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2005年8月28日 (日)

ニセモノにご注意~幕末の志士の集合写真~

坂本龍馬や西郷隆盛、大久保利通に中岡慎太郎、大隈重信や江藤新平、陸奥宗光に伊藤博文などの、幕末維新史上の錚々たる志士たちが一緒に写っている写真があると言われたら、幕末好きの方ならどう思うでしょうか。ぜひ見てみたいと思うのではないでしょうか。実は、そのように言われている写真があるのです。結論から言えば、その写真はニセモノなのですが、とりあえずは、コチラの写真です。

この写真は、日本史の学術雑誌にも紹介されたことがあります(島田隆資「維新史上解明されていない群像写真について」『日本歴史』308号、1974年。および、島田隆資「維新史上解明されていない群像写真について 2」『日本歴史』332号、1976年)

しかし、最初に挙げた人物たちが一堂に会することは、実際にはなかったと断言しても差し支えありません。時間的に無理なのです。私も大学の卒業論文で幕末史を扱ったので、龍馬や西郷、中岡などの動きを詳しく追ったのですが、この写真を撮れるであろう時期はないと思います。一堂に会することができないのであれば、撮影することもできません。だから、この写真は龍馬や西郷たちではなく、ほかの何かを写したもの。

実際は、幕末から明治にかけて長崎に来ていた、フルベッキとその教え子たちを、明治になってから撮影したものです。龍馬や西郷は関係ありません。ただし、大隈重信はフルベッキの教え子であり、この写真が撮影されたと推定される明治元年末に長崎にいたので、写ることが可能だったようです。詳しくは、歴史家・松浦玲氏(元・桃山学院大学教授)の著書『横井小楠』増補版(朝日選書、2000年)の355~357ページをご覧ください。また、私は未見なのですが、松浦玲監修・村瀬寿代訳編『日本のフルベッキ』(洋学堂書店、2003年)という本でも、松浦玲氏と、松浦氏の教え子でフルベッキの研究者・村瀬寿代氏が、この写真について詳しく検討しているようです。ちなみに、村瀬氏には、「フルベッキの背景」(『桃山学院大学キリスト教論集』39、2003年)などの論文があります。

問題は、この写真を本物だと信じている人もいるらしいことです。この写真は時折、ネットオークションなどで高値で売られていることがあるらしく、本物だと信じて買ってしまう人もいるようなのです。坂本龍馬の定宿として知られている、伏見の寺○屋に、私が数年前に行ったときにも、この写真が本物として飾られていて、驚きました。龍馬の定宿にこの写真が飾られていたら、歴史に詳しくない観光客の方は本物だと信じてしまうのではないでしょうか。ニセモノにご注意。

コチラのブログ(教育の原点を考える)で、この写真を詳しく検討されています。

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コメント

ブログ【教育の原点を考える】を管理しているサムライと申します。

ブログ操作に未だに不慣れなため、先ほど間違ってパルティアホースカラーさんからのトラックバックを削除してしまいました。申し訳ありません。再びトラックバックしていただければ幸いです。宜しくお願い致します。


サムライ拝

投稿 サムライ | 2005年8月29日 (月) 04時30分

コメントをいただいて、またトラックバックもしていただいて、どうもありがとうございます。
フルベッキの写真についての考察、興味深く読ませていただきました。
また是非、いらしてください。

投稿 パルティアホースカラー | 2005年8月29日 (月) 21時35分

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