック・アラウンド・ザ・マウス」において、バイクを颯爽と乗り回すカッコイイ姿を披露して、今まで彼のことを知らなかった人もしくは知っていても彼に興味がなかった人たちに強烈な存在感を示しました。恐らく、新たなファンを大量に獲得したものと思われます。

ビッグ・バッド・ウルフは上記の特別イベントの他にも、TDLでは「ドリームス・オン・パレード」(昼間のパレード)やグリーティングなどにも登場し、活躍しています。では、彼は映画の中ではどんな活躍をしているのでしょうか。それを簡単に紹介してみたいと思います。

ビッグ・バッド・ウルフのデビュー映画は、冒頭で述べた通り、『三匹の子ぶた』(1933年公開)です。彼は子ブタたちを食べようと、まずは子ブタの長男である、ファイファー・ピッグの家へと行きます。しかし食べられたくないファイファーは出てこないので、彼は「怒ったぞ」と叫んで、強烈な息でファイファーが作った藁の家を吹き飛ばしてしまいます。ファイファーは次男のフィドラー・ピッグの木の家に逃げ込みますが、ビッグ・バッド・ウルフはこれも得意の息で吹き飛ばします。ファイファーとフィドラーは、三男のプラクティカル・ピッグの家に逃げ込みます。ビッグ・バッド・ウルフはプラクティカルの家も吹き飛ばそうとしますが、この家は丈夫なレンガでできていたため、吹き飛ばすことができませんでした。仕方なく煙突から侵入しようとしたウルフは、暖炉の火によって逆に追い払われてしまいました。ウルフを追い払った子ブタたちは、意気揚々と「狼なんかこわくない」を歌うのでした。ちなみに『三匹の子ブタ』とは、全部で70本以上の作品があるシリー・シンフォニー・シリーズの一作です。

続いてビッグ・バッド・ウルフは、同じくシリー・シンフォニー・シリーズの『赤ずきんちゃん』(1934年公開)に出演しました。この映画では、赤ずきんちゃんと三匹の子ブタが元々知り合いだったように描かれています。そのため、ファイファーとフィドラーは赤ずきんちゃんにくっついて彼女の家に行きます。ファイファーとフィドラーは用心棒のつもりのようです。ビッグ・バッド・ウルフは、彼らを食べようとします。ファイファーとフィドラーは全く役に立ちません。ついに赤ずきんちゃん・ファイファー・フィドラーを追い詰めたウルフですが、急を知って駆けつけたプラクティカルに、またもや撃退されてしまいます。

ビッグ・バッド・ウルフは懲りずに、『オオカミは笑う』(1936年公開)で、またしても子ブタたちを食べようとします。今回は何と、ビッグ・バッド・ウルフの三人の息子が登場します。ウルフは息子三人と一緒に作戦を立て、ファイファーとフィドラーをまんまとおびき出し、捕まえることに成功します。縛られて、ビッグ・バッド・ウルフによって料理される寸前になったファイファーとフィドラーのピンチに駆けつけたのは、またしても三男のプラクティカルでした。プラクティカルは苦労して作った機械によって、ビッグ・バッド・ウルフを撃退してしまいました。この映画もシリー・シンフォニー・シリーズの一作です。

同じくシリー・シンフォニー・シリーズの一作に、『働き子ブタ』(1939年公開)という作品があって、どうやらこの作品にもビッグ・バッド・ウルフは登場するらしいのですが、この作品は未見のため、詳細については不明です。お許しください。

次に、シリー・シンフォニー・シリーズ以外の映画での、ビッグ・バッド・ウルフの活躍を紹介してみたいと思います。まずは、『ミッキーのポロゲーム』(1936年公開)です。この作品は、ミッキーマウス・シリーズの一作。ミッキーマウスのチームと、ハリウッドの名優たちが、ポロで勝負するという映画です。ビッグ・バッド・ウルフは、ドナルドダックとグーフィーと一緒に、ミッキーチームの一員です。ミッキーマウス、ドナルダダック、グーフィー、ビッグ・バッド・ウルフの4人のチームというのは、他では滅多にお目にかかれません。この映画、ミッキーマウス・シリーズながら、ミッキーの活躍は皆無に近いです。しかしながら、ビッグ・バッド・ウルフは家を吹き飛ばすほどの得意の息を駆使して大活躍します。試合の観客として、三匹の子ブタなど、シリー・シンフォニー・シリーズやミッキーマウス・シリーズのキャラクターがたくさん出演しています。

続いて、ミッキーマウスが30年振りにスクリーンに帰ってきたことで名高い『ミッキーのクリスマス・キャロル』(1983年公開)にも、ビッグ・バッド・ウルフは出演しています。この映画はあちらこちらに色んなディズニーキャラクターが出ていて、それを探すのも楽しいのですが、ビッグ・バッド・ウルフは映画冒頭の、主演のスクルージ・マクダック(映画の中の役名はエベニーザー・スクルージ)が街を歩いているシーンで、スクルージの後ろにビッグ・バッド・ウルフと三匹の子ブタがいるのが確認できます。ビッグ・バッド・ウルフは、何とサンタクロースの衣装で登場。後の場面で、彼の息子が子ブタと遊んでいる様子も出てきます。

1988年公開の超大作『ロジャー・ラビット』『ロジャー・ラビット』の詳細についてはコチラ)にも、ビッグ・バッド・ウルフは登場。映画のラストで、トゥーンタウン(吹き替え版ではアニメタウン)から来たたくさんのアニメキャラの中に、ビッグ・バッド・ウルフの姿を確認することができます。この場面、本当にたくさんのアニメキャラが出てくるので、一人一人を識別するのが大変なのですが、ビッグ・バッド・ウルフは割合に目立つ位置にいますので、見つけることは難しくありません。ただし、残念ながらセリフはありません。

以上、ビッグ・バッド・ウルフの映画での活躍を簡単に紹介してきましたが、他にもビッグ・バッド・ウルフが出ている映画があるというのを知っている方がいましたら、ぜひ教えてください。私はビッグ・バッド・ウルフが好きですが、上記の映画しか、ビッグ・バッド・ウルフが出てくる映画を把握しておりませんので。ちなみに、映画では、ありませんが、TVシリーズの『ハウス・オブ・マウス』にもビッグ・バッド・ウルフは出ていて、その活躍の一端はDVDとビデオで発売した『ミッキーの悪いやつには負けないぞ!』で見ることができます。__11

右の写真は、ビッグ・バッド・ウルフが苦手としているプラクティカル・ピッグ。 冒頭で紹介したTDLのイベント「ロック・アラウンド・ザ・マウス」の1コマです。このイベント、大好きでした。いつかまた、バイクで疾走するビッグ・バッド・ウルフの姿を見ることができたら幸せです。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

2005年9月24日 (土)

ウルトラマンマックス ゼットンの娘

今日放送の『ウルトラマンマックス』第13話のサブタイトルは、「ゼットンの娘」でした。ゼットンとは、宇宙恐竜ゼットン。放送前から楽しみにしていました。その理由は以下の通り。

ゼットンとは、1967年放送の『ウルトラマン』最終回、「さらばウルトラマン」で、それまで無敵の強さを誇っていた超人・ウルトラマン(初代ウルトラマン)の技をことごとく跳ね返し、無力化し、最後にはウルトラマンを倒してしまった最強怪獣。ファンの間では伝説の存在と言ってもいいぐらいの有名怪獣です。私も好きな怪獣です。

その後も、『帰ってきたウルトラマン』の最終回や、『ウルトラマンパワード』の最終回にも登場したゼットンですが、今年放送が始まった『ウルトラマンマックス』で、再登場を果たしてくれたわけです。

で、かつて初代ウルトラマンを倒したほどの怪獣だけに、そのゼットンの扱い・描き方をめぐっては、ファンの方にも賛否両論あるようですが、私は今回のゼットンは良かったと感じました。何より、夜の街に立つゼットンの姿は初めて見ましたし、それにかっこよかったです。圧倒的なパワーと、マックスの技を跳ね返すゼットンシャッターで、マックスを絶体絶命の危機に陥らせたところなど、さすがゼットンです。途中で新キャラクターのウルトラマンゼノンが現れなければ、マックスは間違いなく負けていたでしょう。パワータイマー(マックスの胸のランプはカラータイマーではなく、パワータイマーと呼ぶ)もいつになく激しく鳴っていましたし。ということで、個人的には満足でした。複数のウルトラマンの共闘というのも、やはり燃える展開です。複数のヒーローの共演が大好きな私にとっては、嬉しいかぎりです。

まぁ、不満点もなきにしもあらずですが、ウルトラマンや怪獣がかっこよければ、とりあえずは面白かったと言えます。

今のところ、『ウルトラマンマックス』にはエレキング、レッドキング、アントラーなどの、往年の人気怪獣が登場していますが、ゼットン登場が一番嬉しかったですね。次週はキングジョー登場ということで、どうなることやら。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2005年9月22日 (木)

平尾道雄氏と『新撰組史録』について

新選組や坂本龍馬に関する書籍を愛読している方ならば、平尾道雄氏の名前をどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。平尾氏は特に、土佐藩関係の研究で高い評価を受けている歴史家で、1979年に亡くなっています。生前は、高知大学・高知女子大学の講師やワシントン大学の客員講師を務めています。平尾氏の歴史家としての基礎は、1920年から1952年にまで及ぶ、山内家家史編修所勤務時代に築かれたものです。歴史家の故・山本大氏の言葉を借りれば、平尾氏は「如何なる賛辞を呈しても言葉が足りない地方史家、というより日本を代表する史家の一人」です(山本大「平尾道雄先生の偉業と『山内家史料』の出版」『日本歴史』391号、1980年、40頁)。その平尾氏は高知を足場にして研究を続けていただけに、高知に関係する著書が多いです。このあと詳しく述べる『新撰組史録』を除いて、主要と思われる著書を以下に列記してみます(出版社・刊行年は省略)。

『維新暗殺秘録』・『子爵谷干城伝』・『天誅組烈士 吉村虎太郎』・『武市瑞山と土佐勤王党』・『容堂公記伝』・『奇兵隊史録』・『立志社と民権運動』・『土佐藩漁業経済史』・『土佐藩林業経済史』・『土佐藩工業経済史』・『土佐藩農業経済史』・『吉田東洋』・『山内容堂』・『近世社会史考』・『土佐藩』・『長宗我部元親』・『龍馬のすべて』・『坂本龍馬 海援隊始末記』・『野中兼山と其の時代』・『無形板垣退助』・『中岡慎太郎 陸援隊始末記』・『戊辰戦争』…などなど。

上に列挙したものは、平尾氏の著書のほんの一部にしか過ぎません。また、論文にも高知関係のものが多く、例えば、「土佐藩の軍制改革」(『軍事史学』7‐3、1971年)・「土佐藩の浪人制度」(『日本歴史』293号、1972年)などがあります。

このように、高知ないしは土佐に関する研究が圧倒的に多い平尾氏ですが、最初に出版した著書は土佐に関するものではなく、新選組に関するものでした。それが、1928年に自費出版した、『新撰組史』です。この本が出版されたとき、平尾氏はまだ数え年で29歳でした。今とは時代が違うことは百も承知で述べると、今は30歳を過ぎても大学院に学生として居座っている研究者も多いのに、大したものだと思ってしまいます。平尾道雄『新撰組史』は、歴史家の宮地正人氏をして、「当時としては非常によく史料を蒐集し、実証的に歴史叙述をおこなっている。新選組の研究書としては、今日に至るまで、歴史学的には最高のものではないだろうか」(宮地正人『歴史のなかの新選組』岩波書店、2004年、170頁)と言わしめるほどの内容を備えている書物だったのです。

『新撰組史』は、1942年に『新撰組史録』と改題され、改訂された上で育英書院から刊行されます。『新撰組史録』は、さらに1967年には、再度改訂された上で白竜社から刊行されます。またさらに、1977年には、『定本新撰組史録』として、新人物往来社から刊行され、しばらく絶版状態が続いた後、2003年に同じく新人物往来社から新装版が刊行されました。平尾氏の新選組研究は、昭和初期から21世紀の今日に至るまで、長く読み継がれ、2004年刊行の宮地正人氏の著書の中で「歴史学的には最高のもの」と言われるほどの地位を占めてきたのです。

2003年には岩波新書の一冊として、歴史家の松浦玲氏の『新選組』が刊行され、2004年には先に引用した宮地正人氏の『歴史のなかの新選組』が同じく岩波書店から刊行され、新選組はようやく歴史家の研究対象として認識されるようになってきました。松浦氏の著書が出るまでは、本格的に新選組の研究に取り組んだ歴史家は、平尾道雄氏ただ一人と言っても過言ではない状態が続いていたわけです。2004年5月に刊行された『史学雑誌』第113巻5号の、「回顧と展望」特集の幕末維新期の項の執筆者・鵜飼政志氏は、松浦玲『新選組』について、「研究者による新撰組研究としては、ほとんど平尾道雄氏以来のものといえ」ると述べています。ちなみに、『史学雑誌』とは歴史学の最も権威ある学術雑誌で、「回顧と展望」とは、『史学雑誌』が毎年一回行う特集で、日本史・東洋史・西洋史の各時代・各分野についての前年の研究成果の紹介・論評を行うものです。

つまり、平尾道雄氏の『新撰組史』ないしは『新撰組史録』は、新選組研究においては非常に価値のある書物であると言って差し支えないでしょう。新選組に興味のある方で平尾氏の新選組研究を読んだことがない方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

ちなみに、平尾道雄氏について、もっと詳しく知りたい方には、平尾氏の自伝である『歴史の森』(高知市民図書館、1976年)のほか、以下の文献をオススメします。 

松浦玲「解説」平尾道雄『坂本龍馬 海援隊始末記』中公文庫、1976年
平尾道雄『平尾道雄選集』全4巻、高知新聞社、1979‐1980年
高知県知事室公編『平尾道雄 その人と偉業』高知県、1980年
高知市民図書館編『平尾道雄追悼記念論文集』高知市民図書館、1980年
山本大「平尾道雄先生の偉業と『山内家史料』の出版」『日本歴史』391号、1980年 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2005年9月21日 (水)

『コルドロン』と『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を初めて観ました

一昨日のことになりますが、ディズニー映画の『コルドロン』(1985年公開)と、同じくディズニー映画(ただし、ディズニー系列のタッチストーン・ピクチャーズ作品)の『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993年公開)を初めて観ました。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は、製作・原案・キャラクター設定をティム・バートンが担当していますが、『コルドロン』も、ディズニーに在籍していた頃のティム・バートンが、スタッフの一人として参加している作品ですね。つまり、ティム・バートンが関わった2つのディズニー映画を昨日初めて観たわけですが、それぞれについて若干の感想を述べてみます。

まずは『コルドロン』について。この映画は、東京ディズニーランド(以下、TDLと略称)のアトラクション「シンデレラ城 ミステリーツアー」の元ネタになった映画ですね。『コルドロン』という作品自体がマイナーなため、知らない人も多いと思います。「ミステリーツアー」に出てくるターラン、光の剣、ホーンド・キングなどは、すべて『コルドロン』に出てくるキャラや設定です。で、この『コルドロン』ですが、ディズニーが10年の歳月と2500万ドルの製作費をかけてつくった大作なのですが…マイナーなことでもわかるとおり、ヒットしていません。私も、以前から「『コルドロン』は面白くない」という評判を聞いていたのですが、実際にあまり面白くなかったです。あくまで個人的な感想ですが。ちょっと盛り上がりにかける気がしました。ターランが光の剣で戦うのはホーンド・キングの部下の下っ端たちだけで、光の剣でホーンド・キングを倒さないどころか、光の剣でホーンド・キングと戦わなかったのは「何故?」と思うほど残念でした。ただ、ターランとヒロインのエロウィー姫のカップルについては、暖かく見守ってあげたい二人だとは思いましたが。…個人的には、ターランとホーンド・キングの激しい戦いを描くか、ターランとエロウィー姫のロマンスをもっと丹念に描くか、どちらかにしてほしかったです。映画自体は必ずしも原作に忠実ではないそうなので、いくらでもやりようがあったと思うのですが。世界観は好きな雰囲気だっただけに、作品の出来が惜しまれます。でも、とりあえずは、『コルドロン』を観たことで、元々好きだった「ミステリーツアー」を以前よりももっと楽しめるかなぁという気がしています。

続いて『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』ですが、コチラはかなり面白かったです。私はたいていのディズニー映画は好きですが、この作品については自分の好みに合わないような気がして、何となく観ないでいました。しかし、去年に続いて今年も、TDLのアトラクション「ホーンテッド・マンション」が、ナイトメアー仕様に変わりました。そういうこともありまして、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』をちゃんと観ておこうと決心した次第です。それで観てみたわけですが、「自分の好みに合わないかもしれないなぁ」という先入観は、見事に打ち砕かれました。とにかく面白かったです。ジャック・スケリントン、サリー、ウーギー・ブーギー、メイヤーなど、どのキャラクターも個性的で、とても楽しい!!ラストもハッピーエンドで良かったです。ジャックを想うサリーが可愛らしいですね。最後にサンタクロースが「ハッピーハロウィン」と言うのも、なかなか素敵でした。こんなに面白いとは、思ってもいませんでした。この映画に熱狂的なファンが少なくないことも、今では納得できます。同じくティム・バートンによる『ジャイアント・ピーチ』(1996年公開)も、まだ観たことがないのですが、この作品にはジャック・スケリントンが海賊役で友情出演しているということで、コチラにも興味が湧いている今日この頃です。ともあれ、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を観たのは大正解でした。

もしよろしければ、ディズニー在籍時代のティム・バートンが関わった、映画『きつねと猟犬』に関する記事「ディズニーの知られざる映画‐『きつねと猟犬』‐」もご覧ください。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005年9月18日 (日)

ディズニーの超大作『ロジャー・ラビット』

__ 皆さんは、東京ディズニーランド(以下、TDLと略称)のテーマランドの一つであるトゥーンタウンの中に、「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」というアトラクションがあるのをご存じでしょうか?ご存じの方は、そのアトラクション「カートゥーンスピン」が、タッチストーン・ピクチャーズ(デイズニー系列の映画会社)による実写+アニメの映画『ロジャー・ラビット』(原題:『Who framed ROGER RABBIT』。1988年公開)を基にしているということまで、ご存じでしょうか?さらに言うと、「カートゥーンスピン」やミッキーの家やミニーの家があるトゥーンタウンそのものが、映画『ロジャー・ラビット』を基にした設定だということを、皆さんはご存じでしょうか?案外、知らない方も多いのではないかと思います。以下、そのことについて、もう少し詳しくお話しましょう。ちなみに、左の写真はTDLで会えるロジャー・ラビット

私は以前、「ディズニーの知られざる映画~『きつねと猟犬』~」という記事で、1970年代から80年代にかけて、ディズニー映画は低迷の時期を迎えていたということをお話しました。そんなディズニーが、状況打開のために企画した映画が、『ロジャー・ラビット』でした。その企画のすごいところは、ディズニーが生み出した数々のアニメキャラクターと、ディズニー以外の他社のアニメキャラクターを共演させようというものでした。そして、その企画は実際に実現しています。『ロジャー・ラビット』の作品中には、ミッキーマウス、ミニーマウス、ドナルドダック、プルート、グーフィー、ダンボ、バンビ、白雪姫、ティンカー・ベル、三匹のこぶた、ピノキオなどの有名なキャラクターから、クララベル・カウ、ホーレス・ホースカラー、ビッグ・バッド・ウルフ、ブレア・ベア、『ファンタジア』のカバ、『花と木』のキャラなどのマイナーなキャラクターまで、様々なディズニーキャラクターが出演しています。さらに、ディズニー以外のキャラクターも多数出演していて豪華です。バッグス・バニー、ダフィー・ダック、ポーキー・ピッグ、トゥイーティー、ベティ・ブープ、ウッディ・ウッドペッカーなど、錚々たるメンバー。これらの豪華出演陣が、どこにどのように出てくるか、それを探すだけでも、『ロジャー・ラビット』は楽しめます。バッグス・バニーがミッキーマウスを「ボス」(吹き替えでは「大将」)と呼ぶシーン、ドナルドダックとダフィー・ダックがピアノで競うシーンなどが印象的です。

200509182320000  映画の舞台は、1947年のハリウッド。この『ロジャー・ラビット』の世界では、人間とアニメキャラが共存しており、アニメキャラたちは映画俳優ということになっています。ロジャー・ラビットは、ハリウッドの映画スターという設定です。ロジャーを初め、ミッキーマウスやバッグス・バニーも映画俳優ということで、アニメキャラはみんな、トゥーンタウン(吹き替えでは「アニメタウン」になっている)というところに住んでいます。この設定が、TDLのトゥーンタウンの基になりました。また、舞台が1947年なので、一部の例外(『メリー・ポピンズ』のペンギンウェイターなど)を除いては、1947年以降の映画のキャラクターは、この映画には基本的に登場しません。TDLの「カートゥーンスピン」に出てくる妖艶な女性であるジェシカ・ラビット(写真右)は、ロジャーの妻。また、ベビー・ハーマンは、ロジャーの俳優仲間です。ストーリーは、ハリウッドの人気スターであるロジャーが殺人の濡れ衣を着せられ、その事件を解決するために探偵のエディ・バリアントが活躍するというものです。悪役のドゥーム判事が使う「ディップ」は、アニメキャラをこの世から消し去ってしまう薬品で、これはTDLのアトラクションにも出てきます。200509182225000

ミッキーマウスやバッグスバニーが共演していることだけでもすごいことですが、この『ロジャー・ラビット』という映画は、スティーブン・スピルバーグ提供、ロバート・ゼメキス監督作品であり、アカデミー編集賞・音響効果賞・視覚効果賞・特別賞を受賞した、まさに超大作なのです。

この映画を観た後にTDLの「カートゥーンスピン」に乗ると、映画を観る前の数倍も、感慨深さが得られます。実写とアニメの合成がCGを使っていないのにものすごくて、それだけでも観る価値ありです。オススメの映画です。ただ、ストーリーはどちらかというと大人向けな気がします。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005年9月16日 (金)

『幕末維新の個性』全10巻(4巻までの各著者の紹介)

現在、歴史関連の書籍を専門に出版している出版社・吉川弘文館から、『幕末維新の個性』という全10巻のシリーズが刊行されています。今月、その4冊目にあたる、落合弘樹『西郷隆盛と士族』が発売されました。以下が、その全10巻のラインナップです。5冊目の『井伊直弼』以降は、今後の発売予定となっています。4ヵ月ごとに一冊刊行される予定だそうなので、『井伊直弼』が出るのは来年1月です。

家近良樹『徳川慶喜』

高木不二『横井小楠と松平春嶽』

笠原英彦『大久保利通』

落合弘樹『西郷隆盛と士族』 

母利美和『井伊直弼』

青山忠正『高杉晋作と奇兵隊』 

佐々木克『岩倉具視』 

松尾正人『木戸孝允』

羽賀祥二『坂本龍馬と土佐の群像』 

三谷博『橋本左内』

このシリーズの著者たちは、歴史学の世界で活躍している、主に中堅の学者の方々なのですが、このシリーズ以外には、一体どんな業績があるのか、歴史学に詳しくない方はご存じないでしょう。どうせなら、それなりにしっかりした研究を行っている学者の本の方が、読む気も起きるかと思います。そこで、それぞれの著者が、今までどんな研究を行ってきたのか、『徳川慶喜』の著者・家近良樹氏から、今月刊行された『西郷隆盛と士族』の著者・落合弘樹氏までを、簡単に紹介したいと思います

まず、『徳川慶喜』の著者・家近良樹氏は、その他の著書に、『幕末政治と倒幕運動』(吉川弘文館、1995年)という研究書があります。
そして、一般向けの著書に、
『浦上キリシタン流配事件』(吉川弘文館、1998年)

『孝明天皇と「一会桑」』(文春新書、2002年)

『その後の慶喜』(講談社選書メチエ、2005年)
があります。『その後の慶喜』は、『徳川慶喜』では描けなかった明治以後の慶喜について書いた本です。
また、編著に、論文集の『幕末維新論集3 幕政改革』(吉川弘文館、2001年)と、史料の『稽徴録 : 京都守護職時代の会津藩史料』(思文閣出版、1999年)があります。
そして、論文には
「幕末史再考」(徳永光俊・本多三郎編『経済史再考』大阪経済大学日本経済史研究所、2003年)

「長州藩の天保期の改革について」(『経済史研究』7号、2003年)
などがあります。
家近氏は特に、幕末政治史上の会津藩の動向について詳しく研究されていて、『幕末政治と倒幕運動』はその最たるものです。現在は大阪経済大学の助教授です。

『横井小楠と松平春嶽』の著者は、高木不二氏。高木氏は、大妻女子大学短期大学部教授ですが、単独で出された著書は、今回の『横井小楠と松平春嶽』が初めてです。元々、横井小楠や松平春嶽、越前藩を中心に研究を行ってきた方で、それらの業績が、『横井小楠と松平春嶽』にも活かされています。
主な論文には、以下のものがあります。
「横井小楠における政権構想の展開」(『史学』49‐4、1980年)
「嘉永・安政期の幕藩関係と越前藩」(明治維新史学会編『幕藩権力と明治維新』吉川弘文館、1992年)

「越前藩の横井小楠招聘をめぐる思想史的考察」(『季刊日本思想史』43号、1994年)

「慶応期の越前藩政と中央政局」(『近代日本研究』16巻、2000年)
「松平春嶽受譴期の越前藩」(三宅紹宣編『幕末維新論集4 幕末の変動と諸藩』吉川弘文館、2001年)

「慶応期薩摩藩における経済・外交路線と国家構想」(明治維新史学会編『明治維新の新視角』高城書房、2001年)

『大久保利通』の著者は、笠原英彦氏です。
笠原氏は、慶応義塾大学法学部の教授で、歴史家と言うよりは、法学の世界の方です。しかし、専攻は日本政治史で、古代から現代まで幅広く研究なさっているため、歴史学の世界にも影響を持つ著作や論文が少なくありません。
笠原氏の主な著書は以下の通りです。
『明治国家と官僚制』(芦書房、1991年)
『天皇親政』(中公新書、1995年)
『日本行政史序説』(芦書房、1998年)
『女帝誕生』(新潮社、2003年)
など。笠原氏の著者は他にもいくつかあります。
そして、主要な論文は以下の通りです。
「律令政治と弾正台」(『法学研究』61‐5、1988年)
「江藤新平と司法省」(『法学研究』64‐1、1991年)
「政体書官制と大久保利通」(『法学研究』74‐4、2001年)
「大久保政権の成立をめぐる一考察」(『法学研究』74-6、2001年)

『西郷隆盛と士族』の著者・落合弘樹氏は、明治大学文学部の助教授です。「士族、旧藩士、明治政府」をキーワードにして、研究をなさっています。
著書には、『明治国家と士族』(吉川弘文館、2001年)という研究書と、『秩禄処分』(中公新書、1999年)という一般向け書籍があります。
主要な論文は以下の通りです。
明治前期の復禄問題と廃禄者授産」(『日本歴史』520号、1991年)
「明治前期の陸軍下士と自由民権」(京都大学『人文学報』74号、1994年)
「西南戦争期における京都府警察」(京都大学『人文学報』83号、2000年) 
「維新後の彦根藩と彦根藩士
」(佐々木克編『幕末維新の彦根藩』サンライズ出版、2001年)
「旧鹿児島藩における協力高問題について 」(『明治維新史学会報』42号、2003年)
「朝鮮修信使と明治政府」(『駿台史学』121号、2004年)
など。

以上、家近良樹氏・高木不二氏・笠原英彦氏・落合弘樹氏の業績を簡単に紹介してきましたが、もしも母利美和氏以降の『幕末維新の個性』執筆者の業績についても知りたい方がおられましたら、いずれご紹介したいと思います。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2005年9月15日 (木)

『ジャングル・ブック2』のDVD発売決定を祝す記事

__09  2003年にアメリカで劇場公開されたディズニー映画『ジャングル・ブック2』(日本未公開)のDVDとビデオが、2005年12月21日に発売されることになりました『ジャングル・ブック2』は、1967年に公開されたディズニー映画『ジャングル・ブック』の続編です。『ジャングル・ブック』は、1966年に他界したウォルト・ディズニーの遺作でもあります。ちなみに左の写真は、TDL(東京ディズニーランド)で開催中の「ドリームス・オン・パレード」に出演中の、『ジャングル・ブック』登場キャラクターのバルー(写真左)とキング・ルイ(写真右)です。

『ジャングル・ブック2』は、続編作品とは言え、本国アメリカでは劇場公開された作品です。しかし、日本では未公開でした。日本で未公開というのは、ディズニー映画には珍しいことではなく、最近だけでも、『ピグレット・ムービー』(2003年)、『ホーム・オン・ザ・レンジ』(2004年)、『くまのプーさん ザ・ムービー/はじめまして、ランピー!』(2005年)などが、アメリカでは劇場公開されているにもかかわらず、日本では劇場公開されていません。しかし、これらの作品は日本でもDVDやビデオが発売されているからまだマシな方で、なかには劇場公開もされず、DVDやビデオでも発売されない作品もあります(例えば、1949年のオムニバス映画『イカボードとトード氏』の中の『トード氏』)。

私はディズニー映画が好きではありますが、すべてのディズニー映画を面白いとは思っていません。中には、個人的に面白くないと思うものも少なくありません。あまり面白そうじゃないからという理由で、まだ観ていない作品もあります(例えば、2001年公開の『アトランティス 失われた帝国』など)。しかし、なるべく多くのディズニー作品を観てみたいと思っているのも確かです。面白くなさそうだなぁと感じている作品でも、観たら意外に面白かったということは、誰にでもある経験でしょう。なので、一ディズニー映画ファンとしては、あらゆるディズニー映画を日本でも劇場公開し、ちゃんとDVD化してもらえるのが理想です。そうすれば、いつでも観られますから。それなのに、観たくても観られない作品が多い現状が、何とも歯がゆいところです。

前作『ジャングル・ブック』で、主役のモーグリを催眠術で食べようとしていたヘビのカーの吹き替えを担当した声優さんは、八代駿氏という方ですが、この方は『ジャングル・ブック2』でもカーの吹き替えを担当してくれています。しかし、八代氏は2003年6月、脳梗塞で亡くなっています。つまり、『ジャングル・ブック2』吹き替え版の収録はそれ以前にされていたということです。にもかかわらず、今まで劇場公開もされず、DVDでも発売されていなかったというのが残念でなりません。一体何の理由があって、今まで発売されなかったのでしょうか?当初の予定では、昨年の夏に発売される予定だったそうなのですが。

余談ながら、八代駿氏は、くまのプーさんの吹き替えで有名です。つまり、カーとプーさんの声優さんは同じ人です。英語版でも、プーさんとカーの声優さんは同じ人だそうです。このことは私も最近知ったばかりなのですが、カーのことを知っている方には、結構面白い事実なのではないでしょうか。

前作『ジャングル・ブック』では、インドのジャングルで育った人間の子供・モーグリが、保護者役の黒ヒョウ・バギーラと、友達のクマ・バルーの奮闘によって、モーグリを狙うトラのシア・カーンの襲撃からも逃れ、人間の村に行く物語が展開されます。続編の『ジャングル・ブック2』では、人間の村に住むことになったもののジャングルの生活を恋しく思うモーグリの、心の葛藤を描いているそうです。そして、友達のモーグリのことを忘れられないバルーが大活躍するとか。

ともあれ、ジャングル・ブック2』の内容の是非はともかく、日本でもようやく観られるようになったことを素直に喜びたいと思います。こうして、今まで日本では観ることのできなかったディズニー作品が、一つでも多く観られるようになることが、私は嬉しくてたまりません。急遽、発売延期になったりしないことを祈るばかりです。

__02__01 左の写真は、冒頭でも紹介しましたが、前作で活躍したキング・ルイ。右は、キング・ルイの手下のモンキーです。彼らには、TDL(東京ディズニーランド)のアドベンチャーランドで会うことができます。モンキーは三匹出現します。アドベンチャーランドにはバルーも出没します。キング・ルイは、冒頭で紹介した「ドリームス・オン・パレード」と、トゥモローランドのショーベースで開催中の「ワンマンズ・ドリームⅡ」にも出演中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

芳即正『坂本龍馬と薩長同盟』

『歴史読本』1996年11月号に、一坂太郎「薩長同盟の新事実」という論稿が掲載されました。当時の一坂氏は下関市東行記念館の学芸員でした。一坂氏は現在までに、『高杉晋作』(文春新書、2002年)などの著書を出し、また『高杉晋作史料』全3巻(マツノ書店、2002年)などを編纂するなど、高杉晋作研究者として知られています。その一坂氏が、『歴史読本』に載せた論稿で、薩長同盟締結の席に坂本龍馬はいなかったとする、重大な説を発表したのです。この論稿はのちに改訂されて、新人物往来社編『共同研究・坂本龍馬』(新人物往来社、1997年)にも収録されました。

一坂氏の説はNHKでも紹介されるなど、方々に広まりました。当時、一坂氏の説を信じる人も少なくなかったようです。しかし、一坂氏の論稿を読んだ歴史学者たちは、一坂氏に猛烈に反論しました。その先駆となったのが、鹿児島在住の歴史家・芳即正(かんばしのりまさ)氏です。芳氏は著書に、『島津重豪』(吉川弘文館、1980年)、『調所広郷』(吉川弘文館、1987年)、『島津斉彬』(吉川弘文館、1993年)、『島津久光と明治維新』(新人物往来社、2002年)などがある、いわば薩摩藩研究のエキスパートです。その芳氏は、方々の雑誌に執筆した論稿を一冊の本にまとめて、出版しました。それが、『坂本龍馬と薩長同盟』(高城書房、1998年)です。

『坂本龍馬と薩長同盟』という本は、三部構成になっており、第一部が一坂氏に反論するための「坂本龍馬と薩長同盟」。当然、この第一部がメインなので、後で詳しく述べます。139ページから始まる第二部が「通説いろいろ異論あり」と題され、十三代将軍・徳川家定の正室になった天璋院(島津斉彬の養女)や、調所広郷、鹿児島新聞創刊日などの通説に疑問を述べる構成になっています。そして、第三部は213~239ページの「薩長対立と西郷登場」となっています。

では、メインの第一部ですが、この章で芳氏は、薩長同盟締結前後の在京薩摩藩士たちの実際の行動や行動方針を徹底的に分析し、坂本龍馬上京前の段階で薩長同盟が締結されたはずはないという結論を、きわめて実証的に導き出します。ちなみに、通説では坂本龍馬の上京が慶応2(1866)年1月20日(これは諸記録から考えて、確実な事実)。同盟締結は、龍馬上京後の21日もしくは22日とされています(こちらに若干の議論あり)。一坂氏の説は、龍馬上京前の18日にすでに薩長同盟が成立していたというものでした。しかし、芳氏は一坂氏よりも具体的な根拠を次々に提示して、一坂氏の説を論破しました。さらに、この章では、薩長同盟の同盟としての性格の分析、同盟成立に果たした龍馬の役割・評価など、のちの研究にも影響を与えた提言をいくつか行っています。

芳氏の詳しい考証過程については、是非とも『坂本龍馬と薩長同盟』を読んでいただきたいと思います。芳氏のこの本は、現在でも色々な研究で参照されたり、引用されたりするほど、内容の確かなものです。この本を参照したり引用している研究としては、佐々木克『幕末政治と薩摩藩』(吉川弘文館、2004年)高木不二『横井小楠と松平春嶽』(吉川弘文館、2005年)などがあります。

なお、芳氏のほかにも、一坂氏の説に反論した歴史家が何人かいます。その一人が松浦玲氏で、詳しくは『検証・龍馬伝説』(論創社、2001年)をご覧ください。また、三宅紹宣氏は論文「薩長盟約の歴史的意義」(『日本歴史』647号、2002年)で、薩長同盟締結の席に坂本龍馬がいたことを史料を基に確認しています。現在の歴史学の世界では、一坂氏の説は却下されていると考えて問題ない状況です。

なお、現在の歴史学の世界では、「薩長同盟」のことを「薩長盟約」と呼ぶ学者が増えてきています。詳しくはコチラの記事をご覧ください。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005年9月14日 (水)

ディズニーのマイナーキャラ紹介~ファウルフェローとギデオン~

__ ディズニーキャラクターというのはたくさんいるため、TDL(東京ディズニーランド)のパレードに出てくるキャラクターの名前をすべて知っていたりしたら、それだけで世間からはディズニーマニアと呼ばれてしまうことでしょう。いわば、私の記事を読んでくださっている方は、ディズニーマニアへの道を邁進していると言っても過言ではありません。ともかく、そんなことは気にせず、以下を読んでください。

皆さんは、左上の写真のキャラクターの名前を知っていますか?1940年公開のディズニー映画『ピノキオ』に登場した悪いキツネの、J・ワシントン・ファウルフェローです。別名として、オネスト・ジョンとか正直ジョンとか言いますが、普通は単にファウルフェローと呼びます。彼はTDLのエントランスやファンタジーランド、TDS(東京ディズニーシー)のメディテレニアンハーバーによく現れます。背が高く、なかなかカッコイイため、彼の名前を知らなくても、彼と一緒に写真を撮りたがる人が結構います。TDLやTDSに出てくる彼は紳士ですが、映画の中ではピノキオを悪の道に誘おうとした悪い奴です。ただ、ディズニー映画にありがちな悪の魔法使いとか、それほどの凄い奴ではありません。ましてや、「すべての悪の支配者」(『眠れる森の美女』に出てくる魔女・マレフィセントの名台詞)ではありません。

__ そして、右の写真に写っているのが、ファウルフェローの子分ギデオン。ネコです。ちょっと理解力が足りないタイプのようで、ファウルフェローを時折イライラさせます。また、映画の中では言葉を喋りません。喋れないのか、彼なりのポリシーがあって敢えて喋らないのかは不明です。言葉を発しないため、ファウルフェローの命令には、ニコニコして大きく頷いて行動します。頷いたからと言って、理解しているとは限らないのですが。でも、そんなギデオンの仕草が愛らしいのも事実です。TDLのグリーティングには親分のファウルフェローや、映画の共演者であるピノキオやジミニー・クリケットやゼペットさんと一緒に出てくることが多いのですが、彼だけで出てきているのを見たこともあります。ディズニーの短編映画には時折、ギデオンにソックリな顔の猫が出てきます(例えば、1946年公開の『子猫のフィガロ』など)。

二人は、フック船長とかジャファーとかアースラとかマレフィセントとかと比べると格が落ちる印象がありますが、紛れもなくディズニー・ヴィランズ(悪役)の一員です。でも、TDLやTDSでは、ピノキオたちと、結構仲良くしています。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005年9月13日 (火)

東京ディズニーランドのエントランス係→ロビン・フッドと仲間たち

東京ディズニーランドに行くと、ミッキーマウスやドナルドダック、白雪姫やピーター・パンを始めとして、バズ・ライトイヤーやスティッチまで、実に様々なキャラクターに出会うことができます。その中でも、エントランスでのグリーティングにしか現れないキャラクターたちがいます。しかも、そのキャラクターたちは、エントランスには必ずと言っていいほど現れる日が多いので、見たことのある方も少なくないかと思います。しかし、彼らはマイナーなため、ゲストに囲まれるミッキーやドナルドを尻目に、ゲストに見向きもされず暇そうにしていることもしばしばです。

彼らは、1973年公開のディズニー映画『ロビン・フッド』に登場したキャラクターなのです。この映画の特徴は、出演者がすべて擬人化された動物だということ。しかし、映画自体がディズニー映画の中ではマイナーなので、主役のロビン・フッドでさえ知名度が低いのが現状かと思います。でも、彼らは日々、東京ディズニーランドのエントランスで、訪れるゲストの皆さんを暖かく迎えてくれます。そんな彼らのことを、少し紹介してみたいと思います。ちなみに、私は『ロビン・フッド』のキャラクターたちを、東京ディズニーランドのエントランスでしか会えない、しかし頻繁に現れるという理由から、愛着を込めて「エントランス係」と呼んでいます

__ まずは「エントランス係」の第一号。左の写真に写っている彼が、映画『ロビン・フッド』の主役である、ロビン・フッドです。彼は見ての通り(?)キツネで、弓の達人で、変装の名人です。相棒のリトル・ジョンと一緒にシャーウッドの森に住んでいて、イギリス国民に重税を課すプリンス・ジョンと戦いました。最後には、プリンス・ジョンの圧政から人々を解放することに成功しました。そして、国王であるリチャード王(プリンス・ジョンの兄)の姪であり、ロビンの幼なじみでもあるマリアン姫と結婚したのです。ちなみに、リチャード王と弟のプリンス・ジョンはライオンで、姪のマリアン姫がキツネなのは、あまり追及してはいけません

__10 続いて、「エントランス係」の第二号。左の写真に写っているのが、タック神父です。慈悲深いアナグマの神父さんで、人々を苦しめるプリンス・ジョンや、その配下のノッティンガムのシェリフに反抗し、ロビン・フッドとリトル・ジョンに協力しました。慈悲深く優しい神父さんなのですが、プリンス・ジョンやシェリフの悪行・横暴には、憤激して暴れるような一面も持ち合わせています。でも、それは罪のない人々のための行動であって、彼はとても優しい性格なのです。写真からも、彼の優しい性格が伝わってくるかと思います。先日、私がTDL(東京ディズニーランド)に行ったときには、ロビン・フッドを伴わずに現れて、ミッキーが彼に拝んでいました。永遠の恋人であるミッキーマウスとミニーマウスが、もしも結婚するならば、タック神父の教会で式を挙げるに違いないと私は睨んでいます。

__09 続いて、「エントランス係」の第三号。左の写真の彼が、ロビン・フッドと戦ったプリンス・ジョンです。側近にサー・ヒスというヘビがいて、癖は指しゃぶり。兄であるリチャード王が遠征で他国に出かけているときに国王代理として国を治め、圧政を敷き、国民に重税を課して、人々を苦しめました。税金を払えない者は次々と投獄するなど、とても悪い奴です。ディズニーランドで彼に会ったとき、「悪いことはしないで」と諌めたのですが、どうやら改心する気はなさそうでした。でも、ディズニーランドにいるときの彼は基本的に優しいので、投獄されたりはしません。安心してください。恐らく彼の名前を知らないと思われる人が、子供に、「ライオンの王様だよ~」と教えていました。でも、彼は実際には王様ではなくて、王様代理です。しかし本当の王様になりたがっているのは事実であることからして、彼は「王様」と呼ばれて満足だったことでしょう。

「エントランス係」の第四号が、ノッティンガムのシェリフです。残念ながら私の手元に彼の写真がないため、彼については文章だ