2008年5月12日 (月)

ディズニーランドの「日本人の余暇行動」への挑戦

中藤保則氏による「遊園地の起源と日本人の余暇行動」という論文が、1994年発行の『信州短大研究紀要』第6巻第1号に掲載されていて、コチラのページからPDFで閲覧できます。国立情報学研究所のCiNii論文情報ナビゲータを経たリンクです。クリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。

その論文で、ディズニーランドがテーマパークの嚆矢だと指摘されつつ、「テーマパーク」が次のように定義付けされています。

ひとつ、あるいは複数のテーマを掲げ、そのテーマに沿って、空間、もしくはその空間を構成するものを徹底的に造り上げた娯楽施設

東京ディズニーランドが1983年に開園した際、酒の持ち込み・販売、弁当の持ち込みを禁止したことがだいぶ話題になったと言います。これについて上記論文は、「テーマに沿った徹底的な演出というテーマパークの基本概念からすれば当然のこと」と述べつつも、一方で「日本人の余暇行動に対する挑戦の意味もあった」と指摘しています。上記論文の著者・中藤氏はその「日本人の余暇行動」について、詳しく分析しています。

中藤氏は、日本の遊園地(テーマパークではない)の起源を浅草の花屋敷とした上で、その創始者が植木屋であるという点を特筆します。花屋敷は日本人の「物見遊山」の対象となっていきますが、花屋敷ができる前の「物見遊山」の主たる対象が花見だったそうです。

花屋敷の創始者が植木屋で、その当時の日本で園芸文化が盛んだったということが、花見を好む「物見遊山」とも関連して、その後の日本の遊園地の発展にも影響を与えたそうです。人工的な施設であるはずの遊園地が、自然に寄り添う形で発展していったとのこと。花見の名所が遊園地になった例もあるとのこと。

そして、花見に弁当はつきもの。中藤氏によれば、「花見に限らず日本人の余暇行動の多くに弁当はつきものであり、しかも、弁当をつくること、どんな弁当にするか考えること自体が楽しみであり、余暇行動の導入部ともなってい」て、しかも「日本ほど弁当の種類が豊富な国は他に例を見ない」のだそうです。

それゆえ、中藤氏は弁当持ち込みを禁止した東京ディズニーランドについて、日本人の余暇行動への挑戦と捉えたわけです。しかし、その挑戦は多くの日本人に受容されたようで、東京ディズニーランドは今年25周年です。

中藤氏の論文「遊園地の起源と日本人の余暇行動」の内容をもっと詳しく知りたい方は、コチラをクリックしてください。国立情報学研究所のCiNii論文情報ナビゲータが提供しているPDFが開きます。

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2008年5月 8日 (木)

『ウルトラマン プレミアステージ2』の感想

GWは名古屋に行ってきました。目的はいくつかありますが、主たる目的は5/2~5/6に中日劇場で開催されていた、『ウルトラマンプレミアステージ2』という舞台を鑑賞すること。この舞台は昨年開催して好評を博した『ウルトラマンプレミアステージ』の第2弾。この舞台の何が凄いって、通常のヒーローショーではなかなか観ることができない、変身前の俳優さんも多数出演しての本格的な舞台だということ。

例えば今年は、初代ウルトラマンのハヤタ・シンを演じる黒部進さん、ウルトラセブンのモロボシ・ダンを演じる森次晃嗣さん、ウルトラマンガイアの高山我夢を演じる吉岡毅志さん、ウルトラマンコスモスの春野ムサシを演じる杉浦太陽さんが出演しました。

それだけでも錚々たる顔ぶれですが、さらに『ウルトラマンメビウス』でGUYSのコノミ隊員を演じた平田弥里さんも出演しました。さらにさらに、ウルトラマンメビウスの声は五十嵐隼士さん、ウルトラマンヒカリの声は仁科克基さん、ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)の声は団次朗さん、ウルトラマンエースの声は高峰圭二さんという豪華な面子が演じてくれているので、非常に楽しめます。

私は元々、俳優の皆さんが出演しない、純粋に着ぐるみキャラクターのみによるヒーローショーも好きな人間ですから(ヒーローのかっこいいアクションは見ていて楽しいのです)、35人のウルトラマンが総登場し(カーテンコールにしか出てこないウルトラマンもいますが)、変身前の役者さんも出演される舞台とあっては、興奮しないはずがありません。

何と、3回も観てしまいました。どの回もA席で鑑賞したのですが、1回鑑賞するのに5,000円必要なので、1万5千円の出費ということになります。名古屋への往復の新幹線代とホテル宿泊代をそれに足せば、多分5万円近くになると思うので、私はこのGWにウルトラマンのために5万円近く使ってしまった男ということになります。

ともあれ、『ウルトラマンプレミアステージ2』の内容を紹介しつつ、感想を述べていきましょう。舞台は第1部と第2部に分かれておりまして、第1部は『ウルトラエンターテイメントショー』と題された、歌と抽選会。黒部進さんや沢山のウルトラマンが登場するのは、第2部のライブステージです(一応、第1部にもウルトラマンタロウやコスモスほか、何人かのウルトラヒーローが登場しましたが)。

以下、第2部について紹介していきたいと思います。記憶が曖昧な部分がありますが、憶えている範囲で。

第2部の幕が開いた冒頭、まずはいきなりウルトラ兄弟と悪の宇宙人軍団の激闘!!ウルトラ兄弟の面子は、ゾフィーからタロウまでの6兄弟(初代ウルトラマンとセブンは少し遅れて登場)とメビウス。宇宙人軍団の代表格は、バルタン星人、キリエロイド、アパテー、ギギ、ザムシャーといった、こちらも錚々たる顔ぶれ(今回の舞台ではザムシャーは、最後まで悪の宇宙人としての役回りでした)。

激闘のさ中、暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人が遺した闇の鎧・アーマードダークネスが出現!!アーマードダークネスの攻撃に、ウルトラ兄弟は次々と倒れていきます。宇宙人軍団の目的は、主のエンペラ星人を失って彷徨っているアーマードダークネスを自分達でコントロールし、宇宙を憎しみで支配する事でした。激闘の中、何故かアーマードダークネスの力を求め、さらに何故かウルトラマンメビウスを憎んでいる宇宙人の少年・ニコの存在が明らかになります。

バルタン星人ら宇宙人軍団は、メビウスを憎むニコの心を利用して、アーマードダークネスの力を我が物にしようとしていました。そしてさらに、宇宙人軍団は、”命の星”と呼ばれる惑星フロスの生命エネルギー”フロスエナジー”をも我が物にしようとしていました。フロスエナジーの力を浴びた者は、強大な力を手に入れることができるという伝説があったのです。かつて、その力をめぐって醜い争いが起き、2人の勇者がフロスエナジーの力を”命の谷”に封印したとのこと。宇宙人軍団はアーマードダークネスとフロスエナジーの力で、宇宙を闇で包もうとしています。

宇宙人軍団の陰謀を知ったウルトラマンとウルトラセブンは、地球を訪れます。客席に現われるハヤタ、そしてダン!!会場が割れんばかりの歓声と拍手に包まれます。彼らが地球を訪れたのは、地球にいる2人のウルトラマン―ガイアとコスモスに協力を求めるためでした。舞台上に登場する、我夢(ガイア)とムサシ(コスモス)。またも大きな拍手が起こり、ハヤタ、ダン、我夢、ムサシという、昭和と平成の4大ヒーローが舞台上に集結しました。それだけでも5,000円払った価値があると思えるぐらいの、感慨深い光景が、自分の目の前に展開されていました。

コスモスはその慈愛の心で、何故かメビウスを憎んでいるニコの心を救うことを頼まれ、ガイアはフロスエナジーの封印を解く力を持つヴィオラ姫(演じるのはグラビアアイドルの小田あさ美さん)を守ることを頼まれたのでした。「生まれた星は違っても、僕らは同じウルトラ戦士」(我夢のセリフ。ウルトラマンの良さを単刀直入に語った感動的なセリフだと思います)という絆で結ばれた昭和と平成の4大ヒーローが、宇宙の平和を守るため行動を開始しました。

同じ頃、GUYSのアイハラ・リュウ隊長が、宇宙で消息を絶っていました。コノミ隊員が、リュウ隊長が訪れていたGUYSスペーシーの基地に着くと、基地は壊滅状態。そこには、GUYSスペーシーの生き残りの隊員、タケルとユウキがいました。タケルとユウキは謎のコントでコノミに状況を伝え、コノミはそれを奇跡的に理解(タケルとユウキは自分達のコントの意味が通じたことに大喜び)。コノミ隊員の解説によると、どうやらGUYSスペーシーの基地が宇宙人たちの襲撃を受け、リュウは宇宙人たちを追って出撃していったとのこと。と、そこにやってきたモロボシ・ダン!!

コノミ隊員はダンに会ったことがあるものの、タケルとユウキはダンと初対面。そこで、彼らとダンの間に、以下のようなやり取りが展開されます。

タケルもしくはユウキ「あんた誰?キムタク?」
タケルもしくはユウキ「馬鹿、違うよ、ブラッドピット」
ダン「よく言われる!!」(ここで観客が大爆笑)

この後、ダンが壊れて、タケル&ユウキと共に踊りながら、「ラーメン、つけめん、僕イケメン、宇宙のイケメン、ウルトラセブン!!」と叫び、さらにそれを何度も続けるので、会場が大爆笑。ウルトラセブンの渋いイメージが一変した瞬間でした。

我に返ったダンは、コノミ隊員たちにアーマードダークネスの脅威を語ります。と、そこにGUYSスペーシーの基地を襲撃した宇宙人(ギギやヒッポリト星人など)が戻ってきました。自分がここを食い止めると言って、コノミ隊員に惑星フロスに行くよう促すダン。そして、ダンが懐から取り出したものこそ、言わずと知れたウルトラアイ!!ダンが「デュワ!!」と叫んでウルトラアイを顔につけると、舞台が暗転し、ウルトラセブンが登場!!会場中から沸き起こる大声援。セブンと宇宙人軍団の激闘が展開しながら、場面が変わります。

ところ変わって、メビウスを憎むニコ。ニコは彼の憎しみの心を狙う宇宙人軍団に唆されて、アーマードダークネスにその身を捧げようとしています。メビウスが駆けつけますが、ニコはメビウスに対して心を開きません。それどころか、敵の数は多く、メビウス大ピンチ!!そこに駆けつけたのは、我らがウルトラマンコスモス!!コスモスが現われたことで撤退する宇宙人軍団。コスモスはムサシの姿に戻り、メビウスと協力してニコの心を救おうということになりました。

一方、フロスエナジーの封印を解けるヴィオラ姫のいる惑星カオスでは、善良な怪獣たちが楽しく踊っていました(怪獣たちが非常に可愛らしい)。そこにやってきたのは、ウルトラマンガイアこと高山我夢。ヴィオラ姫は我夢の訪問を受け、宇宙を闇に包もうとする宇宙人軍団の陰謀を挫くため、自分が惑星フロスに旅立つことを決意します。そしてヴィオラ姫を守り抜くことを誓う我夢(ガイア)。

ニコもフロスエナジーの力を求めて、惑星フロスを目指していました。その道中でニコは、昨年のプレミアステージにも登場した、ファントン星人の子供であるフォンタと知り合い、お母さんの思い出を語ります。ニコが大好きだったお母さんは、何とウルトラマンメビウスに殺されたというのです。そこに現われたムサシは、「メビウスは間違ってもそんなことをしない」と説得しますが、ニコは聞く耳を持ちません。

と、そこへ現われるバルタン星人たち!!宇宙人軍団は、あくまでニコを利用するつもりです。そこへ駆けつけるハヤタ。ハヤタはバルタンとの戦いを引き受け、ムサシとニコに先に惑星フロスに行くよう促します。怪獣たちを前にして、ベーターカプセルを掲げるハヤタ……と思ったら、ハヤタの右手には何と、しゃもじ!!当然変身できるはずもなく、場内大爆笑。さらに、バルタンがしゃもじの解説を淡々と語り、さらに爆笑。ようやく本物のベーターカプセルを取り出して、ハヤタがウルトラマンに変身!!感動!!しばしウルトラマンと怪獣たちの激闘が展開された後、またも場面が変わります。

ところ変わって惑星フロス。舞台上にウルトラマンナイスとウルトラマンゼアスのコンビが登場し、会場を爆笑の渦に巻き込みます。そこへGUYSスペーシーのお笑いコンビがやってきて、ナイス&ゼアスに対抗。コノミ隊員も駆けつけて、ナイス&ゼアスとの再会を祝しているところに、我夢とヴィオラ姫もやってきます。ヴィオラ姫の部下であるザックスが、騒いでいるナイス&ゼアスとGUYSスペーシー2名を見て、「姫、何やら怪しい一団が!!」と言っていたのが地味に面白かったです。

そこにヴィオラ姫を狙うザムシャーたちが現われ、ザックスは姫をかばって倒されてしまいます。怒った我夢は、コノミやナイス&ゼアスに惑星フロスへ急ぐよう促し、「ガイアーーーー!!」と叫んで変身!!これも大感動!!

惑星フロスでは、ヴィオラ姫やコノミと、ニコが出会います。そこに駆けつけたメビウスと、コノミ隊員が再会。この場面は記憶が結構曖昧なのですが、駆けつけたムサシが宇宙人軍団に対して、「コスモ~ス!!」と叫んで感動の変身。そこに救援に駆けつけたのは、我らがウルトラマンとセブンですが、彼らこそフロスエナジーを封印した伝説の勇者!!最初からウルトラマンとセブンが狙いだった宇宙人軍団の罠にはまって、ウルトラマンとセブンは敵に捕らえられてしまいます。その後、我夢とムサシの前にウルトラの父と母も登場。

そして、メビウスを憎むニコは、ついにアーマードダークネスの中へ!!ニコを助けるため、メビウスもアーマードダークネスの中へ。その後、ニコの母親を殺したのはメビウスではなく、メビウスに化けたババルウ星人だったことが判明し、ニコの疑いは晴れます。

アーマードダークネスに飛び込んだメビウスとニコ、そして敵に捕まったウルトラマンとセブン、事態を打開するため”命の谷”に飛び込んだコスモスは、会場の人々の声援とフロスエナジーの力によって見事に復活。ゾフィー兄さんを始めとするウルトラ戦士たちも駆け付け、ウルトラ戦士VS宇宙人軍団の最終決戦の火蓋が切って落とされました。

まずはゾフィー、ジャック、エース、タロウ、レオ、80、メビウスたちの戦い。その乱戦が終わると、キリエロイドの前にウルトラマンティガが現われました。闇の力で宇宙を支配しようとするキリエロイドに対し、「TAKE ME HIGHER」をBGMに「人は自分自身の力で希望の光になれる!!」と宣言するティガが、まさにティガでかっこいい!!ティガのかっこよさが存分に表現された登場の仕方だったと思います。

ティガがゼペリオン光線でキリエロイドを倒して舞台裏に消えると、今度はナイスとゼアスが登場。「待って~、あ~行っちゃった~」とつぶやいているのはナイス。ナイスの息子はティガのファン(これは事実)なので、ティガの写真を撮りたかったとのこと。そこへ現われたヒッポリト星人に対して、「しょうがない、君で我慢するか」といった感じで、ナイスとゼアスはヒッポリト星人を翻弄します。翻弄されたあげく、ヒッポリト星人はゼアスのスペシュッシュラ光線とナイスのベリーナイス光線に倒されてしまいました。哀れ、ヒッポリト星人。

そして敵に苦戦するガイアの前には、ウルトラマンアグルが登場!!私が3回観たうちの最後の公演では、ガイアはアグルに対して「藤宮!!」と呼びかけていました。最初の2回は「アグル!!」だったので、恐らく吉岡毅志氏による生のアドリブだったのでしょう。『ウルトラマンガイア』を好きな方ならわかると思いますが、ガイアが「藤宮!!」と喋ったことに大感動!!超興奮!!「ちょうど身体がなまっていたところだ、手を貸してやる」と言うアグルに対し、「素直じゃないところも相変わらずだな」と返すガイア。あ~本物だ、本物のガイアとアグルが今目の前に!!ガイアとアグルらしいやり取りが展開されていて、このシーンは本気で感動&笑いました。

ピンチのコノミ隊員のところには、ウルトラマンヒカリが颯爽と登場!!その声はリュウ隊長!!かっこつけながら、「俺だぜ、コノミ」と言うリュウさん(姿はウルトラマンヒカリ)に笑ってしまいました。分身したバルタンを、ヒカリは鮮やかに倒します。続いてのコスモスの戦いには、やはりウルトラマンジャスティスが加勢。盛り上がります。

しぶとく生き残った宇宙人軍団は、自らの身体をアーマードダークネスに捧げ、アーマードダークネスは完全に覚醒。アーマードダークネスの力によって窮地に陥るウルトラ戦士たち!!舞台上には、ゾフィーからタロウまでの6兄弟と、レオ、80、メビウス、ヒカリ、ティガ、ガイア、アグル、コスモス、ジャスティス、ゼアス、ナイスがいました。17人のウルトラマンが束になってもアーマードダークネスには勝てません。

そこへ届く、ウルトラマンキングの声!!キングの声を聞いたウルトラ戦士たちは、最後の力を振り絞ります。まず、メビウス、ヒカリ(リュウ隊長と合体している)、そしてコノミ隊員の3人が一緒に「メビウ~ス」と叫び、フェニックスブレイブが登場!!フェニックスブレイブの攻撃と、他のウルトラマンたちの合体攻撃によって、ついにアーマードダークネスを倒すことができたのでした。

平和が戻って舞台も終幕。カーテンコールには、本編に登場しなかったウルトラマンたち(例えばウルトラマンマックスやウルトラマンダイナなど)も含めて総勢35人のウルトラマンが登場。ただし、ウルトラマン、セブン、ガイア、コスモスは変身前の俳優さんが出ているので、変身後の姿では出てきません。

カーテンコールでは本編で活躍した役者やヒーローだけでなく、本編で活躍しなかったヒーローたちの姿も見られることが楽しみの1つですが、なかでも出色だったのはウルトラマンジョーニアス!!マイナーなウルトラマンゆえ、舞台の端っこにいたのですが、自らが主役であるかと言わんばかりの猛烈なアピールを、客席に向けてしていました。それがまた、カッコイイの何の。最後、ジョーニアスの印象が強烈すぎて、今回のプレミアステージの良かったところを思い浮かべると、必ずジョーニアスが真っ先に脳裏に浮かぶという恐るべき事態になってしまいました。それぐらい、最後のジョーニアスが素敵でした。来年は、ジョーニアスをメインで活躍させるぐらいの勢いの舞台が観たいです。

『ウルトラマンプレミアステージ2』の内容と感想を書いてきましたが、後半は記憶が曖昧な部分も多く(燃えるシーンのオンパレードで、興奮しすぎて覚えていなかったり)、また書き続けて私自身が力尽きた面もあるので、かなり簡略になってしまいましたが、私の興奮の一端でもお伝えできたのであれば、望外の幸せです。

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2008年5月 6日 (火)

「公武合体」をめぐる朝幕藩関係

『日本の近世18 近代国家への志向』(中央公論社、1994年)には、佐々木克氏の「『公武合体』をめぐる朝幕藩関係」という論文が掲載されています。1980年代以前は明治初年の研究に力を注いでいた佐々木克氏が、初めて本格的に幕末史を論じた研究論文です。

幕末政局の変動の中で、天皇(朝廷)と将軍(幕府)と大名(藩)の権力関係が、徐々に変わっていく様相を、弘化年間から慶応3年の王政復古政変までを射程に入れて分析した論文です。特に文久期あたりを中心に分析されていて、10年以上前の論文ですが、今読んでも示唆に富む内容を含んでいると思います。

例えば、いわゆる公武合体論(佐々木克氏もそうですが、最近は「公武合体」という用語の使用に慎重な研究者が増えているように感じます)についての、次の記述。

公武合体論は、外圧に対抗するという国家的課題に直面して、民心一致の挙国一致体制を創出するため、まず朝・幕・藩が一体化しなければならないという論理で、具体的な政治課題として登場したものである。そのかぎりにおいて、一般の尊攘派のみならず尊攘激派の論理も同じで、尊攘激派の主張を、あまり倒幕論の方向にひきつけすぎて評価すべきではなく、天皇・朝廷に大きく比重をかける公武合体論の一種と見るべきである、と私は考えている。その公武合体が実現したかに見えたとき、じつは朝・幕と藩の分離が明らかになるという皮肉な結果をもたらしていたのであった。
(『日本の近世18 近代国家への志向』185ページ)

上記引用文の最後の一文については、元治元年の参預会議瓦解後の状況を述べたものです。有志大名が上京して開かれた参預会議は、横浜鎖港をめぐって、鎖港論を述べる一橋慶喜と反対の諸侯たちの意見が対立して瓦解しました。その後、横浜鎖港を願う朝廷と、鎖港の実現が困難であることを知りながら鎖港を朝廷に約束して公武合体の体制を築こうとする幕府に、諸藩が失望していた状況を説明したものです。

また、上記引用文に続く同じページの文章では、次のような指摘もなされています。

禁門の変における長州藩の行動は、あきらかに朝廷と幕府への武力をともなった抗議運動であったという、その画期的側面に目を注ぐべきである。

ほかにも、色々と興味深い論点が提示されている論文です。佐々木克氏の幕末政治史研究の端緒としても、意味のある論文だと私は思っています。

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2008年5月 2日 (金)

ドナルドダックとチップ&デール 1

ドナルドダックとチップ&デールは、短編映画の中でよく共演しております。その最初は、1947年の『リスの住宅難』。たいていは木の実の奪い合いや、木の奪い合いなどで、ドナルドとチップ&デールが喧嘩して、ドナルドが2匹に負けて散々な目に遭うストーリーが多いです。

その両者の関係性は、東京ディズニーランドやディズニーシーなどのテーマパークにおいても活かされていると思います。グリーティング中やショーの合間に、よく見ると両者が小競り合いしているような状況がたまにあるはずです。

ドナルドとチップ&デールが共演している映画としては、以下のようなものがあります。

・『リスの住宅難』(1947年)
・『リスの朝ごはん』(1948年)
・『リスの冬支度』(1949年)
・『リスの食糧難』(1949年)
・『リスのおもちゃ合戦』(1949年)
・『ドナルドはデイジーにくびったけ』(1950年)
・『リスのいたずら合戦』(1950年)
・『リスのコールタール騒動』(1950年)
・『リスの雪かき』(1951年)
・『リスのテストパイロット』(1951年)
・『リスの汽車ごっこ』(1951年)
・『ドナルドのりんご園』(1952年)
・『プルートのクリスマスツリー』(1952年)
・『リスのピーナッツ』(1953年)
・『リスの怪獣退治』(1954年)
・『リスの大逆襲』(1955年)
・『リスの船長』(1956年)
・『ミッキーのクリスマスキャロル』(1983年)

多分、以上で全部だと思いますが、抜け落ちているものがもしもありましたら、お気付きの方はご指摘いただけると嬉しいです。

ドナルドとチップ&デールが戦う映画は、ほとんどの場合ドナルドが可哀相なことになるので、ドナルドに感情移入しながら見ると辛いという意見を聞いたことがあります。まぁその気持ちはわからなくもないですが(私もドナルドが好きなので)、それにしてもドナルドとチップ&デールが共演した映画は面白いものが多いです。見ていてニヤニヤしてしまうほど笑えるものが多くて、『リスの食糧難』はナッツの奪い合いをしているだけなのに面白過ぎです。

上記の映画の中で、異色なのは『リスの汽車ごっこ』。いつもはドナルドが散々な目に遭うことが多いのに、この作品のラストはドナルドとチップ&デールの関係が最終的に丸く収まるのです。

ドナルドが庭にミニチュアの街を作ってミニSLで遊んでいるところからストーリーが始まるのですが、庭にある大きな木がミニチュアの街には邪魔だということで、ドナルドはその木を移動させようとします。その木がチップとデールの住居だったものですから、チップとデールは木を取り戻そうと頑張ることになります。

しかし、ドナルドが作ったミニチュアの街に入り込んだチップとデールは、そこがなかなか居心地が良かったため(ミニチュアの家のサイズが2匹にとってピッタリ)、ミニチュアの家の中でくつろいでしまいます。それを見たドナルドは、何と「可愛い」と言って、2匹を観察し始めるのです。ドナルドが、チップとデールのことを「可愛い」と感じるとは、初めて見たとき意外でした。

ともあれ、その後色々あって、チップとデールの住居だった木には大きな穴が空き、SLの線路の真ん中に立ってしまいます。すると、ちょうど空いた穴がトンネルのようになって、SLで遊びたいドナルドにとって「これはこれでいいや」ということになり、最終的には円満に解決するのです。ドナルドとチップ&デールの話にしては、珍しい終わり方です。

ともあれ、ドナルドとチップ&デールの共演話は色々なDVDやビデオ、特に『ハロー!チップとデールがやってきた!!』というDVD(もしくはビデオ)の中に多く収録されています。まだ見たことがない方は、ぜひご覧になってみてください。

後日、別の角度からドナルドダックとチップ&デールについての続編を書くつもりです。

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2008年4月30日 (水)

『アンドロメロス』のメカバルタン

ウルトラマンの宿敵と言えば、バルタン星人。実際、バルタン星人が登場したウルトラ作品は数多いです。バルタン星人が登場した主な作品を列挙すれば、『ウルトラマン』、『ウルトラファイト』(帯番組)、『帰ってきたウルトラマン』、『ザ☆ウルトラマン』(アニメ作品)、『ウルトラマン80』、『ウルトラマンパワード』、『ウルトラマンコスモス ファーストコンタクト』(劇場用映画)、『ウルトラマンマックス』などがあります。細かいものを含めれば、もっと多くの作品にバルタン星人は登場しています。

Imgp2750 そして、ここで紹介する「メカバルタン」も、そんなバルタン星人の中の1人です。名前からもわかるとおり、身体の一部を機械化されたバルタン星人で、ソフビ人形や指人形などのグッズも発売されているキャラクターです。最近では(2月の話ですが)、データカードダス『大怪獣バトル』の怪獣カードとして登場したのも、記憶に新しいところです。

そんなメカバルタンが登場した作品は、1983年に放送された帯番組『アンドロメロス』。ウルトラシリーズの番外編で、雑誌でのグラビア特写+漫画連載という形での活躍を経て、TV化された作品です。コンセプトとしては、「鎧を着たウルトラマン」ということで、雑誌展開の頃は、宇宙警備隊の隊長・ゾフィーがコスモテクター(アンドロ族の戦士から譲り受けた鎧)を着て、「アンドロメロス」を名乗っていました。

TV版『アンドロメロス』は、アンドロ族の戦士ブノワがコスモテクターを身に付け、2代目アンドロメロスとして、そしてアンドロ警備隊の隊長として活躍しました。胸には、初代アンドロメロスであるゾフィーから授かった、ウルトラクロスという勲章を付けています(→アンドロメロスとアンドロ超戦士たちのソフビの画像がコチラ)。

メカバルタンは、その『アンドロメロス』という番組に登場したのです。アンドロ超戦士たちが戦った敵をグア軍団と呼びますが、メカバルタンはそのグア軍団の一員として登場し、アンドロ超戦士たちと戦い、アンドロマルスの必殺技コスモバズーカで倒されました。真相は定かではありませんが、初代ウルトラマンと戦ったバルタン星人が復活させられたものという説もあるようです。

メカバルタンは非常にマイナーなキャラクター(そもそも登場作品がマイナー)ですが、紛れもなくバルタン星人の一員です。バンダイから発売された「不滅のバルタン星人セット」という商品にも、メカバルタンは入っています。

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2008年4月28日 (月)

幕末過渡期国家論

佐藤誠朗・河内八郎編『講座日本近世史8 幕藩制国家の崩壊』(有斐閣、1981年)と、宮地正人『天皇制の政治史的研究』(校倉書房、1981年)に、宮地正人氏の「幕末過渡期国家論」という論文が収録されています。後の幕末政治史研究に大きな影響を与えた、有名な論文です。それだけに、今読んでも示唆に富む内容が多いと思います。

論文タイトルにある「幕末過渡期国家」とは、宮地氏が論文の中で述べている言葉を借りれば、「幕府がそれ自体で公儀たりうる力量を失い、一大大名勢力に転落する過程において、条約勅許を強く拒否しつづける天皇・朝廷が反比例的に国家の中心的存在として浮上し、自らが『強力国家』を組織しようとする時、それを根軸としながら、外圧に堪え、国民を統合しうる国家形態が、支配諸階層によって真剣に模索されていく」として、その新しい国家形態を「幕末過渡期国家」と呼び、その構造を分析しています。

「幕末過渡期国家」の時期としては、文久2年4月から慶応元年10月と設定されます。文久2年4月は、宮地氏が「幕政史上、前代未聞の画期的大事件」と評価する島津久光の率兵上洛の時期。慶応元年10月は、兵庫沖にやってきた西洋列強の艦隊の圧力によって朝廷が条約を勅許した時期にあたります。

もっと詳しく言えば、宮地氏は「幕末過渡期国家」の形成期を文久2年4月から文久3年8月と設定しています。そして、転換期が文久3年8月から元治元年7月。崩壊期が元治元年7月から慶応元年10月ということになります。

「幕末過渡期国家」が形成され始めたのは、宮地氏によれば、徳川家と徳川譜代の利害を優先し、先例と旧例の墨守を第一条件として行政を担ってきた従来の「将軍=譜代結合」体制が、幕末の新たな事態に対応できなくなってきたからです。それゆえに例えば、「幕末過渡期国家」の形成過程で新設された京都守護職は、幕府と深い関係を持ちつつも「将軍=譜代結合」の枠外にある家門が任じられ、「将軍=譜代結合」以外の方法で幕府維持を模索することになります。

そして宮地氏は、「幕末過渡期国家」の時代について、以下のような説明をしています。

文久二年から慶応元年に至る足かけ四年間は、よくいわれるような尊攘派の悔悟の時期でも、また無意味なテロリズムの時期でもない。幕藩体制という特殊日本的な封建制国家が、未曾有の外圧のもと、しかも人民のブルジョア的成長の不充分な段階において、そのありとあらゆる制度・伝統・心理・身分等々の諸モメントを総動員しながら、軍事的・国家的結集をなしとげようとする時、どうしても通過せざるをえなかった必然的な一つの局面、一つの場なのであった。

宮地氏の「幕末過渡期国家論」が収録された同氏の著書『天皇制の政治史的研究』はしばらくの間、品切れの状態になっていましたが、2004年に復刊されたそうです。もしかしたら、今ではもう購入できないかもしれませんが、所蔵している図書館も少なくないはず。幕末政治史や朝幕関係史において重要な研究成果だと思いますので、まだ読んだことがない幕末好きの方には、一読をオススメします。

ちなみに、宮地氏が「画期的大事件」と評価した島津久光の率兵上京については、宮地氏の研究を批判的に継承する形で展開した、笹部昌利「薩摩藩島津家と近衛家の相互的「私」の関わり‐文久二年島津久光「上京」を素材に‐」(『日本歴史』第657号、2003年)という論文があります。いずれ、詳しく紹介するかもしれません。

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2008年4月26日 (土)

「ディズニーの専門家」

早稲田ウィークリーのHPに、2002年4月25日付で掲載されている、有馬哲夫氏の文章を最近読みました。早稲田ウィークリーとは、早稲田大学学生部が発行する学生向け広報誌ですが、その早稲田ウィークリーのHP→バックナンバーのページ→2002年度前期分のページ→4月18日号(961号)掲載記事一覧→とっておきの話:「ディズニーの専門家?」という順番で進んでいただければ、今回の記事で私が話題にしている文章にたどり着けます。

有馬哲夫氏は『ディズニーとは何か』や『ディズニーランド物語』など、「ディズニー」をタイトルに冠する著書をたくさんお持ちのメディア研究者。

早稲田ウィークリーの文章の中で、有馬氏は自分が「ディズニーの専門家」ではないことを盛んに強調しています。ディズニーに関する著書を出し始めた頃、有馬氏にはテーマパーク経営や幼児教育に関する講演の依頼などが来たそうです。しかし、有馬氏はメディア研究者であって、経営だの幼児教育などは専門外のはず。なぜ専門外の話題について、講演依頼が来るのでしょうか。要するに有馬氏は、ディズニーをタイトルに冠する本を出しているとあって、「ディズニーの専門家」と思われてしまい、それで苦労することもあるということのようです。

「ディズニーの専門家」とは、一体どのような人のことを言うのでしょうか。

一口に「ディズニーが好き」「ディズニーに興味がある」と言っても、その人が言う「ディズニー」には、どのような意味内容が含まれているかは、人それぞれ違います。ある人は、会社としてのディズニーの歴史・成り立ちに興味があるかもしれません。ある人はディズニーが生み出した魅力的なキャラクターたちに興味があるかもしれません。ある人はテーマパーク経営に興味があるかもしれません。

しかし、それらすべてに興味・関心を持っていて、誰にも負けないような知識まで持ち合わせている人は、そんなに多くはないはずです。ディズニーに関するHPを作っている人は、必ずしも「ディズニーの専門家」と呼べるほどの人ばかりではないはずです。もちろん、私もそうです。知っていることよりも知らないことの方がはるかに多いです。

しかし、有馬氏は「ディズニー」を冠する著書を出している人なので、そのようなディズニーに関するあらゆることに詳しい「ディズニーの専門家」だと思われてしまう場合があるということなのでしょう。実際のところ、例えばディズニー・アニメーションを研究している学者に、「東京ディズニーランドには、隠れミッキーはどれぐらいあるんですか?」と聞いたところで、答えられない場合の方が多いでしょう。ディズニー・アニメーションの専門家であっても、ディズニー全般の専門家ではないという場合があるのです。

私もまさにそのようなタイプであって、ディズニー・アニメーションのことならそれなりに詳しい面もありますが、例えば海外のディズニー・テーマパークのことや、それこそ隠れミッキーのことには詳しくありません。そもそも、私は絶叫マシンが苦手で、スペースマウンテンやビッグサンダーマウンテンに乗ったことがないので、東京ディズニーランドすら、全く知らない未知の部分が多いんですよね。

そのような事例はディズニー以外でもありがちなこと。例えば、「大学で歴史を教えている先生」と聞いて、歴史のあらゆることに詳しいと思う人もいるかもしれませんが、実際には学者は各々の専門があります。「江戸時代の専門家」もいれば、「明治の文化についての専門家」もいます。例えば「奈良時代の専門家」に、室町時代に関する質問をしても、大した答えは返ってこないかもしれないのです。

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2008年4月23日 (水)

戊辰戦争諷刺錦絵と薩摩藩

『諷刺眼維新変革-民衆は天皇をどう見ていたか-』(校倉書房、2004年)や『絵解き幕末諷刺画と天皇』(柏書房、2007年)などの著書がある奈倉哲三氏は、昨年3月に、「戊辰戦争諷刺錦絵の世界史的位置-国民国家草創期における民衆思想-」(『跡見学園女子大学文学部紀要』第40号)という論文を発表しています。国立情報学研究所が提供する「CiNii 論文情報ナビゲータ」のコチラのページから、PDF閲覧が可能です。

奈倉氏の論文は、「戊辰戦争諷刺錦絵が有する思想史的特質を、同時期ヨーロッパの諷刺画と比較することで、その世界史的位置の解明を試みたもの」です。ここでは、その全体を紹介するのではなく、私が特に興味を持った部分を断片的に紹介・引用することにします。全体の論旨が気になる方は、ぜひ上記のリンクからご自分でお読みください。

奈倉氏は考察の中で、諷刺錦絵2点を取り上げ、戊辰戦争前後の江戸市民が、新政府の中心をなしていた薩摩藩勢力に対して反感を抱いていたことを指摘しています。要するに、その気持ちが諷刺錦絵に出ていると。慶応3年11月頃から江戸で起きた強盗などの犯人が、薩摩藩士や薩摩藩邸に匿われている浪人たちであることを、江戸市民が知っていたことにもよるそうです。次のような指摘もされています。

江戸市民が薩摩を嫌ったのは、市民にとっては現実の恐怖であったからである。薩摩が、たとえ、神権性を喧伝され始めた天皇と「錦の御旗」によって、その正当性を主張しようとも、押し込み強盗を指揮した藩が新政府の中心にあるのであれば、その支配に対し、民衆が拒否の反応を示したのは当然であり、また、天皇による江戸親征に対しても、薩摩が担いでいる以上、忌避の反応を示したのも当然であった。

奈倉氏が指摘しているようなことも、江戸市民の感情としては実際にあったのかもしれません。

ただ、慶応3年末の薩摩藩による、いわゆる江戸撹乱工作ですが、従来は西郷隆盛ら薩摩藩の指導者層の指示を受けての行為と理解されていました。しかし近年、高橋秀直氏によって、京都の薩摩藩指導者から撹乱工作中止の指令が出ていたことが指摘されました。もしも高橋秀直氏の主張が正しければ、慶応3年末の撹乱工作は、藩としての方針ではなく、江戸藩邸の薩摩藩士たちの暴走という可能性も考えられることになります。高橋氏の主張が絶対に正しいとは言いませんが、検討すべきことだと思います。

なお、奈倉氏の論文を面白いと感じた方は、冒頭で紹介した奈倉氏の著書も、お読みになると良いと思います。論文と著書で、相互に補完し合う関係になっているはずです。

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2008年4月19日 (土)

福岡藩慶応元年の政変

『福岡大学人文論叢』第34巻第1号・通号132(2002年6月)に、梶原良則氏の「福岡藩慶応元年の政変」という論文が掲載されています。今回はその論文の内容を少しだけご紹介します。

梶原氏は論文の冒頭で、元治元年の第一次長州征伐をめぐる周旋活動を通じて、「諸藩の合意は幕府の命に優先する、名分のたたない幕府の命は拒否できるという論理」が、幕府に対抗する有力な手段として、慶応期には有力諸藩の間で認識されてきたと述べています。それはすなわち、「雄藩連合の政治路線ともよぶべき新たな政治動向」の登場です。

上記のような政治動向に関する研究蓄積は、必ずしも厚いものではないと梶原氏は言います。そして梶原氏の論文は、雄藩連合の政治路線の一翼を担った福岡藩を題材に、慶応元年前半の福岡藩の政治情況を明らかにすることで、その研究史に新しい1ページを加えることを目的として執筆されたものなのです。

当時の福岡藩の中には、「正義」派と呼ばれた勢力、「因循」派と呼ばれた勢力、「過激」派と呼ばれた勢力の、3つの政治集団が存在していたようです。このうち、元治元年の長州周旋活動において、一定の成果を収めた「正義」派が慶応元年には藩内で勢力を拡大しました。しかし、三条実美ら五卿の筑前渡海の交渉において藩主の意向を無視し、長州尊攘派の救援活動を展開していた月形洗蔵ら「過激」派の行動が、福岡藩主・黒田長溥の反感を買っていたため、「過激」派と近しい「正義」派の方針が、後に「正義」派を追い詰めることになったそうです。

梶原氏の論証によれば、「正義」派は藩の方針として、幕府および朝廷の命令に拘泥せず、藩の独立性を強めていくことを良しとし、だからと言って福岡藩だけで独立性を強めるのは危険という認識によって、薩摩藩や肥後藩などの近隣諸藩との連携、つまり雄藩連合の路線を推進しようとしていたとのことです。また、「正義」派は挙藩一致体制を実現させるため、藩主が嫌っている「過激」派にも寛容だったようです。それに対して藩主は、尊攘派を藩主と言えども統制しきれないような長州藩のような政治情況になること、つまり政治主導権を奪われることを恐れていたようです。

そのため、藩主と「正義」派との対立が深まり、藩主は藩主自身の政治的主導権を確保するため、「正義」派を藩政中枢から一掃しようと考えるようになったようです。そこで藩主が頼りにしたのが、「因循」派と呼ばれる勢力。しかし、「因循」派は「因循」派で、藩主に「過激」派の処分を求めるなどの要請を藩主にしたため、とても藩主が親政できる状況ではなかったとか。藩主には、「過激」派の存在を許容して挙藩一致を目指す「正義」派と、「過激」派の処分を求める「因循」派の、二者択一が迫られていたのだと梶原氏は述べています。

そんな状況の中、長州再征が現実味を帯びてきました。長州再征の実現は、第一次長州征伐の周旋活動を推進した「正義」派にとって、自身の成果を否定されかねないという意味で、何とか福岡藩の再征への出兵を阻止したかったようです。

そんな中、藩主は、中央政局の主導権が一会桑権力に握られ、雄藩連合を推進する勢力が退潮したと認識するようになります。その認識のもとに、藩主は「因循」派と連携して、「正義」派と「過激」派の粛清に乗り出したのだそうです。この選択について梶原氏は、「明治維新における福岡藩の動向を規定することになった」と述べています。

明治維新の変革に、福岡藩がどのように関わったのかを知る上で、非常に興味深く読めた論文でした。幕末の福岡藩を調べる上では、読まないわけにはいかない論文だと思います。

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2008年4月17日 (木)

こんなウルトラマンを見てみたい

『ウルトラセブンX』や『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』のような形ではなく、TVで1年間放送される形式の新しいウルトラ作品が作られるとしたら、「こんな設定だったら嬉しいなぁ」と思う個人的願望・妄想を述べてみたいと思います。

これまでのウルトラ作品には、『ウルトラマンメビウス』のように旧作を完全に同一世界と設定した上で構築した作品だけではなく、『ウルトラマンティガ』のように旧作とは全く異なる新しい世界観を舞台にした作品があると思います。面白ければどっちでも良いというのが本音ではありますし、究極の理想は両方を同時並行でやってくれることです。

でも、諸般の事情でどちらかになるのであれば、できれば『ウルトラマンメビウス』のように、旧作を包含した世界観で活躍するウルトラマンが見たいです。先輩ヒーローとの競演も望めますしね。ただし、先輩ヒーローとの共演が最大の売りになってはいけません。最大の見所はほかの部分であって、客演はあくまで「あるかもしれない」おまけ程度でいいです。なければないで、構いません。

しかもその際、主役のウルトラマンがウルトラ兄弟の一員であったり、ウルトラ兄弟候補生だったりする必要性はないと思っています。以前にも、M78星雲出身とされながら、ウルトラ兄弟ではないウルトラマンは何人かいました。『ウルトラマンUSA』の3人や、ウルトラマングレート、ウルトラマンパワード、ウルトラマンネオス、ウルトラセブン21、ウルトラマンマックス、ウルトラマンゼノンなどです。しかし彼らが活躍した作品は、『ウルトラマンメビウス』のように旧作を同一世界と設定したものではなかったり、あるいは旧作との関連が曖昧だったりしたものが多かったです。

今度は、『ウルトラマンメビウス』のような過去にウルトラ兄弟が活躍した世界の延長上に、ウルトラ兄弟ではないウルトラマンが登場してほしいと思います。いっそ、M78星雲光の国が存在する世界の地球に、ウルトラマンレオのようなM78星雲出身ではないウルトラマンが現われたり、あるいは平成3部作のように宇宙人ではないウルトラマンが主役でもいいと思います。例えばウルトラマンガイアは地球から光を授かりましたが、そのような宇宙人ではないウルトラマンが、ウルトラ兄弟が存在する世界に現われたらどうなるか、ちょっと興味があります(もしかして、今度の映画がそういう趣旨なのでしょうか?)。

また、ウルトラの父は16万歳で、ウルトラ兄弟最年長のゾフィーは2万5千歳ですが、その間の世代のウルトラマンたちはいないのでしょうか。ウルトラ兄弟はみんなゾフィーより年下ですが、ゾフィーが隊長を務める宇宙警備隊には100万人のウルトラ戦士が所属しているそうなので、きっと5万歳の戦士とか3万5千歳の戦士とかがいることでしょう。ゾフィーよりも年上で戦い慣れしているけれども、ウルトラ兄弟には加入していない…そんなウルトラマンが地球に来ても良いと思います。

あるいは、青いウルトラマン。『ウルトラマンメビウス』劇中でのセリフから、青い体の宇宙警備隊員はウルトラマンヒカリが初めての事例のようですが、そのヒカリに続いて宇宙警備隊に加入した青いウルトラマンが地球にやってきたら、どのような活躍を見せてくれるか興味があります。

いっそ、複数の新たなウルトラマンが活躍する作品で、どうでしょうか。映画『ウルトラマンUSA』で3人のウルトラ戦士がM78星雲から派遣されてきたように、『ウルトラマンガイア』にウルトラマンアグルが登場していたように、ビデオ版『ウルトラマンネオス』にウルトラセブン21が登場していたように、『ウルトラマンメビウス』にウルトラマンヒカリが登場していたように。

例えば、新たにM78星雲から地球に派遣された赤い体のウルトラマン(年齢は7万歳ぐらい)と、たまたまM78星雲から科学調査で地球にやってきて何故か地球を守ることになった青いウルトラマンの組み合わせとか。あるいは、宇宙警備隊の青き体のルーキー戦士と、謎の光の力でウルトラマンへの変身能力を身に付けた地球人の組み合わせとか。初代ウルトラマンの伯父さんにあたるベテランのウルトラ戦士と、M78星雲以外の星から来たコメディ系ウルトラマン(ゼアスやナイスのような)の組み合わせとか。

異なる性格、異なる立場、異なる出自のウルトラマンが複数出てくる物語を、ぜひ見てみたいです。言うなれば、私は『仮面ライダーアギト』のようなものを望んでいるのかもしれません。私は平成の仮面ライダーの中では『アギト』がダントツで好きなのですが、『アギト』にアギト、ギルス、G3-Xといった異なる特徴を持つ3人ライダーが出てきたような展開を、ウルトラマンでも見たいのかもしれません。

最初に述べたように、先輩ヒーローの客演は「あるかもしれない」程度でいいです。あれば嬉しいですが、その作品の良さをファンが談義したときに、客演回しか語られない場合は非常に寂しいですから。客演が多すぎても、客演のありがたみが薄れることもありうるでしょうし、新ヒーローのカッコよさが霞んでしまうのもどうかと思いますので。旧作との繋がりはあっても客演はほとんどない、『ウルトラマン80』のような感じでもいいのではないでしょうか。

まぁ、冒頭で述べたように、究極の理想はM78星雲の世界観と、それとは全く異なる世界観の物語の両方を見られることなんですけどね。どうも、『ウルトラマンティガ』など平成三部作の頃にはウルトラ兄弟の存在が軽視され、逆に『ウルトラマンメビウス』の頃には府非M78星雲出身のウルトラマンが軽視されていたような印象があるので、どちらかだけに偏ると寂しい感じがするんですよね。

「初代ウルトラマンだってセブンだって、タロウだってレオだって、ジョーニアスだってパワードだって、ティガだってガイアだって、コスモスだってネクサスだって、ゼアスだってナイスだって、マックスだってメビウスだって、みんなウルトラマンなんだ!!」ということを強調しておきたいです。

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